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『会計力』が事業を育てる - 会計土木®の現場から

第51回 コラム:枝道・わき道  資産の防衛

2010年12月1日
 今後注意するポイントは以下と考えます。

1、働いて貯めた貯蓄を税金や預貯金の目減りで減らさないようにしなければなりません。

税制調査会の議論では、退職金に対する税金は来年から増えそうです。相続税の基礎控除も削られ増税の様子です。

企業を通じて払う法定福利費も今年は増加しました。給与の額が同じなら手取り額は減少しています。


2、インフレになって通貨の価値が下がると預貯金の価値も下がります。

通貨の供給量を増やすと上記のようになります。


3、金利の上昇に注意しましょう。

インフレ傾向のもとでは、借金をしている方が得だ、との認識がありますが、それは反面のことです。他の反面では国債の消化が鈍り、保有している人の売却をきっかけとして、新規発行国債に関しては金利を上げざるを得なくなります。債券の金利につられて貸出金利も上がりと思われます。借金している方は、借入金の変動金利部分の返済額増加を招きます。

インフレ傾向のもとでは、余波として、輸入物の価格(石油、原材料)があがるとともに、それらで作られる製品にも波及して価格上昇(cost push)する一方、現金でいただいた給与はたちまち価値が下がることになりかねません。年金も同様です。


最悪の状態は、そこへ消費税率がUPされることです。

資産の運用、節税、購買態度の変更など、経済環境の悪化にめげないで頭を使う時が来たようです。

第52回 コラム:鳥の目・犬の目:ドラマ「99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜」

2010年12月7日

 既に11月初めでしたが、久しぶりに良いドラマを見ました。いまも余韻が残っています。

感じたことがいくつかあります。


1、圧巻は442部隊の戦闘場面

 フランス、ビフォンテーヌでのテキサス大隊救出作戦のシーンです。まさに全滅寸前での草彅 剛の進退きわまった場面で演じる悲しみと決意の表情は深い感動を与えます。

バックに流れるチャイコフスキーの交響曲も効いています。
 
 あのような進退きわまった状態は、仕事上でも(自分との闘いも含めて)、小さいながらも日々起こっているのに曖昧にやり過ごしているのではないだろうか、と自問してしまいました。

 平和な平素の生活でも、その時その時をあの兵士のように、集中して生きることができたなら、その積み重ねが運命を力強く切り開いてゆくような気がしました。


2、ジャップと言われる理由はどこにあるのか

 草彅君と仲間由紀恵がシアトルの街を歩くとアメリカ人から「ジャップ!、出てゆけ」「日本人が真珠湾でアメリカにしたこと知ってるか?」と罵られます。

 シアトルには何回も行きましたが、さすがに今は面と向かってジャップと言われる時代ではありませんが、場所によっては黄色人種としての差別を感じることは稀にあります。しかし日本人は他のイエローより差別度は少ないように思います。

 「真珠湾でしたこと」とは、役人のした失敗が決定的に国民(日系アメリカ人にまで。それゆえに彼らは442部隊に入隊して名誉を回復しようとしたともとれます)に不利を与える実例として認識する必要があります。

 今も良く似たことが起こっています。日本の体質として、本当の原因が分かっているのに知らせない、この体質が昔から変わらないかぎりまた災難がもたらされるかもしれません。

 この真相を書いた記事や書物は多く刊行されていますから、みなさんご存知と思います。要約します。


 運悪く真珠湾攻撃のその日(昭和16年12月8日)が日曜日で、アメリカ大使館の担当者たちは、同僚の送別会で前夜遅くまで飲んでいて、出勤が大幅に遅れ、日本からの暗号文を翻訳して宣戦布告を起草するのに時間がなく、結局(たしか)予定時刻より20分遅れてハル国務長官に宣戦布告を手渡すことになりました。

 既に予定通り、日本海軍の連合艦隊は作戦を開始し、予定時刻に航空母艦赤城などから飛び立った爆撃機と護衛戦闘機によって、真珠湾攻撃は実行されてました。そのことをハワイからの電報で知っていたハル長官は顎をしゃくって文書を手渡しに来た日本の大使を追い返したと、書かれています。

 その担当参事官は更迭もされず、その後順調にスイス大使に出世しています。真相はこの20年くらい前まで知ることはできませんでした。

  これから戦争をする相手国駐在の大使館員が前夜に飲み過ぎで、開戦当日大幅な遅刻というのもタルンでいるとしか言いようがありませんが、それ以上に、失態を演じた当事者たちは何事もなかったように出世してゆくこの甘さと、何事も隠す点が問題です。

 実質はハル長官の最後通牒こそが戦争の引き金だったといわれていますから、日本は、はめられたともいえるところ、時間の遅れで相手に正当性の盾を与えてしまうことになりました。そして米国民に「日本人は卑怯だ!」と流布されたのです。


3,モノをもたない気楽さ、、

 第一話で、単身海を渡った先代の若いころを演じる草彅君が毛布一枚を肩にかけ、アルミの皿とコーヒーカップを毛布に結んで日雇い農夫として渡り歩くシーンがあります。

 毛布(Blanket)一つしかもたないのでblanketorと言われてましたが、最少必要限しかモノをもたない、或る意味での自由な気楽さが伝わってきます。

 自分の日常がどれだけモノにあふれて身動きがとれなくなっているか、気付きました。


 このドラマは4人兄弟の物語でもあります。キャストが良かった。

草彅君が長兄、弟が松山ケンイチ、兄貴を立てながら、丸刈りできかん気の弟役を好演、ノルウエーの森の主役と異なるイメージ。上の妹が寺島 咲、末の妹に川島海荷(ウミカ)で、私が長年のファンの泉 ピン子のお母さんも良かった、地に足ついてて。充実イモトアヤコ、中井貴一のお父さんなど、見ごたえがありました。
 千住 明の音楽もまさに大河のうねりを感じさせる。


 442部隊のドキュメンタリー映画が神戸の映画館で上映中。前売り券は完売で満員らしいです。今度の日曜日に行ってみよう。

第53回 コラム:鳥の目・犬の目:442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍

2010年12月12日
 見てきました。
「魂を揺さぶられる映画。最高の感動、感動の渦」との前評判にたがわない良い映画でした。


新長田の映画館でしかやっていないので新快速でゆきました。震災で大きな被害を受けた街なのに、奇麗に復興していました。

前売りチケットは完売なので、早い目に行ったら、お客さんが多いということで夜の部まで追加上映されていました。


チケットとパンフレットをゲットして一安心。朝食抜きだったのを思い出して近くの喫茶店に入りました。一人なので、隅の席に座ろうとしましたら、お店のおばさんから「兄ちゃん、こっちの方が暖かいよ」とストーブの近くの席を勧められました。


兄ちゃん、と言われるのは何年か前の上海以来やなーと思いながらパンフレットを見ていますと、映画への期待が高まります。

今年7月にロスアンゼルスの初公開では驚異的な動員を記録し、チケットは「ソールドアウトでもう券は売れないと言っても、立ってでも見たいと言う人は劇場を去らず、消防法違反は承知の上で立って見せることになった。」(パンフレットのderector’s commentより)そうである。

当日も、さして大きくはない映画館ではあったがパイプの補助椅子をいくつも出して対応されていました。

涙涙の90分でした。

映画の中でも紹介されていますがイタリヤ戦線で進撃して、もうすぐローマ入城の寸前にStopを命じられ、後から来た白人部隊が入城してニュース映画に残る一方、彼らはローマを迂回させられ、北フランスの激戦地に向かわせられたことなどいくつもの「過酷さ」が印象的でした。


人種差別のもと、「消耗品のように使い捨て」(出演のダニエル・イノウエ上院議員)を分りながら、Go for  Broke(あたって砕けろ)の精神で、Japanese Americansの名誉のために最も困難な戦場で多くの犠牲者を出しながら戦い、米国の退役少将から「スーパーヒーロー」と称された戦いぶりを、当時の生き残りの兵士のインタビューと当時のニュース映画を挿入しながらの運びは引きこまれるものでした。

すずきじゅんいち監督(「東大卒、アメリカ在住)の公平な、しかしどの国の人の魂にも訴える構成のうえに、喜多郎の素晴らしい音楽が重なって重厚な映画になっていました。

すずき監督もパンフレットで書かれていますが、フランスやイタリヤにある何か所もの美しく整備された米軍墓地で、国のため戦って死んでいった兵士を手厚く葬っているのに比べ「日本では国の為に命を掛けて戦った兵士たちへの顕彰や慰霊はあまりにお粗末ではないだろうか。」に強く共感します。


官僚国家日本は本当に冷たいと思うし、現在の自衛隊や海上保安官の方々には気の毒に思わずにはおれません。

それはともあれ、映画のなかでアメリカの精神科医が、戦場体験者はひどいことや悪いことを述べるのに対し442部隊の彼らは、過去の過酷な中から良いことのみ口に出す、そして過去ではなく(85歳や90歳過ぎでも)未来を見つめている、素晴らしいことだ、の言葉に生きてゆくための大きなヒントがあるように思います。


それに映画のなかでも出演者の元兵士達によって述べられていましたが、日本人は勇敢で優秀というだけでなく、彼らの親である「issei parents:一世の親たち」の教育が大きな影響を与えたようである。99年の愛・・でも父親役の中井貴一が陸軍の制服を着た草彅君の肩に手を当てて、諭すように、日本人として恥ずかしくない戦いを、と言う場面を想起しました。


結局、この戦果の結果、戦後に公民権法ができ黒人も解放された(パンフレット中、日下公人氏)そうである。戦った意味は大きい。


価値ある映画と思う。

喜多郎の躍動感いっぱいの音楽が収録されたCDも逸品。

第54回 コラム:枝道・わき道  「現場力」命

2011年4月2日
 震災以来現地では懸命の復興作業が続いています。

地震のダメージより津波と原発の事故がより大きな困難をもたらしています。


報道で気付いたことがあります。

 救援活動・復興作業を担っている方たちは「現場の人たち」です。身を挺しての動きに頭が下がるばかりです。

 現場の方たちは記者会見に出てくる人たちとは明らかに「顔つき」が違うのです。間延びしてないのです。厳しく引き締まっています。平素の心掛けなのか、使命感なのか、こういうときに顔つきに出るのですね。怖いと思いました。

 今回の震災で気づきました。我々の日常はTVに出てくる一部の人たちではなく、このような現場の人々によって支えられていたのであることを。

 現場には多くの分野があることも、平素は何も気づかなかったのがはずかしいくらいの職種があります。自衛隊、消防、海上保安庁、警察はいうまでもなく、水道、建築、土木、流通、コンビニ、ガソリン関係、電気工事、自動車の仕事、運送、燃料、料理、医療、看護、薬剤、保険関係、コンピュータなどの情報関連、電信電話、食物、農業など書ききれない業種が現地で働かれ活動されています。

 いままで愚かにも、多くの業種の人々のお世話になっているのだということの「認識」が薄かったと感じました。これらの現業こそ「現場力」といえると思います。大きなチカラです。

 そしてこのことは、日本という国の本質の部分ではないかと思うのです。3月11日以降、いろいろな、人の集まりで、或いは人と話すとき、例外なく皆さん「現場の人」に賛辞を送ります。

 私は日本という国は「上げ底」の国であると以前から思ってきました。今度の震災で上げ底の上辺が割れて、どんどん底が見えてくることで、今までと違った世の中になるのではないかと思います。

 ウマクやって用心深く安全なところにいる人たちが、否応なく引きずり出されて馬脚を現す一方、見えないところで地道に生きてきた人々に少しでもいい風が吹くようになれば、と思います。

 どの業界にも、どの世界にもウマクやる人はいます。その世界に入るために偏差値だけを上げる事をしてきた人たちの終焉が迫っているのかもしれません。

本当に現場の人々、協力(下請け)会社の皆さん、ありがとうございます。


そして不要なモノも見えました。善意を教え込むような、TVで繰り返し流されるCMです。あんなもの要りません。大概にしてほしいです。

第55回 「現場力] Part 2

2011年4月28日
 震災を契機に「現場力」について考えてみました。

現場とは、現実の問題に向かい合う場、と表現できます。そうすると、現場はどのような職種にもあります。オフイスの仕事にも現場はあります。

ではその強弱は何で差がつくのか。鍛え方の差ではないでしょうか。
今回の救援・復興で御苦労されている職種は結果がハッキリ出る職種が多いように思えます。結果が生命に係る場合もあるでしょう。

そのための平素の訓練や、気構えも厳しい現場ほど鍛え方も厳しく、高度になるのでしょう。

すべての職種にある「現場」で、厳しい、厳しくないの境界は何によって決まるのか、。
私は外部評価と内部評価に分けて考えてみました。

外部評価とはテキの評価です。弱い軍隊の行く先には生きる望みはありません。不味い料理しか出てこないレストランの先行きは厳しいものがあります。打てない野球選手の年俸は下がるだけです。

一方、内部評価は、集団の組織のもとで評価されるものですが、外部評価ほどハッキリしません。
しかもその組織が「既得権」で守られたものなら、組織全体がぬるま湯になる可能性があります。


日本人は集団で成果を上げることが得手であるといわれています。また権威に弱く、既得権の中に入って守られようとする気質は従来から指摘されてきました。そしていったん入り込んだらもう一生が安泰と思う人も多いです。


その上、「和を以て貴し」としますから、良いときや順風のときは居心地も良いでしよう。反面、自己の主張を引っ込めない人は、組織から排除されます。

しかし事態が大変な時は、「既得権」も「和を以て貴し」もなく、キビシイ外部からの問題に対処しなければなりません。


今回の震災では、たとえ組織の中にいる人でも、個人で仕事する人でも、厳しい外部からの「攻撃」にさらされる局面で、逃げないでそれに対処する姿勢が現場力を強くする素であると思いました。


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