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『会計力』が事業を育てる - 会計土木®の現場から

第61回  自己金融入門

2011年6月3日
  自己金融入門−税務で優位に立ち、銀行借入を最少化して強い財務体質に! (5)


Q:自己金融システムの骨格はどのようなものでしょうか?


A:3層になっています。

一番上の表層部は、
  高付加価値率フリーキャッシュフローの獲得です。


2層目はそれらを得るための道具立てを示します。

(1)高粗利率を平均的に引き上げるための処方があります。
   商品群ごとの粗利率を抽出し、益率の低い商品群につき何が原因か把握します。
  高い益率を得ている商品群については、更にその益率を引上げることを考えます。
  
   市販の、経営分析のデータ集などで、業種ごとの平均粗利益率が掲載されていますが、それを
  見て「我社は平均より上だ」と安心してはいけません。平均に何の意味もないのです。
   高いものはより高く、低いもので改善の余地がないものは情け容赦なく、切り捨てましょう。切り
  捨てるだけで平均値は上がります。

(2)フリ−キャッシュフローを得るには、キャッシュサイクルを改善しなければなりません。
  ウリの回収日数がカイの支払日数よりも長いままでは、幾ら売上が伸びても、連動して資金繰り
  は悪くなります。
   この場合も他社の平均データ集などは見ないことです。一日でも回収を早くするには何が障害
  になっているのか、得意先ごと、商品ごとに見ます。そして得り先には回収条件の、買い先には支
  払条件の改善のための交渉をします。交換条件も必要かもしれません。交渉に負けないことで
  す。
   説得、リードする態度で粘りましょう。安易な妥協はあとあと祟ります。


上記2層の土台にあるのは事業経営に関する理念・哲学です。
 必須のものはトップによる
(1)マーケテイングと(2)開発研究の指導です。

  貴社の商品の需要がいつもある、オファーが常に来る、
 貴社のサービスの依頼先が整理券をもって待っているようになるまでのしつこい巧みなマーケッテ 
 イングが継続されなければなりません。また自社製品やサービス内容に関しての勉強や工夫を怠 
 ることは命取りです。
  このような状態になれば、価格も強気で示すことができます。結果として粗利益率はUPしてゆき
 ます。

上記は骨格ですから、言わば最少限のことですが必須の要素です。これらがあって銀行に依存しなくても資金が循環する前提ができたと言えます。

但し、言うは易く行うは難し、のたとえの通り、継続してそれらのことが企業体質になるまでには、経営者と会社幹部の連携と、不退転の努力の継続が必要です。

自己金融とは金融の次元のテクニックではなく「企業体質作り」そのものなのです。

第62回 コラム:鳥の目・犬の目:思考を練ることと、PCスキル

2011年6月6日
 
PCスキルが高い人と、PCができない、または下手な人と比べて後者の人の仕事の能力が低いと判断してはいけません。

どう考え、行動し、どんな結果を出すかが仕事の「能力」とすれば、PCができる人=仕事能力が高い人、とは言えません。

単なる資料作りが仕事と言う場合なら、PCができる人の方が、仕事は早いです。但しこの場合の「仕事」は一番簡単な仕事のことです。創造力や対人折衝力によって成果に差が出るような仕事は、この場合の「仕事」には含まれていません。

PCスキルは英語ができること、と似たところがあります。

英語が話せるということと、仕事の成果とは直接関係がありません。
どちらも道具なのです。

良い道具を持っているに越したことはありませんが、自分のもつ道具が不十分でも、自ら工夫しながらや、人の助けを得ながらでも良い「仕事」をすることは可能です。

PCが堪能で、英語が流暢に話せても、結果を出せない人もいます。

その違いは、思考の深さとユニークさ、忍耐力、持続力、加えて素早い行動力です。
特に深く考えて的を得た行動をすることと、その人個人が持つ道具の善し悪しは関係がありません。

欠ければ満ちるように、空白は満たされます。これは道具のことです。代用品もありです。

しかし、思考の空白や、行動(実行)の欠如は周りによって満たされることはありません。結果も出ません。無いものは出せないのです。

道具の源泉は訓練の機会(たまたま学校に行けた)の有無や、境遇(たとえば帰国子女であったから英語が流暢であるなど)によって支配されることが多いですが、思考や行動力は完全にその人個人の意思やセンス(自分以外の人物から学ぶことは勿論、森羅万象から学び取る資質)に負うところです。

「道具」でカバーできない部分を、どれだけ創り上げられるかの個人の能力の時代に来たようです。



第63回 コラム:枝道・わき道      数字で考えると絵を見るようにハッキリする

2011年6月7日
過去のことでも、これからのことでも、思考を一旦数字にすることでその輪郭がハッキリしてきます。


実は先週末に房総半島にいました。

大東亜戦争の末期に、日本軍が、来襲するアメリカ軍を迎撃するために構築した陣地の跡や地形を視察して、この作戦計画を考えるためにです。孫子経営塾の企画です。

米軍の上陸が想定された九十九里浜を遠望しての、拠点陣地(コンクリートが足りないため恒久陣地を構築できない。円陣陣地のこと)の跡や着弾観測所、対戦車速射砲陣地、山砲陣地、山蔭の側射砲陣地跡から、レ−ダー址、レーダーの護衛機関銃座跡、対戦車砲陣地跡、地下工場跡、飛行場跡などを巡ると、絶望的な状況であったことが痛感できます。


痛感するとともに気付いたことは数字の持つ力でした。計数データの日米の戦力比較を見ました。兵員数、武器の種類、数量、火力、すべてにおいて10倍の開きがあります。

現地を見て、数字を見ることで、良く理解できます。前者でイメージし、後者で裏付けが得られるのです。

兵員の数の劣勢を補うために国民義勇戦闘隊という勇ましい名前の集団も構想され、男は15歳から60歳まで、女性は17歳から40歳までが対象とされました。千葉県だけで60万人、全国で2800万人を動員しようというものです。

但し武器の支給はなし。武器は鎌でも竹やりでも、日本刀、弓矢でもよいから各自調達せよ、となっていました。挙げられた「武器」のなかに「捕り物道具」までありました。時代劇の半七捕物帳などで出てくる十手などのことでしょうか。ここまでくると滑稽を通り越して呆れてしまいます。

たしか満州へソ連が侵入してきた時も武器持参だったとある書籍では書かれています。

九十九里浜沖に展開する米国艦隊からの艦砲射撃の到達点は千葉・佐倉・成田の線と想定されていましたから、九十九里にどのような陣地を構築しても、戦う前から結果は決まっていたようなものでしょう。


この研究をされた人は、実際にこの作戦が実行されたら、徒に犠牲者が増え、悲惨なことになったであろうと仰っていました。

私見ですが、やはり国家は国民を見捨てるということですね。満州でも沖縄でも、九十九里でも。

数字でのシミュレーションで決定的に残された道は敗北しかないところを、なお突き進むことは国家の命運をかけた戦争ですから、それなりの背景があったから、と思われますが、事業の場合に置き換えてみれば、
下記のように思います。

  ・ここまで追い込まれない段階でリカバリーして終結にもってゆく(廃業など)
 
  ・ビジネスは戦争に似た面はあるものの、戦争ではない。失うものはあるが再起も可能であるか
              ら、終わり方を良く考える
  ・数字から、先を洞察することを「慣習化」しておくことが悲惨な状況に陥らない道である
 
  ・追い込まれてから後手後手に打つ手は上述の「国民義勇隊」のように、完全な外道の方策しか 
               取れないことになる。

この意味でも、事業の予測をして先の損益計算と財政状態を知ることの意味は大きいと思いました。

会計とは兆候を知り、遠くからじっくりと物事を成就してゆく道具であることを再認識しました。

(蛇足ながら)
千葉県には何回か来ましたが、外房のこのあたりまで来るのは初めてでした。家々には庭と生垣があり、人々は親切で豊かなところでした。あの当時の戦火が及ばなくて良かったと思いました。

第64回 現代の中小企業と自己金融の位置づけ

2011年7月5日
自己金融は道具のようなものです。

どのような場面で道具を使用するかがポイントです。使うべきでない場合に適当でない道具を使うと効果がないどころか、経営を危うくすることになりかねません。


少し大きな地図を広げるような気持で、困難に直面しつつある、我が国の中小企業にとって、今どこに居るのか、流されるとどうなってゆくのか、を知っておくことは重要です。

平均的な経済的背景:仕入原価の上昇により粗利益率が傾向的に低落してゆく中で、借入金をまだ
               まだ返済してゆかなければならない現実があります。
    


現状の問題点:一番の問題は
         後継者が存在するか、存在しないか、
       
         関連して
          銀行借入の残額の多寡と個人保証(ほとんどが連帯保証です)の有無
                                                    です。
         最後に、その会社の株式の支配権は誰は保有しているか。
                                               がキ―です。

パターンのいろいろ

1、事業継承者が居るが、まだ先代が連帯保証をしている。株式も先代が大部分を所有している。継承者に経営のバトンは移っていない。


2、事業継承者がいない、または育っていない。事業は利益が出ている。銀行借入が多い。現社長が連帯保証している。先行き事業を支える人材は見当たらない。

3、事業継承者がいない。決算は赤字である。銀行借入は少ない。現社長が連帯保証している。
株式は現社長が保有している。


このように事業継承者の有無、借入金と個人保証、過半数株式の保有者がだれに移行してゆくかなど問題点が、自己金融の回りに見えない形で隠れています


同時に自己金融の周りのこれらの問題には解決手段として

1、外科的な方法として   ・株式譲渡 ・株式の贈与 ・M&A ・組織再編  ・会社の解散、清算    
                  ・個人事業化 などがあります。

2、対象的に漢方のような対処法が自己金融なのです。


これからは経済事情は逼迫してくると考えられますから、1と2の方法の使い分けは難しいです。

その上、1,2に共通して
  株式評価、自己株式、相続贈与税の納税猶予の特例、相続時精算課税制度、
 債務消滅益の取扱、グループ法人課税、期限切れ欠損金の扱い、子会社消滅損、
 組織再編税制、保証債務の相続税上の取扱

などの税務上の扱いを有利に選択してゆかないと正解には至りません。




第65回 お知らせ:この夏に考えてみました。

2011年9月8日
 結論から申しますと

ブログメルマガを分けることにしました。

従来の本文(最近のものでは自己金融ですが)はノウハウのため、内容的にやや重く、ブログよりむしろメルマガで連載するようにさせていただきます。

これからメルマガの開設準備に入ります。

従来の「鳥の目・犬の目」や「枝道・わき道」などの、たまに登場させていたコラムをブログで掲載させていただくことにしました。

ブログからもメルマガに登録できるように、登録用フォームを設置させていただきますので、宜しくお願いします。

ブログは、広い視点から、具体的な問題に焦点を当て、

その問題につき、  
 メルマガで解決法を記しますが、簡潔でワカリヤスイ、読みやすい、ようにしたいと思っています。
できたら図やイラストも入れたいです。

以上ご連絡です。宜しくお願いします。
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