税務会計 フォアユー パートナーズ Do-ing

『会計力』が事業を育てる - 会計土木®の現場から

第86回 □  税務調査はこう変わります。

2012年9月24日
 

税務調査について定められた国税通則法が改正され、早ければ10月1日から、

概ねは平成25年から次のように変わります。関与先各社に関連のあるものを

拾ってご紹介させていただきます。

 

 

………………………………………………………………………………………………

◆【1】 10月1日から適用されるもの

………………………………………………………………………………………………

 

(1)事前通知:実地調査に先立って、あらかじめ電話にて納税者や税理士と、

日程調整をして、日取りが決まったら次の事項を納税者か税理士に対し「事前通知」

しなければなりません。これは書面とは限られていません。

 

 ・調査をする旨 

 ・日時

 ・場所

 ・目的

 ・対象税目

 ・期間

 ・対象となる帳簿や物件

 ・調査官氏名と所属官署

 ・以上の項目以外に非違が疑われる場合には当該事項に関し調査をできる旨

 

  ≪この内、目的、対象税目、対象物件はしっかり確認することです。

  印紙税が対象税目に入ってないで調査開始後、印紙に付き指摘されることは

  約束違反になりますね≫

 

税務署長に集まった情報などにより、事前通知をすれば不正行為を容易にし、

正確な所得把握を困難にするとみられる場合には事前通知をしないことも税務署

には許されていますので、抜き打ち調査が全くない、とは言えません。

  ≪なんや今までと変わらんなー≫

 

(2)調査の結果、修正申告の必要があると認められる場合、税務署は修正申告を

勧める教示文書を交付しなければなりません。

  ≪税務署も仕事が増えますねー≫

 

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◆【2】 平成25年から適用が開始されるもの

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(1)税務調査終了手続

税務署は、以下の項目を納税者に知らせなければなりません。以下が法律で明文で規

定され、

  ≪税務署に義務づけられたことは大きな進歩と思います≫

  ≪スタートとゴールがハッキリしました≫

 

・更正決定することがない場合は、税務署は、その旨を記した通知書を交付しなけれ

ばなりません

  ≪今までの申告是認通知書に代わるものです。≫

これを出す条件は調査したすべての税目、課税期間について非違がない場合で、

  ≪これをいただくのはなかなか厳しいです≫

 

・更正決定すべきと認められる場合には、税務署は、非違事項の額、その理由を

説明しなければなりません。                  ~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・行政指導として修正申告を勧奨します。但しこれは行政指導で納税者側に義務はあ

りません。

  ≪手打ちをしないで争うこともできます≫        

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

尚、修正申告をしても、その後「更正(税額が下がることを意味します)の請求」

をして税額の減額を請求する道は残されていることを税務署は納税者に説明するとと

もに、

そのことを記載した文書を納税者に交付しなければなりません。納税者は署名押印を

求められます。

  ≪たいそうなことです≫

 

但し一旦修正申告をしますと、その後は、不服申立て(*)はできませんので注意が

必要です。

                   

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        ((*)税務署への異議申立や国税不服審判所への審査請求を言い

ます)

 

(2)資料や帳簿の提出要求

これまでは任意の提出でしたが、「必要があるときは提出された物件を留め置くこと

できる」とキツくなります。預り証が交付されます。

 

(3)預り証

発行したとき、物品を返還され預り証を返す時、そのつど納税者の署名押印が求めら

れます。

  ≪税務署もこちらも、共に、たいそうです≫

 

(4)更正の請求期間の延長

これまでは申告期限から1年でしたが、5年内に延長されました。

  ≪有利になりました≫      ~~~~~~

                  

(5)不利益処分

青色申告、白色申告に関係なく、課税庁が行う全ての不利益処分については理由を示

し、

書面での処分は書面で理由を附記することが税務署に要求されるようになりました。

  ≪行政の透明化ですか≫

 

 

第87回 □  復興特別税の内容

2012年10月20日
 

復興予算流用がニュースで取り上げられています。その前に99日(日)夜9

からの「NHKスぺシヤル・・復興予算19兆円の行方・・」では予算が東北地方に

使われていない実例が報道されていました。

 

この予算の財源になるのが復興特別税です。流用の問題だけではなくその財源は

これから我々が支払う追加の税金です。身近な実務がどのように影響されるのかを

見てみましょう。

 

復興特別税は法人税と所得税に付加されます。

 

 

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◆【1】 復興法人税は簡単:通常の法人税額の10%が付加されます。

     期間は244月〜273月までの3年間。

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例:通常の法人税の額(H244以降の一般税率25.5%)+通常の法人税額×10

1) 1,000,000円×0.255255,000

2)  255,000円×0.125,500円     (1)+(2)=280,500

 

※ポイント※ 

今年4月以降の法人税率が下がったため、結果的には280,500円÷1,000,000

       =0.28となりH24,3月以前の税率30%より2%低くなります。

法人税額がない法人
には、復興特別法人税はかかりません。復興法人税の申告書の提出も不要です。

 

 

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◆【2】 問題は復興所得税です

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1)税率2.1%   

2)期間 平成25年〜49年までの25年間!!****≪ 気が遠くなります ≫****

3)税額:これまでの所得税額×2.1

 

確定申告書にて納めますが所得税のかからない人は不要です。

 

 

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◆【3】 復興所得税の問題点、注意点

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原則は確定申告ですが、下記のすべてに適用されますので注意が必要です。

広い範囲に影響が出ます。

  ****≪ 25年間ですぞ! ≫****

 

 ○予定納税

 ○源泉徴収所得税・・・給与の場合は25年から源泉徴収税額表は変わります。

            24年までの税額表は使えません。

 

       ・・・報酬料金の源泉徴収も2.1%上乗せされます。

          従来10%であった源泉額は10.21%になります。

 

       これまでの報酬料金20万円を手取りで渡すには

        200,000円÷0.9222,222円 が、これからは、

        200,000円÷(1−0.1021)=222,741 222,740円になります。

 

       ・・・預金利子や投資信託の源泉も平成251月】以降(満期)から

        これまで国税 15% → ≫ 15.315

        地方税  5% → ≫    5%(国税でないから変わらず)

              ****≪ 足並み揃わなくて却ってややこしいね! ≫****

 

       ・・・上場株式の源泉も同上です。

 

 実務現場はタイヘンです。政治家は現場のことなど何にも分かっていないのでは?

 

 

 

第88回 「減資」について考えてみましょう

2012年11月30日
 

減資は、文字通り資本金を減少することを言います。

 

資本金の減少とは現金で出資者である株主に「一定の金額」を払戻します。

一定の金額とはその株主の保有株数×一株当たりの単価です。

 

1、(払戻す場合の注意事項)

単価に注意

株主全員に、同じ割合で払い戻す場合は、一株当たりの単価(株価)は任意です。但し株主が法人の場合は時価の二分の一に満たない価額での払戻は時価に引き直されますので注意が必要です。

利益の溜りに注意

利益剰余金が会社に溜まっている場合は払戻額のうち、元本である資本金を超える部分が利益剰余金ですから、この部分の払い戻しとなり、配当とみなされて個人株主は所得税が課税されます。確定申告の際に少しですが「配当控除」という税額控除が適用され納税額は下がります。一方、法人株主には益金不算入で課税は原則ありません。

  払戻す単価が低くても元本部分と利益の溜まり部分を比例按分しますから、みなし配当は出ますので注意が必要です。

貸借対照表の赤字がなくなった会社はグッドタイミング

利益の溜りがほとんどない会社や欠損金があって資本割れしている会社(利益剰余金がマイナス、つまり繰越欠損金がある会社)は配当は出ません。今まで赤字で苦しんできてやっと最近トントンになった会社には減資はタイミング的に有効でしょう。但し会社法の分配規制を超えてはいけません。

特定株主に注意

しかし特定の株主(やグループ・複数)に対してのみ偏って払戻す場合には、その会社の時価を反映した価額でなくてはいけません。

贈与税に注意

株主の中で創業者の立場の株主に多くを払い戻して、次世代の株主に偏って少ない金額を払い戻したりしますと持株比率がねじれて資産の移転が起こるので問題です。贈与税がかかります。

会社の時価を反映した株式の価額は財産評価通達で計算します。

 

2、(減資のメリット・デメリット)

<メリット>

資本金が1000万円以下になりますと法人市民税、府県民税の均等割額が最低額(府県民税2万円、市民税5万円 ただし標準税率の場合)になります。

・純資産(資本)の部がスリムになるとともに、株主数も減少して株主総会などの運営も楽になります。

昔は発起人が7名以上必要でしたので、親戚などに頼んで印鑑証明を取ってもらって株式会社を設立したものですが、その方たちが老齢になられて、株主の地位が相続されますと、顔も見たことのない人が株主として現れるかもしれません。やりにくい面が出てきます。今のうちに株主メンバーの見直しは必要でしょう。

・株数が減少しますので株式の、相続税の課税対象も減少します。

<デメリット>

・資本金が小さくなりますので見た目は貧相に見えます。実質本位の今の時代に大きな資本金は閉鎖会社では必要ないかもしれません。但し建設業や運送業、下請法の影響を受ける会社などは要注意です。

・資本金が少ないゆえに人材は取りにくい面が出ます。資本金3000万円の会社と1000万円の会社では、赤字か黒字か外からは見えないので、就職などの場合、資本金の大きいほうが有利かもしれません。

・現金で払い戻すためし資金が要ります。

1で分配規制のことを記しましたように、大赤字の会社は減資は出来ません。

                                      

第89回 経営者と会計事務所の役割

2012年12月27日

知ること、考えること、実行して結果を出すこと

 上記の三つはセットになっています。知らなければ考えることはできません。考えた結果を実行して結果を出すことは不可能です。

 経営者が自社の状態を知らない部分があれば、その原因を考えることもできないし、的に合った手を打つこともできません。

 特に、経営者の皆さんが、よくわからない部分は会計や財務の部分です。もともとこの分野を専ら究めてきたりこの分野を経験して来たりして中小企業の経営をされていられるかたは稀です。

 建築や製造、商品販売、デザイン、アパレル、コンピューターや自動車関係のサービス業、運輸業、倉庫業、各種卸・小売業などでは専門家ですが、会社の全体を映す鏡の役目をする会計や利益を割いて支払う税金などについてはあまりご存知ではありません。

その部分を補う役目が会計事務所です。

 会計事務所が示す資料をよくご検討され、わが社についてよく知ることが今後の難しい時代には必須であると思います。

 そして会計事務所に、質問をされることです。回答の内容、速さが会計事務所の実力のバロメーターです。

 自分はよく知っていると自負する経営者の人も多いですが「自分はよく知らない」との自覚があれば知ることは簡単でしょう。自己の力を過信すると努力不足になります。

「知ること」をされますと、自動的に考えるものです。経営者の地位におられるなら。そして
的を得た行動ができます。

 考え不足であったり、他人の無責任な口車に幻惑されずに「ただ一人歩む」ことがこの段階で大切です。他人の意見を聞くのは「知る」段階までです。考えて的を絞る段階では責任も負わない他人を交えず自己の考えのみを信じられるまでに精度を上げましょう。

 さもないと他人に振り回されます。振り回す人が多くなってきました。こんな時代ですから。注意しましょう。

第90回 厳しい年になりそうです。

2013年1月29日
 

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□   今年も中小企業には厳しい年になりそうです。

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 財務省のホームページ「国の財務書類」をクリックされますと、国の貸借対照表を見ることができます。

 23年度末の資産・負債の差額はマイナス417,770,1734177700億円)です。

我社の方がだいぶん優秀やなーここに比べたら、、と思われるかたもあるかと思います。完全な債務超過です。

 重要な点である公債の部分の残高は758,697,718(7百58兆6977億円)です。この金額は、国債残高だけで、地方自治体の債務残高を合わせると1千兆円に迫って

いることは報道でご承知の通りです。

 

 安倍首相になってから、民主党が44兆円の枠を超える国債は(財政が悪いので)

発行しないと定めていたところ、この方針を転換して52兆円に増額し国土強靭化の

目的で公共投資で国内需要を引上げる目論見のようです。株や為替の市場はこれを

先取りしています。

 

 マスコミでは、アベノミックスで景気が良くなるなどと言われていますが、私は以下の理由でそうではないのでは?と考えます。

◆ 政府財政への懸念で国債価格が下落し、利回りが上がり始めています。つられて

  近々、市中金利が上がると予測されます。
◆ 中小企業は大手からの単価切り下げで実際の収益力は横ばいか下落で給料は下が
  っ
ても上がることは稀です。

◆ ローンの金利も徐々に上げられ可処分所得は増えないので消費は喚起されませ 
  ん。
所得税は増税ですからなおさらです。やがて消費税も増税になります。

◆ 或る解説では「1兆円の公共投資から生まれる追加所得は最大1.5兆円ほど、ここ

  から上がる税収は4000億円弱。したがって、1兆円の国債発行によるこの公共投 
  資は
6000億円 の 財政赤字を生む」(Fuji Sankei Business i20203号 田村正 
  勝教授論文)
この財政赤字がさらに国債価格の下落と長期金利の上昇という悪循
  環をもたらす。

◆ 金利の上昇は借入金を抱える企業にはもろに痛手であるところへ3月に金融円 
  滑化法
が期限キレとなり条件変更は出来なくなります。

 

 政府の貸借対照表がアレでもスグにつぶれない(とは言うものの国家財政破たんの声は大きくなっています)のは売上の代わりに課税権があり、税収が入るからです。

 

 企業の売上はそうはゆきません。顧客の可処分所得が増えないなか、各社皆さん渾身の努力を
されています。
 

 いづれにしろ自社の貸借対照表を再チェックして負債の部の借入金の返済(見込)

の確認は必要と思います。



 

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