税務会計 フォアユー パートナーズ Do-ing

『会計力』が事業を育てる - 会計土木®の現場から

第31回 5つの関門のうち、資金について

2010年6月30日
 仕訳日記帳をしっかり読むことが、どうして資金の問題の解決になるのでしょうか?


回答:キーワードは

  1、映画のように、或いは絵巻物のように、わが社に起こっていることに気付くようになります。

  2、会計上の問題に気付くことがおおくなります。社長がよくわからない点こそが、実は本当の問
   題なのです。

  3、数字の奥にあることが、見えるようになります。

  4、特に資金(平たく言えば)お金に必ず目がゆきます。


  5、仕訳日記帳の動きの中で、資金の項目を追うことで、うちには平素から資金不足だなーという
   ことに気付かれるでしょう。

  6、銀行の借入金の返済がある日の日記帳をご覧になると冷や汗もでるでしょう。

  7、このような素直な認識を大事になさると、「なぜなのだ」ということに目が向くのが人間です。

次回は、
  上記のような気付きが、その会社の問題を拾い上げるきっかけになること、

  社長が拾い上げた問題点は、必ず的を得ていること、

  そのことを大切にすること、

  会計事務所はそのような点には気付いてくれない、
                                    ことをご説明します。

第32回 資金の問題と仕訳日記帳

2010年7月1日
 <仕訳日記帳をスクリーンのように見る>

 損益より資金のほうが社長には理解しやすいです。損益は資金が多いか少ないかの原因であり、資金のことは結果です。


どの社長も抽象的な損益は分りにくいですが、資金のことは身近に感じられるのです。


 ある期間の経営の結果として、資金の多寡が現れます。この結果が次の損益の原因になります。こうして因果が連続してゆくのです。

或る日の資金の結果をそのままにしておかないで、
 なぜ資金が多いのか、逆になぜ資金が不足するのか、ご自分で良く考えることです。



 仕訳日記帳に書かれていることは、すべて社長のしたことでもあります。直接されなくとも、従業員にそれをさせて、報告をお聞きになっておられると思います。

 物を買うにしても、設備を購入されるにしても、売上はもちろん、すべて社長という存在を通してされたことです。


 この点がとても重要な点です。社長として指示された事の結果が、資金の動きを通して、会社全体に振動しています。

社長がもっともこの振動を感じる立場におられるのです。



 振動を体で感じてに応じて下さい。なぜ資金が少ないのか、なぜ多いのか繰り返し仕訳日記帳を読みながら考えてください。

ハツと気づく時があります。

 倒産してゆく会社の社長は、これをしません。一日5分でできます。一週間分でも15分もあれば良くわかります。そしてそのスピードはだんだん速くなります。

 経理担当に任せ切りもいけません。つまらないテレビ番組を見る時間があれば、5分10分をここにお使いください。



この時は、重要な問題点が連鎖的につながって見える切っ掛けなのです。とても重要な瞬間です。

社長ほどの責任がない他人が見る以上に、深いところで問題に出会っておられるのです。

そのことを書きつけて置かれることをお勧めします。

週に1〜2点問題発見があるでしょう。


 関連して、申し上げますが、外部の会計事務所に伝票を預けて記帳代行を依頼されてる会社の社長は、仕訳日記帳が会計事務所で入力されて1〜2日月後に還ってきてからしか仕訳日記帳を読めません。

それも鮮度の落ちたのを。

 会計事務所は記帳代行をするのが仕事ではないと私は考えています。記帳代行を外部に任せて事足れりと思っておられる社長は、大きな考え違いをしておられます。

そして打つ手が遅れてきます。

 会計事務所にも問題があります。当所では、ほんの例外の片手(5件)ほどの関与先しか記帳代行はしません。

なぜならもっと大事なお役に立たなければならない仕事が会計事務所にはあることを知っているからです。

第33回 仕訳日記帳を読むこと、会計事務所は、、

2010年7月2日
 仕訳日記帳は会計事務所も読みます。しかしその視点は経営者のそれと異なります。

仕訳自体が会計的に正しいか、法人税法の扱いに沿っているか、そして消費税法のルールに反していないか、などを検討してゆきます。


 このような細かい作業を積み重ねて検証して決算書になります。このようなプロセスを経た決算書は税務調査にも耐性があり、調査官の指摘も少なくなります。

 会計基準に準拠していますから、銀行の融資審査にも耐えることがかのうで、結果として融資を引き出せる大きな要因になります。



 また会計事務所では、会計に携わる人々の役目が内部牽制されているかもそれとなくチェックします。このことは仕訳日記帳の流れを見てゆく中で、承認、保管、記録が分立しているかをも見て、問題があれば経営者に報告し、会計不正事故が出ないように目配りします。

 木を見て森を見ずではなく、森も背後の山も見ます。


 このように経営者とは違った視点から仕訳日記帳を見ることで、車の両輪のように経営者と会計事務所とが「問題」について情報のキャッチボールをすることができるようになり、両者間でより広汎に問題点を把握することが可能になります。


私は、経営者が仕訳日記帳を読むあいだは、いかなる不況がきても、その企業は乗り越えられると考えています。

しかしそうではない会社のほうが圧倒的に多いのです。



 戦後、多くの中小企業が生まれ、日本経済の成長と共に育ちました。作れば売れる、売れば儲かる、で今日まで来ましたが、事業を継続できない会社が続出しています。


 そしていつの間にか、創業時の苦労は忘れ去られ(創業者の引退や死亡で)、その当時の理念もどこかに置き忘れられ、高慢な心と贅沢の慣習だけが染み付いてしまって、業績は右肩下がりになります。

 経営者という気分だけが一部の家族に傲慢さと共に芽生えてしまいます。自分たちを貴族と勘違いして浪費を続けるのです。従業員は使い捨て、の気分が蔓延します。
 両者の間に溝ができるのです。
 
 もう貴族はいらないのです。貴族の残るヨーロッパが凋落してゆくのは歴史の法則でしょう。

 我が国の中小企業で勢いのある会社は常に改革と研究、工夫を怠りません。このことは中小企業庁のHP(e- 中小企業ネットマガジンの巻頭コラム)で紹介されている企業の例を見れば一目瞭然です。

 代が変わっても、前向きな姿勢こそが基本なのです。似非貴族的退廃と真摯な企業経営とは水と油であることを知らねばなりません。


第34回 資金と税金

2010年7月6日
 資金に大きな影響を与えるのは税金です。

利益が出れば申告して税金を支払わなくてはなりません。この類の税金は、あらかじめ予測できますが、

税務調査があって税務署から指摘があり、結局多額の税金を臨時的に支払わなければならない場合などはイタイものです。

指摘された点が、思いもよらない点でしかも金額が多い場合、たちまち資金繰りに影響が出てきます。


ではこのようなことがないようにするにはどうすればいいのでしょうか。


よく新聞に出ているような、意図的な脱税は、当事者も自分が何をしているのかは分っているのですから、このケースは問題から外します。

いわば本人の「選択」の結果です。


問題は本人にその意図がなく、巨額な修正申告になる場合です。


これもある程度は社長が日々の動きを仕訳日記帳を見て、?の点は経理担当者に質問しておけば防げます。


また会計事務所(事務所の能力によりますが)が適宜、少なくとも決算の時には、問題になりそうな点を列挙して、税務リスクについて説明してくれます。


極めて専門的な分りにくい点が多いと思いますが、社長は要点を把握してどの道を行くのかをはっきりしなければなりません。


キーワードは
  内と外です。
内とは、社長も含め経理スタッフが、証拠書類等を保存して、税務調査の際に「資料的限界」が生じないように備えることです。

外とは、会計事務所に忌憚のない意見を聞くことです。キツイ意見を言う会計事務所のほうが会社にとっては「希望的観測」に陥らないので良いでしょう。

第35回 資金と税金・補足

2010年7月7日
 これから増税と課税強化の時代になります。くれぐれもガードを固めてください。


また論点(税務署との見解の相違点)については、よくわからないままに、

     のど元過ぎれば、なんとかなるだろう、

     とにかく早く税務調査が終わってほしい、

 との思いからか、簡単に妥協または屈服してしまう社長さんが多いです。



このことが資金不足につながるのです。



500万円の税金を払うためには下記のような計算により2億5000万円の売上が必要なのです。

しかもその売り上げは現金売り上げです。もしくは早期回収済でなければなりません。


 なぜなら税金は現金で支払わなければなりませんから。


<計算過程>
  税率:40%と仮定します。対売上高純利益率(純利益が売上げの何%かということです)5%とし
  ます。

  500万円÷0.4=1250万円    1250万円÷0.05=2億5000万円



 要するに、弱気は禁物です。

オカシナことはしていない、との基本姿勢さえあれば、どんなに攻め込まれても、税務署との交渉の過程で必ず、勝てる状況または勝てなくても、負けない場面は出てきます。


 税務調査に限らず、何事も弱気は禁物です。強い精神力で支えられた忍耐力で乗り越えられます。


銘記すべきは下記二条です。

 1)オン大将の弱気はすぐ伝染する!
 2)バカな大将、敵より怖い!
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