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Firm Companyを目指す

第6回 強い会社づくりのための情報:事実と証拠

2016年12月24日

<強い会社づくりのための情報:事実と証拠>

 

1、最近は

トランプさんが次期アメリカ大統領に選出されてから株も上がり、良いことづくめのようなマスコミの論調ですが、こんな時ほど「自分のアタマで考える」ことが大事と思います。

 

その理由は、マスコミもビジネスですから売れるための努力をする、(お金を出してくれる)スポンサーの意向に添った内容になりがち、本も同じで売れることが一番ですから、内容には歪みが隠されているものもあります。

本屋さんの店頭で立ち読みしていいなと思ったり、新聞の書評をもとにアマゾンで購入した本も、年の暮れになって(繰返し読み返すために)残す本と、捨てる本と選別したら、前者は2割くらいです。今に始まったことではないかもしれませんが、大量消費、供給過多のなかで、情報の質が劣化していますから、あらゆる情報には?をもって接することが非常に重要になってきています。

 

「銀行の言うことだから常に正しい、大会社の言うことは間違いない、大学の先生の言われることだから、、国や地方自治体のいうことは間違いない、、」要するに権威筋に弱い傾向が誰にもあります。でも銀行さんの節税プランを実行して国税に否認されて訴訟になっている例がいくつも報道されています。大会社の粉飾は相変わらずです。大学の先生のなかには実務現場の泥田を這い砂を嚙むような辛抱なプロセスや、利害をめぐる人間の嫌な面が露骨に出てくる場には疎い先生もおられるかもしれません。国の言うことは「大本営発表」の可能性を否定できません。

常に裏の裏まで頭を巡らせ、材料を自分の手で集め、足を使って現場に行って自分の目でたしかめ、耳で聞き、時には利害のない第3者や街の人から直接聞き出すことをしないと事実は見えてきません(この事実も真実ではないかも)。人から自分の思う情報を聞き出すには丁寧な態度、警戒心を取って何でも話してしまうような柔らかい物腰など、それなりの訓練・修練が要ります。相手に上から目線を感じさせればそこで終わりです。情報は取れません。

 

情報にはカネを惜しむなと孫子は強く言います。用間篇 第13「爵禄百金をおしみて敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。人の将に非ざるなり。主の佐に非ざるなり。勝の主に非ざるなり。」要するに「カネを惜しんで実情を知ろうとしないケチは自分についてきてくれる従業員への思いやりに欠け、リーダーの資格もない。それでは勝利は得られないョ」と2000年前に言っています。

 

2、内部情報・外部情報

 情報には上の二種類あります。一つは自社の情報です。粗利を一番稼いでくれる商品はどれどれか、逆の商品はどれか、利益の源泉、資金の源泉、自社はカネを作り出しているのか、銀行融資がなければ成り立たない体質なのか、金食い虫はどこにいるのか、などは会計情報を生かすこと可能です。また自社内でTOPに本当の情報が上がってきているのかの組織風土の確認も要るでしょう。面従腹背は普通のことです。

 

新しい得意先と出会われて、何かオカシイと感じる場合、すぐできることはその会社の謄本(今は登記事項証明書といいますが謄本で通します)を取寄せ(ネットで手に入る方法もあります)事業目的が或る時からガラッと入れ替わっていないか、役員が総入れ替えになっていることがあるか、不自然な本店移転、合併、会社分割がされたか、会社に不動産があれば乙区の抵当権者によくわからない社名や人物が記載されていないか、代表者住所の不動産謄本を取り寄せ、社長の自宅に権利移転の請求権保全等の仮登記等がないか、抵当権者が誰かをよく調べることです。

 

借入金は不動産登記簿の乙区を見れば「債権額」に最初の借入額が記されていますから、その後の年数を考えれば現時点の残高は推定可能です。

そこに住宅ローン以外の正体不明の会社や個人からの抵当権が設定されていれば、それら抵当権者の謄本も見る必要があります。場合によっては閉鎖謄本までさかのぼる必要もあります。とりわけ会社謄本末尾の「登記記録に関する事項」欄には会社売買によるロンダリングが隠されている場合があります。「資本金の額」も現物出資の履歴がある場合は注意が必要です*。

  *<詳しいことは中村勝彦著「會社謄本 分析事始」税務経理協会(平成2811月刊)でわかります>

 

 またM&Aの話や未公開株の紹介がコンサルタント会社からもたらされた場合も、その会社につき次の方法で確認することができます。

 我国は免許や登録が必要な業種が多いですから、これらの役所(ホームページも含め)に問い合わせして確かめます。財務省、国税庁、国交省、中小企業庁、都道府県、市役所、保健所、警察、業種別組合、振興会などで建築・設計・不動産・金融・運輸・自動車整備・介護・管工事・飲食業、古物商の登録をチェックできます。結構カバーされます。

 

謄本内容の意味が分からない場合は顧問の法律関係の先生に「理解できるまで」聞きましょう。また中小会社の決算書はなかなか表には出ませんが、中にはガードの緩い会社もあり、手に入ることもあります。法人税申告書と決算報告書、勘定科目内訳書があれば会計専門家であればその数字の「人為的な歪みも含めて」その会社の身体検査はできます。あとは売り先、買い先のリストもついておれば損益計算書の売上高、仕入高との関連を分析すればそれら得意先仕入先の債権債務の循環の「筋の良し悪し」も見えてきます。

 

3、まとめ

1、 内部、外部の情報をとって隠された意味合いをチェックする。

2、 自社(自己)の情報開示にはくれぐれも注意。聞くという漢字の意味は「(自分の家の)門を閉じて耳を澄まして外の情報を取る」こと。

3、 同業他社の人間に気をつける。

4、 よそのことを知らせてくれる人は、聞いたことをよそに知らせる放送局でもある。

5、 ケチはやがて相手にされなくなる。

第7回 ファイナンス

2017年1月21日

最近でこの表題に関連する話題はトヨタ新株、特定譲渡制限付株式、クラウドファンデイングでしょう。

  1. トヨタ自動車の新株(AA型種類株式、以下トヨタ新株)

配当率を0.5%に低く抑える代わりに元本保証がされ5年後には換金できるというものです。株式というより社債に近いです。5年以上持つと毎年配当率が0.5%づつ上がり2.5%の配当が得られます。同社はこの増資で得られた資金を中長期での研究開発やインフラ整備に使用します。

 ここから読み取れることは、資金を基礎研究などに使ってじっくり準備し現金での配当(率)を抑えM&Aやマネーゲームから距離を置くと読めるのではないでしょうか。資金も証券市場でかき集めるのではなく限られた人からの調達で良しとする姿勢です。

人々も、低金利に銀行預金するより同社に資金を入れて5年間寝かせると、元本保証で暴落のリスクなく、希望すれば5年後には普通株に転換可能なので、いろんな顔に変わることができる面白い金融商品です。

 

2、特定譲渡制限付株式

会社の仕事をして(役員、従業員など)その対価を請求できる予定の人には対価としてその会社の株式を給与代わりに交付できるようになりました。金銭で役員賞与を払う場合は「事前確定届出」が必要でしたが株式を交付する場合は税務署への届は不要となっています。

 株式を交付した法人は損金になり、もらった側は給与課税されます。従業員持株制度や事業承継に使えることが見込まれています。

ここから読み取れることは、株式を報酬にするため現金の支出は少なくなります。

 

3、クラウドファンデイング

 すでにネットなどでよく知られた言葉です。寄付型、購入型、金融型、貸付型の4種があります。共通することはインターネット上で運営会社が間に入り「小口」資金を「不特定多数(crowd)」から集めるものです。寄付型は文字通り犬の収容施設に寄付したりするなど純然たる寄付です。金融型は起業する人が立ち上げ資金を集めるのに使います。貸付型は人々が資金を出し、それを運営会社が貸付して利息を分配します。

 私が一番関心があるのは購入型です。映画をこの資金で3900万円集めてヒット作品が出ています。目的を知らせて資金を集めることが

普通に行われるようになってきました。必ずしも運営会社に託することをしないで自社で集めることも可能です。

 大勢の人に直接販売する商品を扱われる会社では、マーケテイングと関連させますと、先に資金を集めてから製作に入れますから一種の前受金を得ることになり自己金融ができます。

 ここから読み取れることは銀行に資金を依存することが今後は減少する傾向が出ることです。

 

以上を通して見ますと資金調達の多様化、Cashの稀少化です。新しい流れが広まっています。

第8回 <選別の時代が始まる>

2017年2月20日

<これまで>

29/1ファイナンス

28/12強い会社づくりのための事実と証拠

/11マイナンバーと強い会社づくり

/10他人の視点が気づきを与えてくれる

/09経営者は税務調査の結果をどうみればよいか

/08税務署が来たら、内部が固まっているか、の程度が明らかになります

/07 Firm Companyを目指す・・予告編

 

<選別の時代が始まる>

企業の大小にかかわらず選別の時代に入ったと思います。選別とは「試験」と同じ意味です。利益が得にくいことはたとえ巨大企業でも決算数字が示しています。いい数字になるように粉飾が多くなっています。

 

これからも大きいサイズの会社ほど利益を得にくくなるでしょう。どうしてかといいますと企業の利益の源泉は商品や製品、サービスの原価との差から生まれる付加価値ですが、もう一つの利益の源泉は人の労働です。人間の労働からも利益すなわち付加価値が生み出されます。これまでのいい時代は付加価値を従業員に十分配分して企業も成長してきました。しかし利益=付加価値が細くなってしまうのでこれまでのように分配できません。

 

<企業も自治体も大きいほど困難>

上場会社は会社の利益を出さないと株価が下がりM&Aの標的にされかねません。利益優先ですから限られた付加価値から利益を差し引くと働く人への分配は少なくなります。

 

企業は開発途上国へ生産を移して低い賃金でやってきましたが、これらの国々でも給与は上がり利益は出にくいのが現実です。日本国内は正規社員の給与が高いので非正規雇用の割合が増えたことが示すように人件費割合をギリギリまで抑えています。年収200万円にもならない人の比率が増大しています。保育所不足はこの反映です。

 

これから先はこの年収では結婚もできない子供もつくれないことになります。働き手の労働人口は減少し人々の生活レベルが大きく下がってゆきます。すると企業で働く人をこれまでのように採用できなくなり、常に不足になります。しかも訓練されていない人が多くなります。企業は新人を採用できてもそこから付加価値は生むことがむつかしくなります。300年続いた資本主義が急速に曲がり角にきて次の時代への移行が始まったのではないでしょうか。

 

中小企業にもしわ寄せが来ます。今後ますます人は採用しにくくなるでしょう。この現実の中で、利益を生み出してゆかないと企業自体が消滅しかねません。

公務員はどうなのか。企業や個人からの税収は減少するため、税制を変えて増税をしても時間差はありますが行き詰まる傾向は同じになります。この影響から国や地方自治体からの助成金・補助金も今後は減少すると私は見ています。

 

国や地方自治体も大きいところほど困難で、小さい自治体ほど財政は改良されています。長野県下条村の例(28919日産経新聞)や夕張市の医療改革などが改善成功例として報道されています。

 

小さいところほど改善される見込みが高いのです。肝心なのは資金です。大きなところほど原因が見えにくいのと意思決定に時間がかかり、資金が行き渡りにくい傾向です。

 

<中小企業はどこに目をつけて何から始めたら良いのでしょうか>

詳しくは次号に譲るとしまして項目だけ記しますと、

  ・銀行借り入れに(過度に)頼らず自社に合った「自己金融」の方法を掴み一定額以上の借入をしない。すでにしている場

   合は計画的に(一気にしないこと)減少させる。

  ・付加価値がゼロまたはマイナスの商品・製品・サービスを見つけて手を打つ。

  ・売掛金と在庫量のコントロールをする。

  ・マイナスの得意先の原因を突き詰めて手を打つ。

  ・自社の人件費の適正枠を発見する。

第9回 <キャッシュフロー1st キャッシュフローを良くすることは終わりのない探検である>

2017年3月21日

<これまで>

 29/02 選別の時代が始まる

   /01 ファイナンス

 28/12 強い会社づくりのための事実と証拠

  /11 マイナンバーと強い会社づくり

  /10 他人の視点が気づきを与えてくれる

  /09 経営者は税務調査の結果をどうみればよいか

  /08 税務署が来たら、内部が固まっているか、の程度が明らかになります

  /07  Firm Companyを目指す・・予告編

 

ドラッカーも言っていますが、学校で2年ほども会計を学んだら「利益」を操作することはたやすいことであると。このように利益というものはカタチがないだけに曖昧さがついて回ります。

 

それに比べてキャッシュは「ある」か「ない」かです。とても分かりやすいです。また「ない」からと言って利益のように作り出すこともできません。作ることはできますがそれは偽札作りで犯罪です。普通の人はしません。

 

それだけにキャッシュが平素から「ある」ようにすることは経営者にとっては大事な仕事なのです。が、普通は、困った時だけキャッシュのことに頭を使われますが(銀行融資などで)喉元過ぎればあまり関心をもたれません。

 

これからは普通のことではイケマセン。前号でも書きましたが、世の中が大きく変わり2極化し、会社の利益が取りにくくなる一方のこれからの時代は普通のことをしていたのでは道は開けません。世間の、普通の人や会社が敗者の歌を歌う中であなたの会社には元気でいてほしいです。そのためにはどこから始めたらいいでしょうか。

 

<まず初めにチェックをしましょう。これまでの普通の常識を離れてみてみましょう>

1、 月々資金が余りますか?風呂からお湯があふれるように、、

2、 そうでないとしたらその原因を分かっておられますか?

3、 それは」売り上げが足らないから・・・いいえ必ずしもそうではありません。ヒント:速さの問題です。

4、 売上が上がっているのに逆に資金がどんどん減ってゆく!その場合、原因は分かっておられますか。

5、 在庫と外注の支払いが原因であることは分かっている、という方は多いですが原因はそれだけでしょうか?

6、 支払手形の期間が短いから?それもあるでしょう。しかしそれだけではありません。

7、 銀行の借入返済があるから資金が残らない、と言われます。これも正しいですが、それだけでしょうか?

8、 役員報酬が多すぎたからか?いいえ、それはないでしょう。役員報酬は内部への支払いですから金額は変えられませんが資金のコントロールはできます。

9、 実は会社の「損益の歴史」も影響しています。これまでの時代は当たり前のように銀行の借入で乗り切ってきました。この繰り返しで本当の資金(うわべは自分の資金のようでも実は銀行のお金がその正体であるので、本当の資金とは言えません)が貯まらない「体質」になっているかもしれません。

 

このように、今だけではなく過去も振り返って資金を潤沢にできる道を知ることは社内の隅々までの「探検」と同じなのです。その足もとから大きな発見があるとお考え下さい。 

 

次回も、ヒントを示させていただき、考えるきっかけ位のお役にはたてると思います。

第10回 計画を先に立て、税の優遇でキャッシュフローを良くしよう

2017年4月21日

<これまで>

 29/03 キャッシュフロー1st キャッシュフローを良くすることは

     終わりのない探検である

 29/02 選別の時代が始まる

 29/01 ファイナンス

 28/12 強い会社づくりのための事実と証拠

  /11 マイナンバーと強い会社づくり

  /10 他人の視点が気づきを与えてくれる

  /09 経営者は税務調査の結果をどうみればよいか

  /08 税務署が来たら、内部が固まっているか、の程度が明らかになります

  /07  Firm Companyを目指す・・予告編

 

┌──────────────────────────────*

│  計画を先に立て、税の優遇でキャッシュフローを良くしよう

└──────────────────────────────┘

 

・この4月から「中小企業等経営強化法」が適用されます。その中身は以下の通りですが、

一番のメリットは【 即時償却 】または法人税額の7%までの税額控除です。即時償却する

ことにより、その設備の投下資金が税額の大幅な減少の形で取り戻すことで普通の減価償却

に比べて速くなります。

 もう一つの特徴はまず認定ありきです。工業会から確認を受けて設備を購入しても、

かんじんの経産局の認定を受けなければ特典を受けられませんので注意が入ります。

 

≪< 新制度の内容 >

 1. 設備投資の計画を立て、経産局の認定を受ける

 2. 認定を受けてから設備などを購入する

 3. メリットは以下のように複合的です。

      ① 減価償却の即時(全額)償却

      ② 設備取得後3年間の固定資産税の半減

      ③ 日本政策金融公庫からの融資の際の金利軽減(基準金利から0.9%軽減)

         現在の基準金利1.3%ですから1.30.90.3%になります。

         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

      ④ 革新的ものづくり・商業・サービス業開発支援補助金の【 優先採択 】

 

・ ポイントは設備取得までに必ず経産局の認定を受けておくことです。

  計画の作成は経産局のHPにあるEXCEL様式で作成します。

・ 資本金1億円以下で従業員1000人以下の企業であれば申請ができます。

  申請に際しては当所のような経営革新支援機関が支援します。

・ 設備には工業会の確認を受けるA類型と、収益力が5%以上UPが要件のB類型があります。

2941日以降の取得から適用です。

 

以上が概要です。

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