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2025/2/8 犬式部:確定申告のシーズンだがボスは忙しくしていないね。 猫納言:今は新規を取らないで旧来のごく少数のクライアントだけだから2月には 完了し、請求書を出してオシマイよ。今年はクライアントでの贈与税や譲 渡所得税のスポットの依頼があるけれど1月から準備しておられたから後 は依頼先に説明して電子申告するだけだわw。 犬式部:そりゃよかった。いまは流れが速い時代だから勉強に時間を取っておら れるのね。 猫納言:その通り。それより今日の話で「下手な大将、敵よりこわい」という言葉 は誰かの言った言葉なの? 犬式部:知らん。太平洋戦争で3バカトリオと敵国から揶揄された、なんでも牟田 口、寺内それと辻だったか河辺、富永?3人目は怪しいがそんなとこか ら来てるのでは?3人とも帝国陸軍だね。 犬式部:坂の下の泥沼かね、いややねー
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前回までのあらすじ:銀行借入の元本返済が始まり、そのうえ浪費家の経理部長がした仮払金は累積する一方であった。浪費された仮払金は貸借対照表の流動資産の部に計上されているが資産の実体はない。資金は出てゆくばかりのところへ輸入資材は円安のためジリジリと値上がりしている。ここで借入金利が上がれば利益は無くなり会社は赤字になる。
3,蜜に群がる蟻のように寄ってくる人々
大パーテイは笠間の反対にもかかわらず実行された。費用150万円は即日払いされた。ホテルの下へもおかないもてなしで経理部長は上機嫌であった。ホテルの宴会担当はニコニコ顔で「部長さま、御社で定期的にこのような大パーテイをされたら如何ですか、割引しますョ」と揉み手しながら言う。案の定部長は「オオ、それは良いアイデアだァ、じゃ再来月にどうかね?」
横にいる笠間は資金が逼迫していることも知ろうともしないで即答する部長に、下手な大将テキより怖い、との格言を思い出して横を向くしかなかった。
そこへ近くにいた銀行の支店長が歩み寄ってきた。有名大学を出た支店長で部長はその大学の名前だけで支店長に心服している。「経理部長さま、当行では近く大学の経営学の先生による経営診断を企画しています。きっと御社のお役に立ちますョ。費用は100万円です。診断を受けられたら融資の条件で無理聞きますよ」と言った。横で聞いていた笠間には最後に支店長がㇶㇶㇶと歯の隙間から洩らしたような気がした。笠間はその音が本音であると感じた。
こうして蜜に群がる蟻のように寄ってくる人々に対し、脇が甘い経理部長は支出を戒めようともしないでOkを出し続ける。笠間はその部長の横顔に、愛想よい仮面の下にある自信のなさ、空虚さを見抜いていた。YESと言い続けないと立場がないと思っている。しかしテキはそこを攻め口に資金を吸い取ろうとする。この不況下、相手は売上を上げようと必死なのが能天気な部長にはワカラナイのである。
パーテイ会場には得意先も仕入れ先も参加していた。両者の表情は対照的であった。得意先の顔には「イヤイヤ付き合いで参加した、こんな内容のないパーテイしていて良いの?」と笠間には読めた。
一方、仕入先社長と専務の会話に笠間が耳をそばだてていると「ココは景気良さそうだから値上げさせてもらおう。よそからキツイ出血サービスの圧をかけられている中で助かるヮ、経理部長におべんちゃら言ってこよう。
こうして何の統制もなく支出のタネが積み重なってゆく。笠間は大学教授による経営診断は社長が断ると予想した。なぜなら以前、経営学教授による講演会があった時、社長が参加した。講演会から帰るなり「アホらし、時間無駄にした!何が大学のセンセーや!2度と行かん」と怒っていた。理由を聞けば当日の参加者は約100人で現役のそれこそ命がけで経営の第1線で日々闘う経営者ばかりであった。そのような経営者が揃った前で教授は気押されたようで初めの15分くらいは経営の話をしていたが、途中から株の話をしだした。実践を知らない学者が実戦の場にいる人々を前に経営の話ができなかったようである。
社長は「奴ら学者は安全地帯にいて世の中知らんコドモ相手に外国の本を紹介しているだけやろ、この手のセミナーには二度と行かん!」こんな社長であるから経理部長が安請け合いした大学の先生による経営診断は、空理空論と学者が嫌いな社長はキット断わると確信していた。
次回予告:
社長の急死 案の定、得意先から取引打ち切りの通告、銀行によるサービサーへの債権譲渡、節税策での株式分散によって意思決定できず。苦悶する笠間は、、、
税務当局から指摘を受けトラブルになった場合、知識と経験を生かして税務当局と調整・交渉を行ないトラブルの収束に努めます。損失を最小限にとどめるよう尽力します。