貴族の出で、武勇に卓越し兵書も読み、勇気、体力抜群の項羽が、ならず者上がりの字もロクロク読めない劉邦になぜ敗れたか・・・・・・このこたえを明解にしようとするのが本稿の最大の狙いであります。また、この点こそが現代に生きるわれわれが組織で事を成そうとする時に絶対的に学び取っておくべきポイントではないでしょうか。
本稿では、古代中国の英雄を題材とした司馬遼太郎の名作『項羽と劉邦』を読み解き、項羽と劉邦それぞれの人柄を13の視点から分析し、両雄の人物像を比較検討しています。また、あなたが劉邦型か項羽型か、はたまた混在型なのかを判定する、簡単なチェックリストも掲載してあります。御一読いただければ幸甚です。詳しくは,ぜひ司馬遼太郎先生の『項羽と劉邦』もお読みいただければと思います。
項羽が率いてきた楚軍は四散し、長江のほとりで一人で敗死。ときに31歳であった。
一代で漢帝国創設。漢の高祖とあがめられる。
原作(司馬遼太郎著『項羽と劉邦』新潮文庫)を読み返し、自分が心の中にもつテーマごとに原文を抜き書きし、そのテーマのもとにつなぎ合わせる作業をしていくうちに、ここで書かれていることはそのまま企業の経営についてあてはまると今更ながら感じました。
また私がこんな人物になりたいと思っていたイメージが劉邦であることにも気付きました。平時は頭でわかっていても、問題が目の前に生じたとき、劉邦さまのように行動できるかと考えると、その落差の大きさにため息がでます。
ともあれ、読んでる内に劉邦びいきになってしまったため、まとめるにあたり、「私の好きな劉邦」に合わせてしまい原文の中から私ごのみのところだけを片寄って選択した結果となったかも知れません。
その分、項羽さんには逆に悪い材料がより多く無意識のうちに集積されたかもしれません。お気づきの点があれば、どうかご指摘ください。
あなたが劉邦型か項羽型か、チェックリストとして活用できるように工夫しました。この項目は原文の切った貼ったの作業の過程で湧いてきたもので、最初から枠をはめて項目を設定したものではありません。この小冊子は、私自身の成長のためにも、文字どおり手引きとして役立つと思います。
更に皆様の何等かのお役に立てば更なる幸いです。