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これから起こること・・『税金が払えません』&『課税処分に?です』 the Final Stage

第41回 チェックする点 総目次

2018年8月18日

大きな項目を示させていただき、その次に少し細かい項目を記します。このようにして全体が網羅できるように、もれがなるべく生じないようにしました。

 

総目次

1、我が社は大丈夫か?:未納税金や借入金が多いところからスタートして生き残れる事業体に!

   借入金が警戒値を超えてしまっている、警戒水位突破

   滞納税金が減らないで増えてゆく、洪水現象

   見直す項目と打つ手

 

2、お人好しになっていませんか?:他人のビジネスに協力して自社の立ち位置を見失っていませんか。

   借入して資産を買ってどうします

   そんなに銀行借入したいのですか

   信託を考える前に、足もとを見ましょう

 

3、金融商品、法改正や最新判例などで注意しなければならない点。

   相続時精算課税のまさかの盲点

   民法(相続篇)改正の影響、遺言、遺留分

   役員退職金否認の論理で注意しなければならない点

   悪質脱税には夜中も臨検、捜索がされる

 

4、海外の良いところを取り入れよう

   フランスの予算主義、フランス会計の魅力

   アメリカの内部牽制など

   

5、無理をして優遇税制を取り入れようとしていませんか

   補助金、助成金は需要の誘い水。本当に投資は必要ですか

   雇用者増加で税が優遇されても、後が大変!

   税額控除で特別償却や税額控除できても稼働率は?

 

6、資金力が回復するのが最終目標:ここへ行くためにするべきこと。

   努力して良くした会社、どのように世の中に残しますか。残る日々は何日ありますか。

第42回 我が社は大丈夫か?・・・未納税金を調べてみる <総目次1>

2018年8月20日

(事 例)

当社は資金繰りが良くなく、納税には苦労します。法人税はさほど利益が出ていませんので税負担額はないのですが消費税の納税をしなくてはならないので、他の支払いを後回しにしたり、自分の預金をおろして会社に「役員借入金」として入金して税金を支払います。このような状態が続くと思うと気持ちが沈みがちです。

 

 

(キーになる点)

一番気になる点が利益が出ていないことを当たり前のように仰っておられる点です。

結果として、利益が出ないことはありますが、常態になるのであれば事業をされておられる意味がなくなります。

ココが一番の原因ではないでしょうか。

 

利益が出ない→資金も逼迫→預かっているはずの消費税が納めにくい。この循環を繰り返しておられるようです。

 

(いずれどうなるか)

時間が経つうちに、支払いを後回しにされた取引先から不満が出るでしょう。自己資金の持ち出しも、このままでは資金が底をついてできなくなります。そのうち税の未納が累積しかねません。行き詰まるのは時間の問題です。

 

(改良の手順はこうしましょう)

・売上の多くを占める商品の最大の得意先への納品額とその原価を書き出してみます。

同じように2番手、3番手の商品について書き出し、差額の粗利益が月間幾らになっているのか把握します。

在庫に無駄なものがないか洗い出しましょう。

・経費項目に売上を上げるのに直接関係しないモノが混じっていないか見直しましょう。

借入金の借換によって返回期限を一旦は延長し、そのあと徐々に繰り上げ返済ができるか試算します。

 

以上のことを実行されますと、自社にどれだけの粗利益がとれ、それを借入金が喰っている実態がハッキリしてきます。

第43回 我が社は大丈夫か? 未納税金 2 <総目次1>

2018年8月21日

(事 例)

良く調べて見ましたら、給与の源泉所得税が未納であることや、社会保険料と厚生年金保険の納付が一回遅れになっていることが分かりました。そのほか「役員借入金」が公租公課の納付の際に増加していることも分かりました。

仕入代金の支払いや給与の支払いに気を取られれいるうちに、他の部分の支払が遅れがちであることが分かりました。

 

(キーになる点)

仕入代金の支払いと給与の支払いが第一番に優先されてこられたのは分かります。これはこれで立派なことですが、肝心の点を見落とされていませんか。それは売掛金の回収の速さと粗利益の幅の薄さのチェックです。

 

(いずれどうなるか)

入金より出金が早い状態では、いつも資金は火の車です。このままでは資金はすべて社外に出てゆきます。

 

(改良の手順)

売掛金の回収の遅いところで大口の売り先があると思われます。このようなところが数件あるだけで大きく貴社の足を引っ張ります。

マイナスの得意先であることが分かったら、お付き合いをやめる腹をくくりましょう。下手に付き合っていますと傷口が大きくなるばかりです。断り方は、理由を付けて徐々に絞りこんでゆきましょう。半年以上はかかりますが、辛抱して実行しましょう。

 

(まとめ)

貴社は粗利不足病です。そのうえ支払先行型ですから、資金力は付きません。

大ナタを振るって粗利を稼ぎ、併せて支払先行から回収先行に(意識して)切り替えないと明日はありません。

第44回 我が社は大丈夫か? 未納税金3

2018年8月22日

(事 例)

 粗利が足らないとのご指摘はもっともですが、根本的な問題の解決にはならないと思い、この際、年間で支払う税金を書き出して整理してみました。今のところ、滞納はしていませんが(役員からの借入や、主要な仕入先への支払のジャンプなどで凌いだからです)いつまでも役員借入金に頼ることは限界があります。仕入先へのジャンプは信用が落ちて行き、仕入単価への上乗せや、支払い条件が厳しくなったりしかねません。どのように対処したら良いでしょうか?

 

(キーポイント)

 全体を見るために税金の支払額を書き出された点は非常に良いことです。

物事の全体を見ないで、対症療法をしてこられたのですから、ここで舵を根本治療の方向へ切られることは正解です。

 

 

(いずれどうなるか)

根本治療をされないまま対症療法をされますと

 ・役員借入はできなくなります。資金が底をつきますから。親戚から借りることを考えがちですが、これはやめましょう。あとあ

  とたたります。

 ・役員借入金も立派な借金ですから、この金額が多額である場合は銀行からの融資も困難になってゆきます。といいますのは銀行

  から見れば、融資したお金が事業に使われるより個人借入の返済に回るのですからよろしくないのです。

 ・仕入先は警戒して与信枠を狭めてくるでしょう。

このようにして、事業にかけられた枠がきつくなってゆきます。資金はこの状態でも既に不自由になっています。このことに気が付かないまま別の銀行に融資を求めて実行してもらいますと、いっときはよかってもまもなく返済ができないようになり、まず役員報酬の遅配が始まります。

 

(手 順)

 試算表を検討しましょう。今度の決算での結果を読みましょう。その結果次第で納税が起こるか起こらないかを見ます。利益が出ていない場合には法人税や事業税の納税はありませんが、消費税の納税が起こる場合が多いです。

打つ手は次の手です。

 1、役員借入金は借り増ししない。返済もすストップする。凍結です

 2、売掛金の滞留先と話を詰めて滞留分を回収しましょう。

 3、役員報酬を減額します。大きく。法人税法の「業績悪化改定事由」に該当することを顧問の税理士さんにあらかじめ

  確認しましょう。さもないと後々、法人税の課税で困ることになります。

第45回 我が社は大丈夫か? 未納税金4 納税の猶予を考える時

2018年8月23日

(事 例)

 いろいろ手を打ちましたが、結局、所得税予定納税額と消費税を 納期限に納めることができず未納分につき督促状が来ました。税金の支払いにまで気が廻らず、このようなことになってしまいました。

 

このような場合は何か救済策はあるのでしょうか?

 

(キーポイント)

 督促状は納期限から50日以内に出されます。未納のまま放っておくのは事態を悪化させるだけです。今後の流れですが、督促状が来てから10日以内に完納しないときは差押ができるように法律では定められています。

 

 一方「納税の猶予」と「換価の猶予」という納税緩和措置も法律で定められています。共に原則1年以内(延長あり)に限られていますが、認められますと一息つくことができます。経理内容をよくご存じの税理士さんに代理してもらうか、ご自分で税務署の納税相談の窓口を訪れて道を開きましょう。

 

(どのような納税緩和措置が用意されているのか)

納税の猶予換価の猶予「納税について誠実な意思を有していること」が条件です。この点は重要です。

 その上で

納税の猶予→納税者が税務署長に申請します。事業の損失により一時に納付できないことを書類で示す必要がありますので帳簿類が必要です。1年以内の納付計画を提出します。この約束は絶対です。守らなければ差押などの滞納処分が始まります。

 

換価の猶予には「税務署長の職権」によるコースと、「納税者の申請」によるコースがあります。

 

 納税の猶予を申請したが事業成績の落ち込みが前年比であまり下がっていない場合には、換価の猶予に切り替えられるのが「税務署長の職権によるコース」です。

 急に赤字になった場合には黒字から赤字の落差が大きいので「納税の猶予」が有効ですが、赤字が常態の場合はこれまでに溜まった累損が巨額でも損失の落差があまり生じていない場合は「納税の猶予」で救済される金額は少額になってしまいます。このような場合は換価の猶予が有効です。

 

 それと所得税の予定納税額を納付できなかったとのことですが、予定納税のばあい「予定納税額の減額承認の申請」という救済措置があります。これを申請したら良かったのですが。税理士さんに相談されましたか。

 減額申請は年2回チャンスがあります。

  ・6月30日の事業の現況が良くない場合・・・・→ 7月15日までに予定納税額の減額」(減額後、納税額がゼロになることも

                         あります)

  ・10月31日の事業の現況が良くない場合・・・・→11月15日までに申請することができます。

第46回 我が社は大丈夫か? 未納税金より怖い慢性借入金体質・・・・・指標でワカル!

2018年8月24日

 未納税金がジリジリと増えてきて滞納処分が開始されるようなことになりますと資金状況はイッキに悪化します。社内の空気も悪くなりますので、その影響は大きいです。できる従業員が退職を考える機会にもなります。

 

 これら未納税金が生まれることと関連しているのですが、もっとコワいのが「慢性借金体質」に陥っている場合です。ここにハマってしまいますと、ゾンビ企業への転落予備軍になります。

 

 先日の内閣府の警鐘としてGDPに対する民間非金融部門の債務残高の推移比率が危険水域に達した国として中国とカナダがあげられ、留意が必要と公表されました。「これらの国では金融危機が起こる可能性が高くなっている」との指摘です。実はその次が日本です。

 

 ともあれ一定の指標を物差しとして警戒をすることは非常に重要なことです。中小企業もその点は同じと考えます。事例で見て行きましょう。

 

(事 例)

 先日決算が終わって税理士さんから我が社の経営数値がヨロシクないと言われました。8月11日号でのEBITDA、キャッシュサイクル、借入金返済元金の指標などが使われました。経営していて自覚はしていましたがハッキリ言われますと不安になります。

 

1、当社のEBITDAは1000万円ありますが、年間で返済する借入金は1500万円です。

2、支払勘定の回転日数は50日、受取勘定の回転日数は40日、在庫の回転日数は15日です。

3、当座資産が4000万円ありますが流動負債は今なお3500万円あります。

 

(キーポイント)

おおよそを説明させていただきます。

1のEBITDA<年間借入返済額ですので警戒レベルに入っています。

2のサイクルが50日ー40日ー15日=-5日で負数になります。警戒レベル2と言ってよいと考えます。

3の当座比率が100以上ありますのでかろうじて警戒レベル3にはゆきません。

 

 でも上記の1~3を改良されることで、少し時間はかかりますが脱皮できる可能性が大いにあります。

次回に詳しく見て行きましょう。

第47回 我が社は大丈夫か? 未納税金より怖い慢性借入金体質 2

2018年8月27日

(事 例)の数値を検討しましょう。

 

1、EBITDA

が1000万円ありますが、ここから支払利息(金融費用)や税金(公共費用)が支出されます。今期の決算が赤字なら税金は支払う必要はありませんが、最低でも金融費用は支出されます。

 

 もし借入金返済額が1000万円であってもEBITDAが1000万円ですから、利息分だけ資金が足りません。借入金の返済元金が1500ですから毎年500万円が不足してゆきます。不足といいましても「ない袖は振れ」ませんから他の金融機関から高い利息で借入をしたり、他の費用の支払いを先回しにしがちです。

 支出するべき車両の修繕費や設備の補修などを行わないで先に回すことは、そのツケは災難・事故という形で事業に降りかかって来かねません。

 

 いずれにしても能力であるEBITDAを超えているのですから負荷がかかってきます。犬に牛や馬に背負わせるほどの荷物を運ばせるようなものです。その犬は、かわいそうに、いずれ体を悪くします。 

 能力(資金返済の体力)を示す指数をあまりに軽視しがちです。会計事務所からもこのような点からのアドバイスが少ないのも問題です。要するにそのときそのとき目先だけ凌げばよいという社会の風潮ですが、これに順応していたのでは事業は躓きます。

 

 借入返済元金を1000万円におさめる手を打ち、警戒領域から出る必要があります。

具体的には、

 ①返済額を1000万円になるよう組替えを金融機関と交渉する、

 ②経営者から無利息の資金を導入し「旧債振替え」によって借入金を減らす、ことなどを考えます。

原因から目をそらせ、手を打たずに流されてゆくことでは解決しません。

 

2、キャッシュサイクル

がマイナス5日です。これがマイナスではなくプラスになれば、たとえEBITDA1000万円<借入返済元金1500万円でも、持ちこたえることは不可能ではありません。少なくとも警戒レベルは下がります。

 

 受取勘定の回転日数や支払勘定の回転日数はともに相手がありますから受取勘定の日数を短くすることは得意先を失うことになりかねません。回収サイトを短くすることは相手にとっては資金繰りに影響します。支払日数を延長することも嫌がられます。どちらも時間をかけて交渉をしなければなりません。

 しかし在庫の回転日数を短くすることは内部のことですから可能です。在庫を良く調べて回転の良くないものを大ナタを振るって処分し、短期間の仕入れ計画に切り替えますと身軽になります。

第48回 我が社は大丈夫か? 当座比率で手の打ち方を決める。

2018年8月28日

(事 例)の数値の最後の「当座比率」をみます。支払いの敏速さを示すので Quick ratioと言われたり、リトマス試験紙で状態が判定できるように結果がすぐわかるので酸性(試験)比率ともいわれます。

 

 事例では、1のEBITDAもだめ、2のキャッシュサイクルもよろしくなかったですが3番目の当座比率が辛うじて114%ですので、少しの猶予が取れるとの判断になりました。

 

 事例でも、ここが100を下回っていますと経営者は大急ぎ、待ったなしで改革に着手しなければなりません。しかし事例ではその手前です。

 当座比率とは現預金・売掛金などの「確実に資金になる資産=当座資産」の、流動負債に占める割合をいいます。「確実に資金になる資産」>流動負債(1年内に支払うべき負債)ですから「少し」余裕があります。

 

 「少し」という意味は当座資産が流動負債を上回っているからです。しかし上回っているといっても4000万円ー3500万円ですからわずかです。この上回っている部分は過去に借入によって溜められたお金が残っているからと思われます。したがいまして今のままであれば借入金の返済が能力(EBITDA)をオーバーしていることが原因  

となり、遅かれ早かれ資金は行き詰まります。

 

 当座比率は200%であるのが「安全」な事業体なのです。事例は低空飛行で不時着寸前です。

この当座比率で注意しなければならないのは、分子に在庫が含まれていないことです。分子に在庫やその他の流動資産が含まれている指標は流動比率といい流動資産/流動負債で表されます。

 

 流動比率が100を下回りますと、在庫をすべて購入価額で処分しても流動負債を支払えないことを意味しますから極めて危険です。在庫が膨れ上がってしかも価値が目減りしているのに正価で表示してその場しのぎをしているような事業体は、先行きゆでガエル減少にのみ込まれるか、不要の事故などが引き金になり倒産予備軍になります。

 

この理由から当座比率が100であることが最低ラインとしますと、流動比率は150が最低ラインです。

 

資金が残っている今のうちに早急に

  ・キャッシュサイクルをマイナスにしない

  ・在庫の削減をして回転率を良くする

これ等に加えて

  ・「マイナスの商品」から手を引く

  ・支払いが遅い、或いは信用に不安がある「マイナスの得意先」との取引を止める

等の手を打つことが必要でしょう。

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