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第105回 納税者の品位と税理士の立場・・・7

2020年6月26日

(問題の制度設計・・その1)

内 容

、税理士は会計帳簿や取引書類など申告の基礎になる情報を収集すること

法令、課税実務上の取扱い及び裁判例の動向を知ること

、2を踏まえて採用しうる処理方法などについての的確な助言をして作成した申告書の内容説明をすること

、その際、特定の処理方法を採用する場合の税務リスクとともに申告内容全体の税務リスクを示すこと

、以上1~5を経て「適正な申告書」を作成している場合を除き、加算税等は税理士に賦課する

 

以上のなかで問題と考えられる点を摘出する。

:「申告の基礎になる情報」が納税者の手で既に「売上の過少計上」「資産の過少計上」「経費の過大計上、架空経費の計上」などの加工がされていた場合には、それ以降のすべての計算過程で事実ではない計算が進行する。

 

 税理士と依頼者とは契約によって合意し一定の信頼関係で仕事を受け、依頼している。税理士は検察官でも税務調査官でもないから依頼者から提供された「申告の基礎になる情報」に関して検査する権限はない。

 専門家として依頼者に盲従することなく、懐疑的な態度で依頼者から提出された「申告の基礎になる情報」に関して重要性を念頭に質問、証憑突合、検算、議事録・契約書等の確認、比率分析を行なうのが普通の業務水準と考える。

 これらの手続きを実施したことを決算調書(事務所によって呼称は異なる)に残しておいても(結果として)過少申告になることは考えられる。その原因としては例えば棚卸表への会社担当者の単価記載桁違いや資本的支出と修繕費の認識誤りなど善意(意図なく)であっても起こり得ることである。

 

 税理士が不勉強で法令の改正に気付かないため旧法を適用した場合などは、税理士の落ち度とされても致し方ないと考えても、「課税実務上の取扱い」に関しては国税庁の情報に注意してキャッチしても、個々の事業体で微妙に適用の可否は異なる場合が多い。一律に割り切れるものではない。まして裁判例の動向を的確にキャッチしても、その事例が受任している事案に適合するのかの判断は容易ではない。

 

 例えれば新型コロナウイルスの影響で役員報酬を大幅に減額する事例が多い。この件に関しては法人税法34条1項1号で役員報酬は「定期同額であること」が厳格に定められている。事業年度の途中での恣意的な利益操作を防止するためである。

 例外的に「臨時改訂事由」と「業績悪化改訂事由」が法人税法施行令で定められている。業績悪化改訂事由に関しては減額する場合に限ると釘を刺されている

 

<次回予告>

 コロナの影響で役員報酬を減額することが法人税法34条違反にならないためには「新型コロナウイルス感染症に関するFAQ」<以下 FAQ>が令和2年3月に国税庁ホームページで公表され役員報酬の減額については4月13日に2例の質疑事例が追加公表されているので、これ等の適用にかかつている。これらを用いて適正な処理が可能なのか検証したい。

第106回 納税者の品位と税理士の立場・・・8

2020年6月29日

(問題の制度設計・・2)

 前回の「内容」2で税理士は、法令、課税実務上の取扱いなどをカバーしなければならないことに触れたが、コロナを契機に役員報酬の減額をすることが法人税法34条違反にならないためにはどうすれば良いのかについて引続いて検討する。

 

 役員報酬の事業年度途中での変更は臨時改訂事由と業績悪化事由の2種あり、後者は役員報酬の減額の場合に限られることは前回で触れた。

 

国税庁のFAQのQ6での質問(筆者要約)

・イベント会社で、キャンセルが続くだけでなく、今後数か月先のイベントまでもキャンセルされました

・収入減で毎月の家賃や給与の支払も困難な状況です

・よって役員給与の減額をしたいです。減額後の役員給与は法人税法34条の定期同額給与に該当するのでしょうか

 

国税庁回答(筆者要約)

「経営状態が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいいますので、貴社のように家賃や給与等の支払が困難となった場合は、業績悪化事由による改定に該当するものと考えられます

 

この例でハッキリしないのは

・「家賃や給与等の支払が困難」の意味がもう一つ具体的ではない。役員給与を下げなければ家賃や給与の資金がなくなる。だから限られた資金内で役員給与の減額をしなければ家賃や給与の支払いが不可能になる。資金が2者択一状態まで逼迫していることを意味するのか。

 それなら銀行や政策金融公庫からの融資や持続化給付金、雇用調整助成金などを動員すれば(実際の資金繰りでは)役員給与も支払えるうえ従業員給与や家賃も払える場合はどうなるのか、が判然としない点である。はたは資金のことではなく損益計算上利益が計上できない意味なのかも不明である。

 

 法人税基本通達という解釈通達が以前から整備されている。ここの9-2-13で業績悪化改訂事由でいう「経営の状況の著しい悪化に関する理由」とは「やむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいう」と書かれているがよくわからない。そこで「法人税基本通達逐条解説」という愛読書(実務で頼りになる)を紐解くと「どのような事態が生じたときが該当するかは事柄の性質上、個々の実態に即して判断するしかなく」と断りがあり「著しく悪化」との規定から「一時的な資金繰りや単に業績目標に達しなかった」などは理由に含まれないとある。一時的な資金繰りの一時とは何を指すのか。算数の問題のように正解は出ないのである。

 

 日本税理士会連合会「税理士界」令和2.6.15号(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う税制改正に関する建議書)では「法令等の解釈に関する事項」で、現状では「業績悪化改訂事由」による給与改定をすることになるが、業績が回復した場合には次の定時株主総会まで役員給与を増額できないことになる。緊急事態宣言が出されての営業自粛で役員が職務執行できないのであるから「臨時改訂事由」に該当すると解釈をするよう要望している。

 

 以上のような状態の下で税理士は責任を持った結論を導かなければならない。「著しく」が曲者である。何を以て著しいのか膨大な裁判例を渉猟しても、同じ人間がこの世に居ないように同じ会社もない。探して判例を見付けても類似事案でしかない。最後は税理士の論理的首尾一貫性と説得力、説明的能力が頼りである。

 

<次回予告>

以上の実情のもと問題の制度設計が税理士に要求する諸点につき問題点を検討したい。

第107回 納税者の品位と税理士の立場・・・9

2020年6月30日

(問題の制度設計・・・3)

 

不服審判所で「問題になった税理士の行為」と「問題の制度設計」との接点を見てゆく

 

(問題の税理士の行為:再掲

・関与先に来て整理棚に保管されていた経理書類を自分の事務所に持ち帰って帳簿や申告書の作成を行った

・支払い内容が不明の支出は仮払金・前渡金に一旦計上し、自己の判断で仕入勘定に振替えた

・決算にて仕入れ勘定が過大になったため不安になり、売上勘定に2000万円を追加計上して法人税申告書を作成し申告した

・受任した納税者法人に税務調査があり、除外された現金売上金1700万円が指摘された

・納税者法人から「税理士が除外した1700万円を上回る2000万円を追加計上したことは知っていたされた」と主張された

・更に納税者法人は「現金売上1700万円が申告で洩れたのは、税理士が当社に現状の問題点について説明や指導を充分行わなかった結果である」と主張された

 

(問題の制度設計:再掲

1、税理士は会計帳簿や取引書類など申告の基礎になる情報を収集すること

2、法令、課税実務の取扱い及び裁判例の動向を知ること

3、採用しうる処理方法などについての的確な助言や作成した申告書の内容を説明すること

4、その際、特定の処理方法を採用する場合の税務リスクとともに申告内容全体の税務リスクを示すこと

 

 税理士の行為と制度設計を見比べてまず第一に気付くことは、税理士が持ち帰った経理資料から「現金売上」は初めから(納税者法人の手で)脱漏していた点である。納税者法人は初めから税理士には脱漏させた「現金売上」のことは話していない。

 

 税理士としては勝手に会社事務室の机の引出しを開けることはできないから「事務机に隠された1700万円」には気が付かないものの<制度設計1、税理士は会計帳簿や取引書類など申告の基礎になる情報を収集すること>との関係で問題が残る。

 

 制度設計1は、申告の基礎になる情報収集を求めている。ということは網羅的な情報収集を行うことが必要である。事務机に隠された金員には気づかなくても網羅的な情報を求めるには質問し、キャッシュの出入りをチェックし、預金間の資金移動、現金売上の対応する仕入・在庫の存在と動き、粗利益率の年次比較などは実行可能である。

 

 この意味からは制度設計が求める水準は妥当である。税理士は、網羅的な情報を求めた行為の「証跡」を文書によって自ら保管することで不服審判所での「濡れ衣」を防ぐことができたと考えられる。残念ながら税理士の行動からは経理の下請けの姿勢しか感じられない。

 

 税理士に、あれこれ聞かれたり確認されることを露骨に嫌がる納税者は多い。「おとなしい」税理士が好まれる風潮は否定できない。しかし問題が起こったときに納税者は本性を現す。

 

<次回予告>

制度設計が税理士に求める他の点についても検討してゆく。

第108回 納税者の品位と税理士の立場・・・10

2020年7月1日

(問題の制度設計・・・4)

前回に指摘した点以外に「問題の制度設計」と「税理士の行為」の関連をみてゆく。

 

税理士の行動の問題点は以下である。

1、資料を納税者法人から税理士事務所に持ち帰ってから納税者法人に決算処理の内容に関して質問した形跡がない点

2、自分がした売上原価への振替に関して説明や告知をしていない点

3、売上高への追加計上2000万円の事実は納税者法人に知らせていない点

4、問題の制度設計3の「採用しうる処理方法などについての助言や作成した申告書の内容を説明すること」を行った形跡がないこと

5、税務リスクについて説明をした形跡がないこと

 

 素朴な疑問は依頼者である納税者法人に対しても生じる。決算資料を税理士に渡して申告まで接点を持たないのは下請け業者に対する態度に等しい。納税額に関心を持つのが普通のところ、このような納税者は稀である。

 納税額に関してその根拠も税理士に聞かないママ、税理士が知らせる税額を素直に支払う点には疑問をもつ。いくら1700万円を机の引出しに隠していたとしてもである。考えられるのは1700万円を除外しているから税理士の依頼した申告内容も納税額にも関心はなかったと考えられる。

 

 ところが税理士が2000を追加計上したことを知って仰天したかもしれない。無関心のツケが回ったと考えられる。

 結局、税務調査によって1700万円を隠していたことが見つかってから、この納税者法人は態度を変え「現金売上1700万円が洩れていたのは税理士が当社に現状の問題点について説明や指導を充分行わなかった」と審判所で主張した。

 

 初めから机の引出しに隠しながら税理士が悪いと人指し指で税理士を指弾する一方、内側に巻かれた中指、薬指、小指の3本は自分を指しているのに気が付かない。ジブンハワルクナイ、ワタシはワルクナイと言い張るのが人間である。仮に税理士が適切な質問をしても納税者法人は事実を話さなかったと考える。この税理士は依頼者に対する態度に甘さがあったのである。

 

<次回予告>

この税理士はどうすれば良かったのか、を考えてみる。

第109回 納税者の品位と税理士の立場・・・11

2020年7月2日

(問題の制度設計・・・5)

 

(依頼者と税理士の間にあるもの)

 納税者と税理士は争うものである、との認識が必要である。払いたくもない税金の申告書作成を依頼して何も問題が無くて当たり前、もしミスがあればタダでは済まない。加算税の負担をはじめ不足税額の弁償を求められる。憎い「税」への怨念が税理士に当てられる。たいていの場合は契約も解約になる。

 

 ただ新たに税理士を探すことも面倒なので税理士が謝罪して溜飲が下がればそのまま契約を継続する場合も多い。新規に探し当てた税理士がもっと出来が悪いこともあり得ることも視野に入れての判断である。当然のことであろう。

 

 世間では税理士を「先生」と呼ぶのが通例であるが、この言葉を真に受けてはイケナイ。指導者としての意味ではない場合の方が多い。慣習でセンセーと言っていると思った方が勘違いしなくて良い。

 

 犬のように従順で羊のように逆らうことなく、ロバのように黙々と仕事をするタイプの「おとなしい」税理士には、経営者は面と向かってハラの底に持つ感情を出さない。そのくせ蔭では悪口を言いまくっている。わたしは自分が税理士であることを表に出さないで異業種の人々と交流するのでイロイロ耳に入ってくる。「そうですかあー」と聞き流している。

 

 私は「おとなしい税理士」は性分に合わないので依頼者にまともに問題点を指摘する。

一歩も引かないためケンカになる。ここが重要である。ケンカして相手の「究極の本性」をしっかり見ないとこちらが足元をすくわれることになる。

 

  最良はケンカすることではなく穏やかに諄々と依頼者が外道に落ちないように、時には例え話や「最悪の場合ににどうなるか」などを話すことで、おのずから「ではこの件の処理方法は先生のお勧めになる道を選択します」との言葉を引き出せれば成功である。それができない場合はこちらから「引かせていただきます」と言って関係は終了する。

 

 修業時代に今は亡き師匠から「悪魔に魂を売るな」としつけられた。いま思い出しても有難さに涙がこぼれてくる。その後、税理士登録後も「自分が依頼者の立場であれば税理士にどうしてほしいか」を自問自答し、その答えを指針にして依頼者に応対してきた。

 

 本件の税理士からは依頼者の立場に立って、の視点が感じられない。たとえ相手が机の引出しに売上除外金を隠していることを知らせないような依頼者であっても説明すべきは説明しなければ仕事は完結しない。

 

<次回予告>

 このような実態の税理士に「問題の制度設計」が適用された場合に生じる問題点を検討する。

第110回 納税者の品位と税理士の立場・・・12

2020年7月3日

(問題の制度設計・・・6)

 

「問題の制度設計」によれば非違があった場合には加算税を税理士に賦課するという。この制度は

1・「申告の基礎になる情報を会計帳簿などから集めること」を要件としているが1700万円の除外分は税理士は知らないから該当しない。

2・「法令等の動向を知ること」に関しても該当するかしないかは判然としない。

3・「採用しうる処理方法」についても、売上除外を税理士は知らないから助言しようがないが、後段の「申告書の内容を説明すること」に関しては「説明していない」と言える。申告内容を説明すれば当然に仮払金計上額を売上原価に振替え加算したたことや売上高に2000万円を追加計上した事実を話さなければならない。話せば会社は異議を唱えたであろう。

4・リスク説明については、実施したか否かは判然としない。申告書全体の税務リスクもした形跡はない。

 

 以上のようにこの税理士は「問題の制度設計」がいう適正な申告書を作成しているとは言えない。なので納税者法人に成り代わって加算税を負担するとの結論になる可能性がある。

 

(この税理士が負担する加算税の額はいくらか)

 納税者法人は1700万円を売上から除外し、税理士が勝手に2000万円を売上に加えたので納税者法人には非違はない、よって加算税の負担はありえない、というのが納税者法人の主張であったが不服審判所にて棄却されたことはすでに述べた。

 

 結局、加算税の計算基礎になる金額は仮装隠蔽された1700万円である。重加算税35%が課されるので595万円が負担税額である。不服審判所の採決では税理士のした2000万円は重加算税の計算基礎にはならないので、納税者法人が595万円を負担することになるが「問題の制度設計」によって判断すれば異なる結果になる。

 

 問題の制度設計では「適正な申告書を作成した場合」は免責されると読める。瑕疵ある申告書は「適正な申告書」と言えないからこの税理士は595万円負担すべきことになるが、本ケースの場合、瑕疵は納税者法人が原因であって、この税理士には関係はないことを証明すれば税理士は免責される、との考えも生じる。

 

 本件税理士は依頼者とのコミュニケーションがない点で稀な税理士かもしれないが1~4を実施していても税務調査で非違が見つかる場合がある。税理士が「問題の制度設計」に嵌まらないためには自己の立場に関しての立証が必要になる。

 

<次回予告>

 終局には売上除外された1700万円は税務署の手で(増額)更正された。税理士が勝手に計上した2000万円は一種の粉飾であるから「修正の経理」を行った後、該当税額分は還付されると考えられる。

 この手続きを通して、税理士に「問題の制度設計」が重加算税を課す余地があるのかについてさらに分析してゆく。

第111回 納税者の品格と税理士の立場・・・13

2020年7月6日

(問題の制度設計・・・7)

 

ここで課税処分について事実関係を整理しておきたい。

 

更正の日:平成29年3月24日

処分対象事業年度:平成27年10月1日から平成28年4月30日終了事業年度

税目:法人税申告につき重加算税の賦課決定処分を受けた。

 

(実際には平成26年9月終了事業年度、その翌期の平成27年9月終了事業年度にも法人税に関し重加算税の課税処分を受けている。3期に亘って重加算税賦課決定処分を受けている。また本件税理士は27年9月終了事業年度と28年4月終了事業年度の2期に売上勘定に勝手に計上していたが説明の簡便のため平成28年4月期のみに限定し計数も単純化した)

 

課税処分がされたのは平成29年3月であるから直前事業年度の内容に関しての処分である。

 

 一般的には粉飾があった場合は法人税法129条にて納税者法人が「事実に係る修正の経理をし且つ修正の経理をした事業年度の確定申告書を提出するまでの間は、税務署長は更正をしないことができる」と定められ、仮装経理法人税額は、法人税法70条で、その後の事業年度の法人税額から控除する、と規定されている。

 

 本例では重加算税が課された事業年度の翌事業年度内に処分がされたので法人税法135条2項が該当し「更正の日の属する事業年度開始の日前1年以内に開始する事業年度の所得に対する法人税額で更正の日の前日に確定しているものがあるときは、法人税額に達するまでの金額を還付する」と定められている。

 

 納税者法人が隠していて税務署により増額更正された1700万円が原因で納付税額はその分だけ増加したが、ここから2000万円に対する「仮装経理法人税額」は控除される結果になる。納税者法人が隠した1700万円の追徴税額と、税理士が計上した2000万円に対応する仮装経理法人税額は結果として精算されるのである。

 

(実際には更正の日を含む事業年度の2期前にも仮装経理をしていたので2期前の「仮装経理法人税額」は「修正の経理」をした上で法人税法70条にて、後の事業年度の法人税の額から控除される。

 この修正の経理は「過年度遡及会計基準」に従い2期前に遡って過大申告を「修正再表示」する方法によらなければならない。

 

<次回予告>

 修正の経理や修正再表示の手順を通じて「問題の制度設計」との関連を見てきたい。

第112回 納税者の品格と税理士の立場・・・14

2020年7月7日

(問題の制度設計・・・8)

 

問題の制度設計の要点

1・十分な情報収集を行うこと

2・適正な申告書を作成すること

3・1と2ができていない場合は加算税を税理士に賦課する

4・加算税を課されることを当該税理士が不服なら、その妥当性を当該税理士が争えばよい。専門的知識があるから可能であるだろう。

5・十分な情報が税理士に与えられない場合は、依頼者が加算税を負担すルことになる。

 

問題点

1、十分な情報収集ができれば適正申告になるのか。

 

そうとは言い切れない。

 「十分な情報収集」とは何を以て十分とするのか。「適正」とはどのようなことを指すのか。申告是認=申告書が適正であれば十分な情報収集をしたことになるのか。双方に関係はない。

 

 税理士が十分な情報収集をしなくても適正申告の結果になる場合もある。その逆もあり得る。

 納税者の中には税理士に情報開示を積極的にすることを好まない会社や人物もある。税理士は専門家として必要な質問を行ったことや、手に入る関係書類を入手し確認したことを記録することで役割を果たした事の証明ができる。この証明ができない場合は、税理士の突っ込んだ質問に対し曖昧な回答しかしない納税者の咎を税理士に付け替えることになる。

 あらかじめ税理士として疑義がある点を指摘しておけば税理士の姿勢には責めに帰すべき点はない。

 

2、会社という組織から税理士に伝わる情報の多様性

 この裁決例でも、社長は工場長に業務全般を任せていた。現金売上に関する領収書の控えなどの証憑類も工場長に任せ、例の引出しの管理は工場長とその妻が行っていた。

 税理士には整理棚の書類しか渡さなくて引出しの除外金のことを伏せていたのは社長か、工場長か、その妻か、判然としない。

 

<次回予告>

 税理士に会社の経理情報が伝わる経路には間に従業員が介在するばあい、事実が税理士に伝わらない可能性もあり得る。

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