税務会計 フォアユー パートナーズ Do-ing

新技術がもたらす税務と会計の大変化 AI・RPAの先にあるもの

第49回 昭和バブルの崩壊から今の情勢を見ると

2020年4月2日

ヒント:コロナウイルスに対する各国政府の支援に関するニュースを読んでいますと、わが国だけでなくEU、USAなども財政がひっ迫している中で財政出動して懸命に国民の救済をしようとしていることが分かります。財政出動とは結局は通貨増発・国債発行という意味でしよう。

 コロナも怖いですがそれ以上に先進各国の財政状態が悪いことにも空恐ろしいものがあります。アフリカ諸国では債務を返せない状態のうえ医療体制も不十分なことに加え、医療器材、衛生資材も不足のため手の施しようがない様子です。

 

説明:要するに地球規模で 負債の増加>GDP の傾向に拍車がかかり、誰かが借り手になるように、政府→金融機関→企業や個人向けに金融商品(投資信託、社債や株式投資)や不動産ローンという姿になって末端まで広まってゆくものと考えます。迂闊に不動産ローンを組むことは注意が必要であるばかりでなく資産の選択にも慎重さが必要です。

 

(昭和末期のバブル崩壊)

不動産価格が潤沢な融資によって値上がりしていたところ、急速な金融引き締めがされたため、信用が収縮して起こりました。当時はたしかに過剰な融資でしたが、金融引き締め寸前は資金が不動産に偏っていたとはいえ循環していました。街にも活気がありました。

 

特徴的なのは、借入金で購入した投資用不動産の申告において、土地の借入金の利息は賃貸収入から控除できない規定が定められました(今もこの規定は生きています)。このため、節税ができないことになるので、借入して不動産物件を所有していた人々がこれらの物件を放出したため、それ以降は右肩下がりで不動産価格が値崩れしてゆきました。

 

税制の変更は予兆を示している場合が少なくありませんので注意してみることです。

 

(今はどうか)

当時と少し様相が違うようです。都心の不動産価格は騰貴していますが地方都市ではデフレで地価は大きく下がっているのに買手は中々つきません。人口も減少してゆくのと若い世代はさほど不動産の購入欲もなく、実際の購買力もないようです。

 

需要が価格を引っ張るどころか需要が逓減してゆくうえ、人口減で空家が増え供給は加速度をつけて増加の勢いです。不動産価格が上がる要素は見当たりません。この状態で不動産を購入することは控えなければ先々返済に困ることになった場合、売却しようとしても値段が付かない恐れがあります。

 

この流れに加え、もう一つの大きな原因があります。過剰流動性のもと、利子を生めない金融資本が借り手を探しています。貸付けて利息を得ないと金融機関が成り立たないのですが、すでに個人も企業も目いっぱい借りているところが多いです。

 

予兆になる税制では令和元年に「空家に係る譲渡所得の3000万円控除」の創設がされました。令和2年の税制改正大綱では「低未利用地の活用促進」や「所有者不明土地の所有者情報の把握」など、供給をスムースにするための改正が確定しています。

 

<次回予告>

ココへコロナウイルスが起こりました。先行きの対応を考えてみます。

第50回 個人や企業の資金対策・・コロナウイルスに関連して・・

2020年4月3日

ヒントキャッシュは人体で言えば血液です。これが無くなれば失血死です。今ある資金を総動員した場合の資金がどこまでもつのかを試算して行動を決めましょう。そのためにはコロナウイルスがいつ収束するのかの「正しい」情報が必須です。誤った予測では資金が行き詰まりかねません。

 

説明:(政策金融公庫)では3000万円までは特別利子補給制度(実質無利息)の道があります。3ケ月間の売上減少割合が20%(法人は15%)以上の場合が条件です。他に、有利子の枠も別に3000万円用意されています。無担保です。

 また「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」があり前年同期に比べて5%以上減少していれば対象になります。

 

(各府県や市町村)でも独自に施策がなされています。タイプは「貸付」か「助成金」かの何れかです。助成金と謳っている中には「利子補助金」も含まれています。

 

これら自治体の「助成金」には業種が特定されている場合がありますので注意しましょう。返さなくても良いのですから業種を絞っています。例として京都市は観光事業者に限定し、徳島県は農林漁業に限られています。

 

助成金の条件には「売上が前年より下がっている」だけのところも多いです。何%減少したかの条件はありません。業種が限定されている反面、その業種に該当すれば条件は緩いようです。

 

 

(銀行や信用金庫)でも新型肺炎緊急対策融資の窓口を設けて対応しています。無利子ではありませんが概ね1.2%以上の利率です。

 

今の手許資金と今後の収支を見込んで打てる手を打ったあとの必要資金額を試算して、その計算表をもって政策金融機関をはじめ取引のある金融機関の担当者と話をして情勢の把握をすることが必要です。

 

政策金融公庫や府県各市は貸出しのみの機能ですが、市中の金融機関は預金と借入れの預貸率も影響します。自社の立場を踏まえた対応が必要です。

 

(納税資金)に困ることになる場合は、1年間までの納税猶予の制度が国税通則法46条で定められています。要件次第では(国税徴収法151条の2)職権による「換価の猶予」を適用される場合が結構あります。税務署の徴収部門が窓口です。

 

納税の猶予は「災害」が要件でコロナウイルスが災害になるのかが問題ですが、国税庁のホームページではコロナウイルスの場合は「換価の猶予」が該当すると示されています。私の相談例でも、コロナではない一般的な資金不足の場合でしたが、換価の猶予が適用された事例がありました。

 

 

資金導入を図るとともに、納税などの資金支出をできる限り先延ばしにして、手許資金を少しでも多く有することは不透明な状態の今こそ必要です。

 

たしかに(補助金ではなく)借入金ですから、いずれは返済しなければならないものです。だからといって資金不足が現実になってからでは「手遅れ(失血死)になってしまいます。

 

同時に資金を生み出す資産を換金することも検討し実行することが必要です。これまで見てきたように在庫の換金、固定資産の処分売り、滞留売掛金の早期回収を並行して行うことです。現に高級車を手放されるケースが増えているようです。

 

<次回予告>

コロナウイルス関連が気になりますが、(今の予定では)国税庁のBig Dataとして申告関連の情報が集積されていることに触れたいと考えています。

第51回 申告関連情報の集積がますます進みます。

2020年4月6日

税務当局が課税情報を収集する仕組みが高度化されています。

 

1、(情報提供協力)今年(令和2年)から事業をしている個人・法人に対し税務調査のために必要がある場合には、調査されている人や会社の取引関係者に対し帳簿書類を閲覧させたり、その他の資料を提供することを要請できるようになっています。

 

これまで取引先とのトラブルを怖れて税務調査に資料の提供を渋る場合がありましたが法律で協力要請が定められています。

 

2、(インターネット取引など匿名性の高い場合の特定事業者への情報提供協力)1と同じ趣旨です。インターネットで匿名性が高い場合に一定の手続きのもとで情報提供が法定されました。この場合は応じないと罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)が適用されます。

 

*国税通則法74条の12、74条の7の2、128条の3

*1,2は国税調査官が行う場合でしたが、令和3年からは地方税の徴税吏員も事業者に対し情報提供の要請ができるようになります。

 

3、証券会社、銀行等への加入者情報の番号検索化

これらの金融機関は税務当局から、或る納税者の証券口座情報に関して問合せがあった場合に、速やかに回答できるために番号検索が可能な状態で管理しなければならいようになっています。

 

この対象は証券保管振替機構や信託銀行も対象です。

*国税通則法74条の13の3、74条の13の4

 

この番号とはマイナンバーを指します。これまで証券口座にマイナンバーの普及が進んでいない状況でしたがここで一気にマイナンバーをの普及を進める狙いもあります。(大蔵財務協会 改正税法のすべて870頁)

 

4、一般者からの「投書」の電子版

すでに国税庁のホームページ<ホーム/ご意見・ご要望/課税・徴収漏れに関する情報の提供>ページで「情報提供フォーム」に入力できるようになっています。最寄りの税務署でも「面接又は電話・郵送にて、情報を受付しております」と広報されています。

 これまでに提供を受けた情報の例として(筆者略記)

  ア・租税回避を目的とする節税商品の組成・販売をしている者又は利用している者に関する情報

  イ・虚偽の売上高や必要経費による経理をして不当・不正に所得金額を低く申告している者及びそ

    の手口の情報

  ウ・事業が活況を呈し、申告する必要があると考えられるのに申告していない者に関する情報

  エ・海外で儲けたのに課税を免れている者などに関する情報

  オ・国税を滞納しているのに、財産を隠匿している者に関する情報

が例示されています。

 

この「情報提供フォーム」を訪れますと情報提供される人物や会社の所在地の国税局が窓枠の中で選択でき、人物、会社の住所、名前に続いて「内容」欄が来ます。情報提供者に関しては任意で「差支えなければご記入ください」と書かれ「皆様のお名前など個人情報や情報内容は、外部に漏らすことはありません」と記されています。

 

<次回予告>次回は上記のうち、エの海外関係に関して課税当局がどのような資料を駆使して情報を集めているのか。摘発例などにも触れながら説明します。

第52回 税務当局への申告関連情報の集積・・その2

2020年4月7日

ヒント:コロナウイルス感染率は、海外で感染して帰国した人達の波が大きくなった先月後半から一気に上昇し、感染爆発に近い様相を呈しています。コロナだけでなく海外で「問題のタネ」が生じているものが他にもあります。これまでのグローバル化傾向がもたらしたウラの一面かもしれません。

 

説明:数年前から、ア「国外送金等調書(送金」、イ「国外送金等調書(受金)」、ウ「国外財産調書」、エ「財産債務調書」、オ「国外証券移管等調書」「国外公社債等の利子の支払調書」などによって国税当局に情報が集積する仕組みが稼働しています。

 

アとイ、オは金融機関から税務署に出されます。ウとエは本人が税務署に提出する義務があり所得税、贈与税、相続税、法人税、消費税の「事実把握」に活用されます。

 

以下に述べるようにア~エだけでは潜脱を防げないことから、加えて「租税条約に基づく情報交換要請」制度が用いられます。この制度は相手国と協調しますから「相互に自動的に情報交換」機能が働きます。このため「国外送金等調書」がないのに社長が外国に預金口座を持っていた例では共同事業を装って別の会社を経由することで隠して送金していたことなどが明かにされています。

 

相続税や贈与税の海外隠し資産の摘発は、この「租税条約に基づく情報交換要請」制度によるものが多いようです。

 

この結果以下のような事例が国税庁から報告されています。

1、外国の知人と通謀して架空経費の計上により資金を国外に留保していたケース

2、国外での取引を会計帳簿に記載しないで資金を国外に溜めていた

3、国外預金の利子や国外不動産の譲渡益が日本の所得税申告で洩れていた

4、国外不動産の贈与を受けていたが贈与税が無申告であった

5、国外に相続財産があるのに日本で相続税申告から除外していた

6、国外財産が相続税申告で洩れたうえ、相続した国外株式から生じる配当収入が所得税の申告洩れであった

7、国内取引であるのに輸出取引に仮装して不正に消費税の還付を受けていた

8、国外で法人を設立し日本と外国の税制・租税条約のズレを利用し、国際課税規定の網をくぐって海外に資産を隠す

9、海外子会社から虚偽の請求書を日本本社に送り、架空の業務委託費を海外子会社に送金して裏金を蓄えていた例

10、相続税調査で相続人は税務署の質問に対し国外預金はないと回答したが外国の税務当局が調べたら隠し預金が発見された

 

島国に長年住んでいた人間が外国へ出たとたん気が緩み「海外にまで追及はされないだろう」と考えて、税金を払わない行為に走ってしまうのでしょうか。

 

これらの摘発が続々とされる背景には上記の「調書」だけではなく「租税条約に基づく情報交換要請」制度が働いています。情報交換件数は70万件を超えています。海外関連事案の調査件数は25千件近くで全調査の11.2%を占めます。

 

また外国の金融機関を利用した国際的な脱税に対処するためOECD主導で非居住者の金融口座の情報も「共通報告基準(Common Report Standard)]で各国の税務当局間で自動交換します。各国の税務当局は自国の金融機関をから非居住者の口座情報(氏名、住所、口座残高)の報告を受けて、他の国の税務当局と情報交換します。国税庁は、H30年6月末終了年度では831千件の交換がされ、海外の口座情報は74万件を得、令和元年度は189万件の口座情報を取得しています。

 

<次回予告>

デジタル化の急速な進歩により納税者の課税情報は世界的な流れで補足されようとしています。このことについて述べます

第53回 デジタル化のもとの国際課税情報と行政機関の法令違反事実の把握

2020年4月8日

ヒント:ICT(情報・通信技術 Information Communication  Technology)を使用した情報網の整備と活用は税務だけでなく行政全般において大きく進化しています。

 行政機関が保有する情報を個人別、法人別に検索して統合的な情報表示が可能になります。情報機関相互に個人情報などを提供し合うことで周辺の情報までも把握できます。e-taxの情報と「ねんきんネット」をつないでヨコの情報も明らかになります。

 

説明:上記の流れの中で注目する点は2点あります。

はこれまでも触れましたが国際間の情報把握で、つ目は法令違反事実の早期把握の流れです。法令違反の事実がまさに生じようとしている段階でも通報を求めることができるように法令が備わっています。匿名でもフォロ―アップするように国税庁の公益積報関係事務取扱要領(事務運営指針)が出されています。

 

1、国際間の情報把握

国外財産調書は平成30年(令和元年6月末まで)で寄せ集められた国外財産の総額は3兆8,965億円でそのうち有価証券が2兆1,13兆円に達します。資産別では2位の預貯金5,771億円と大きく差があります。

(過少申告加算税の加重または軽減による誘導)

この国外財産調書を期限内に提出しなかった場合や、偽りを記載した場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

 もし税務調査が行われて海外資産が摘発された場合には過少申告加算税がかけられます。この場合「国外財産調書」をあらかじめ税務署に提出していたなら過少申告加算是は5%軽減されます。一方、この調書の提出がなかった場合は過少申告加算税は5%加重されます。上下10%の差があります。

 

(令和2年 改正予定)

加重措置の適用対象に相続国外財産に対する相続税の修正申告、期限後申告、更正・決定が加えられました。相続関連での課税洩れに対し厳しい姿勢で臨むことが予測されます。

 

その上、税務署が外国の税務当局に情報交換の要請を行った場合は原則5年の除斥期間(中断がない時効)にかかわらず、特例として外国税務当局への要請から3年間は更正または決定ができるようになります。

 

2、法令違反事実の早期把握制度

(通報をおこなえる者)

・労働者 ・国税職員等

会社役員や会計監査人は法人の事業執行者の立場であるため除かれています。

 

(通報先)

行政機関

(通報内容)

法令違反、犯罪行為で、それが起こりそうな場合でも通報できます。

 

これらの通報があった場合は事実に関する調査、措置の実施が行政機関に義務付けられています。

国内外ともコンプライアンス(法令順守)が加速されています。

 

<次回予告>

情報網の整備の結果として、摘発の実態を見ながら、今後の流れを予測してみます。

第54回 税務情報網の整備の結果、無申告や申告洩れの把握が急速に進んでいます

2020年4月9日

ヒント:昨年12月に令和元年6月に終了年度の税務調査の結果が公表されました。

 

 データを概観しますと法人の海外取引における申告漏れ所得が199.8%とほぼ倍になっている点や無申告法人の摘発による法人税、消費税につき「意図的な無申告による追徴税額」が43億3700万円(前年比60%増)、消費税の意図的無申告21億5900万円(前年比36%増)となり確実な把握がなされていることが分かります。海外取引の補足が上記のように約2倍である点はICT、AIの力ではないかと考えます。

 

 このほか公益法人(宗教法人、社団・財団法人、社会福祉法人、学校法人)において顕著な動きがあるほか相続税・贈与税関係で海外資産と贈与税に重要な動きが見えました。

 

 

説明:法人税、消費税に関してはヒント欄で概要に触れましたのでこれ以上の説明は割愛します。詳しくは国税庁のホームページ:ホーム→お知らせ→報道発表→国税庁発表分で詳細をみることができます。以下、目についた2点に関し見てゆきます。

 

1、公益法人の申告洩れ

調査された1件当たりの申告漏れ額は12,538千円(前年比46%に減少)、1件当たりの不正所得も前年比33%に減少しています。

 

この理由は前年が前々年の3.3倍にもなる申告漏れが発見されたため、令和元年は右肩下がりの結果になっています。しかし申告漏れ所得額の43%が不正所得であるのは問題です。

 

営利企業ではなく宗教・財団社団・社会福祉・学校において不正所得の割合が多いのは首をかしげます。営利法人の不正所得割合が20%であるため尚更です。

 

不正の内容を詳しく見れば外面とは異なり、内面の不正蓄財欲がありありと読み取れます。特に社団・財団法人の不正が激減したのに比べ、社会福祉法人の不正が前年の13倍になっています。資料収集の成果と考えます。

 

2、相続税調査の内容とターゲットになった3点

レポートの頭に「国税局、税務署で収集した資料情報から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等につき(実地調査)をしました」書かれています。どのような想定で調査されたのでしょうか。

 

<次回予告>

次回はこのうち「主な取組」として挙げられている3点に関し1、無申告事案の割合  2、海外資産関連事案が原因になったこと 3、贈与税が案外な申告率であることなどを見てゆきます。

第55回 相続税や贈与税に関しての最近の税務調査結果から考える

2020年4月10日

ヒント:国税局、税務署で収集した資料情報から過少と想定される場合や、無申告と想定される事案等につき(実地調査)をした、と記されていることから、大量の収集データをAI等のアルゴリズムを駆使して十二分に分析した上でタ―ゲットになる納税者を絞り、その納税者の申告が当局の有しているデータからみて「過少申告」であったり、申告が必要なのに「無申告」であることを確信して調査に入ったことが窺えます。

 

 申告漏れ相続財産の内訳は「現金・預貯金等1268億円」「有価証券388億円」「土地422億円」と相変わらず金融資産が多いことが明らかにされています。重加算税がかけられた(不正)割合は16.5%で前年(14.3%)より増えています。調査1件当たりの申告漏れ財産額は2,838万円です。

 

以上は全体の状況です。

 具体的に「主な取組」として以下の3点が重点として挙げられています。

 

<1、無申告事案をみつける 2、海外資産の漏れを重点にする 3、贈与税は相続税の補完税>

 

、(無申告であったのが摘発された):件数は過去最多の1,232件で総額1,148億円が申告漏れでした。財産の種類では現預金がトップです(34%)。

 

、(海外資産の申告漏れ):59億円、1件当たりの課税洩れ財産 4,064億円。財産種類では現預金34%、有価証券33%で両者で過半を占めます。

 

(贈与税申告漏れ):207億円、1件あたり555万円 財産別では現預金が74.3%と圧倒的です特に目立つのは(贈与の)申告漏れを指摘されたうち無申告であったのが88.3%、申告有りが11.7%と、贈与税の実態が示されています。

 

 以上1~3に共通するキーワードは財産の移転です。資料情報をもとに財産移転の事実の把握が重点項目になったようです。

 

 相続を前にして財産を移転して申告義務がないほどの財産額に減少させ、無申告で良いと考えたり、海外の資産を被相続人以外の人に移したことで相続財産から除外したりして、生前に財産を少なくする行為が贈与と認定されて贈与税が課される結果になったと考えます。結局、膨大なデータの網をかいくぐることはできないと思わなければなりません。

 

<次回予告>

人生90年時代と言われますが、相続(この世にサヨウナラすること)への準備について無関心な場合が見られます。一方「相続ビジネス」という分野が話題になるほど金融機関、コンサルタント会社などからの提案というお誘いが多いのも実態です。これらの銀行や会社は税理士資格を持ちませんからイザ税務署と折衝する時にはその場にいません、おれません。居れば税理士法違反で挙げられます。先々まで見通したうえ、ご自分の足もとを見て焦らず急がず、しかし立ち止まらず対処することが重要です。

第56回 ものごとを複雑に考えない

2020年4月13日

ヒント&説明

 

情報が多く、中にはこの機会に自己の意見を強引に、根拠も薄弱なのに言い募るような記事も見えます。権威のある人が言うことを真に受けることも人間の悲しさです。

 

しかし自分が置かれている立場から見て不要不急どころか、情報に惑わされて気にしなくても良いことなのに、気にしてしまうことになれば、風聞に振り回されることになります。

 

コロナで必要なコトと、そうでないどうでも良いことの境目がハッキリしてきたように思います。

「最小限」で良いと思えば必要なコト、モノは本当に少なくて済みます。

 

その他は無駄であると最近特に思います。

「最小限」は量のことで、質においては良質であることが必要です。

 

知識や情報も質が大事です。そして深さも必要です。上滑りは意味がありません。

逆に言いますと、自分にとって必須のものになるまで不要なものを捨てて行けば「最小限」に行き着きます。

 

税の知識でも、書店に行けば一生かかっても読み切れない税の本がずらーっと並んでいます。

税を職業にする者とっても、多くの書物を読む必要はありません。基本書、条文とその解説本、最新の改正の解説本、通達の逐条解説、応用問答集などで十分であり、あとは実例にあたることで考えますから知識に「深さ」が出ます。この深さが必要です。

 

一般のかたが税の書物を探す場合「何が分かりたいか」がブレずに掴めたら取りあえずは目的を達したことになります。

その目的のための本以外は「不要」なものです。下手に買えば書店や出版社や著者のお金儲けの餌食になります。

 

書物の例を書きましたがメディアから来る情報も同じです。

要は「自分にとって不要なもの」その裏側にある「最小限の必須なもの」だけを掴めばそれでいいのです。情報が多すぎてアタマの中が複雑になれば「行動」のシヤープさがなくなり動けません。

 

相続対策にしても「何もしないで自然体でゆく」ことが正解のことが多いです。

もう一つ大事なことは税は皆さんが働いて獲得した「お金」を奪ってゆきます。

 

「奪われて失ったものは取り返す」気概が必要です。この気持ちをなくしてしまいますと活力がなくなり元気もなくなる一方です。

この意味では税金を払うことは「取り返す」モチベーションを与えてくれます。「取り返してやる」ここからは被害者意識は生じません。

 

<次回予告>

財産に関する税法の規定には、要らないとも思われる部分や金融機関のためにあるのではないかと思える規定も多いです。それらが書物になって売られています。下手に購入すればお金も読む時間も無駄にします。そのような惑わされやすい税の定めを中心にみてゆきます。

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