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しなやかな会社づくりー企業家と経理

第81回 危機管理  社長が作る処方箋・・・・適所適材     (危機管理:中小企業経営)

2017年9月19日

 適材が先で、適所が後に来る順序が、普通の順序ですね。この順序があてはまる場合は、大きな会社や役所などで、十二分に粒のそろった人材がおられる場合のことだと思います。そしてその人材を訓練して適材に仕上げて組織の中の適所に配置することを言いいます。

 

 中小企業は全く逆です。十二分に粒のそろった人材はいません。獲得することも困難でしょう。これからもです。訓練する時間もありません。その前に「組織」ができているかも疑問です。

 

 このような中小企業の場合、「適材適所」ということ言葉が空虚になります。そこでひっくり返してみましょう。中小企業で働く人々は、もちろん社長も含め「馳せ場(戦場)」を駆ける戦士ですから、いきなりの実戦でここを守れ、ここを死守せよ、あそこを攻めよ、との指令がどんどん飛んできます。そこ(適所)に適材を充てなければ相手に破られて一気に崩壊することさえあります。

 

 現場で踏まれながら成長していってもらうしか道がないのです。ここには育てようという発想はありません。「必要を満たしなさい」との役目があるだけです。修羅場で頭打って、体張って、やってゆくしか道はありません。自分の普段からの人の目に見えないところでの地を這うような努力を絶えずしている者だけが出番が来た場合に役に立てるのです。

 

 中途半端に「人材育成」などとやっていては、そこは人間ですから、仕事をしくじったら「育成が不十分だ」とツケを会社に回されます。いまの世の中はさかさまになってしまっていますから過保護にすればキリがないところにゆきます。

 

 獅子が谷に子供をわざと落して這い上がるのを待つように、雑草として踏んでゆくことになります。踏まれても踏まれても、じょうろで水をやらなくても生きて伸びる人は継続してゆきます。人手が来ないからと言って我がままを通してはいけません

 

 入社直後にいきなり得意先100軒を担当させたり、むつかしいソフトウエア開発プロジェクトに取り組ませたりして急速に人材が育った例はよく雑誌などで紹介されています。

第82回 息抜きしましょう          (番外:よもやま話)

2017年9月20日

兄丸出羽守(この名前の由来は既往号の「息抜きしましょう」をご覧ください。ヒントは兄丸とはマニュアルの言い間違い、出羽守は、マニュアルではではというのでこのあだ名になりました。以下 兄と表記します)

 

兄:こんにちわアニキ、元気ですか?

キ(木村のこと)おお、よう来たね、元気ョ。コーヒーでも出そうか。

 

兄:いつもとちがいますね、こっちから催促せんでもコーヒーをいただけるなんて。

キ:そうか。ところで今日は何の用や?

 

兄:7月10日に寄せてもうた時、これからは愛嬌と色気と哀愁が必要やと言うてはりましたね。あの後考えたんやけれど哀愁と言うのがようわからんのです。

キ:そうか、ようわからんかったら説明してもようわからんやろ。あの日も説明したと思うけれど。

 

兄:何かヒントはありますか。

キ:そうや有栖川アリスという作家さんの「幻坂」という短編集がある。文庫本で出てる。この中の「愛染坂」という短編がヒントになるかもしれんよ。わたしは愛染さんのお祭りの少し後、丁度、梅雨の中休みのころやなあ、あの界隈を良く散歩するから特によくわかるのや。あの辺は情緒あるで。この短編は、ぞくっとくるで。

 

兄:そうですか。読んでみて、一遍行ってみますワ。

キ:あの辺の食堂や喫茶店に入って周りの話声が聞こえてくる。聞いていると世の中の本音がようわかるわ。

 

兄:どんなんですか?

キ:オトナは、元請けと下請けの不満、給与や賞与のこと、若い子はアルバイトしないと生活できん言うてはる。お前もしょうもないTV見たり、つまらん本読まんと街で聞いて勉強したらいいよ。その昔、寺山修司さんという詩人が「書を捨てよ、街へ出よう」と言われてたけれど、まさに今、あてはまるように思う。

 

兄:わかりました。そう心がけます。

第83回 危機管理  社長が注意する項目    (危機管理:中小企業経営)

2017年9月21日

 社長が注意しなければならない項目は

 

 ・わが社の借入の限界点を知ること

 ・巨額の訴訟リスクが潜在していないか

 ・自社の商品、サービスが世間で遅れたものになっていないか

 ・逆に独りよがりで受入られないものはないか

 ・税務調査で大きな修正(更正)を食らう原因が申告書に埋もれていないか

 ・社内不正の芽がないか

 

 そして一番大事な点は社内のコミュニケーションが取れているかです。

この点は、言葉より顔に本音が書かれています。賢い人ほど本音を出しませんから厄介です。場数を踏むしかありません。

そのうちに見えてきます。

 

 良いコミュニケ―ションのためには極端に伝達の方法を単純化することです。なぜなら答えや本音は顔、態度に表れているから言葉は最小限で良いのです。

 

言葉やメモで伝える要点は、柱が3つ。この3つに補足説明をつけて合計6ポイントで正確に伝えるようにすることです。

第84回 危機管理     危機管理について       (危機管理:一般)

2017年9月22日

 このブログは、中小企業の経営に関連する項目を経糸と横糸のようにクロスさせることにより、どの分野からでも気付きが得られるきっかけになり、そこからヒントを得ていただき、問題のいとぐちを掴んでいただくのが狙いです。

 

 そのあとは、ご自分でお考えになったり、極めて専門的なことは専門家にご相談になることで見通しが立ち、そこから行動されることで道がひらけてゆきます。

 

 気づき、ひらめき、問題点の重要な部分の理解、行動という流れの最初のところが、伝わるように、入り口は資金、税務一般、税務リスク、税務手続、税務調査、マーケテイング、会計、経営、金融、相続、承継、生命保険、債権管理、現金、銀行、歴史、新選組、孫子など、広くヒントを得やすいように広げています

 

 広く浅いところから、目の前に見えていない(潜在している)問題を未然に、その問題が大きくならないうちに察知される時にお役に立つことを目指してきました。

 

 時代の変化が激しいこの時代に、変化についてゆくためには、短い説明が大事です、長ったらしいのは避けました。そして組み合わせでひらめきを得られるようにしています。

 

特に大事と思うことは、

 自分の力量が十分ではないのに分不相応の「目標」とやらを設定して、従業員や取引先を巻き込んで滅亡してゆくパターンが増えています。この傾向はもっと強まるでしょう。

 

 バーチャルリアリテイの時代であっても、物事の中心である自己を知ろうともせず、無責任な、或いは利害が反する相手のキケンな「アドバイス」に乗せられて沈んでゆくことが多くなります。これまでは平和なモノがあふれる良い時代でした。その分、警戒と予測を怠り高慢になってはイケマセン。

 

 人の意見を聞かない今どきですから、説教じみたことは言わないで、気づいていただければ良いと思い、その糧を連載しています。危機を回避して致命傷にならないためには知識が必要です。この点でもお役に立てればと考えます。経験だけでは乗り切れないのです。

第85回 危機管理     危機管理について・・PartⅡ 自分を見ることと、経営知識  (危機管理:一般)

2017年9月25日

 前回の続きです。前回のまとめをさせていただきます。自分の力量を知らずに、周りのおだてに乗ってチカラ以上のことに走り、破滅への道を行かないように、との警告でした。おだてる人の心の底に、あなたは何を見ますか?

 

 おだてる人の心の底は「人の不幸は蜜の味」であると思うことです。日本の社会はハッキリ言って陰湿です。いじめも同じたぐいです。自分が浮かばれないゆえ、人の足を引っ張る、人を貶めて、そのすきに自分が浮かび上がることを考えがちです。

 

 経営者はそれに乗ってはイケマセン。現代人は人の目を気にし過ぎです。ですから、きょきょろ周りばかり見ています。犬でさえも予防注射の順番を待つ間、回りのことを気にしません。どの犬も泰然としています。逆に、病院の待合室で見る人たちは、自分より病状が重くて困難な人を必死に探しています。そのためにみんなキョロキョロしています。

 

 自分が困難に直面していて空虚ですから、それとともに人の承認(OK!)を強く、強く求めます。コップを思ってください。自己肯定感が十分な人のコップは、中の水があふれていますが、そうでない人のコップはせいぜい半分くらいしか水が入っていません。空いた部分は他人からの承認を求めます。「いいね」など。

 

 孤独のなかでもTOPに立ち、人の協力を求めて経営を進める経営者が、他人の承認を求めていたらどうなるでしょうか。付け入ってくる人間が入りこみます。うわべは社長に良いことばかり言います。しかしその心底を見ましょう。表、裏、裏の表、裏の裏の最後のステージを見なければなりません。

 

 細かいことですが、人の話を聞かないで(こちらが話すセンテンスが終わらないのに、おっかぶせるように口を開く人には注意しなければなりません。相手には余裕がないのです。自分が崖っぷちにいることが、ご自分でよくわかっています。だから人の話を最後まで聞けないのです。

 

 このような相手にはどうすれば良いのでしょうか。こうします。反応しないのです。対話で、相手が突っ込んできたら(釣られて)すぐ返答しないことです。一拍置いて、その間に沈黙の時を置きましょう。迂闊に答えてはなりません。こんな人ほど聞いたことを後々まで繰り返しネチネチと「あの時はこう言った」と恰も証拠を掴んだかのように言い張ります。そのくせ、こちらが相手の言ったことを「あなたはこう言ったではないですか」と反撃しますと、そんなこと言いました?言ってませんョ、と返してきます。

 

 経営者はこのように、人間というむつかしい生き物を相手にして利益を上げてゆかなくてはなりません。その場合、何をよりどころにすれば良いのでしょうか。その答えが医者になることです。客観的に感情移入しないで、距離を置いて(病気を治すために)正確な処方箋を出せることに意識の中心を置きましょう。そうすれば何を、どうすればよいか、を見つけるために、あなたの精神と肉体のすべてを集中しますから、迷いや悩みは縁のないものになります。

 

 その時、あなたは何に意識を向かわせればいいのでしょうか。表題の通り二つあります。自己の心と、経営上の課題の発見です。後者には「知識」が必須です

第86回 危機管理  危機管理について・・PartⅢ 自分を見ることと、経営知識   (危機管理:一般)

2017年9月26日

 自分を見るとは、どういうことなのでしょうか。それは自己の内面に入って、自分の心の動きを見ることです。現代では自己の外側を見ることに熱心です。その中には、自分が他人からどのように評価されているか、も個含みます。

 

 街に出れば歩きながらスマホを見ている人が多いです。外の情報を取ることばかりで、自分の内部の情報を知ることはしないようです、普通は。でも外の情報を山ほどとっても、自分の心に火がついて肝心の「行動」を起こすことにはなりません。

 

 他方、いくら自己の内面を見ていても、内面だけでは、経営上の「一大事」が起こりつつある場合や、病気のように深く静かに、一大事が進行しているのを察知することは出来ません。

 

 そのためには、知識が必要です。医学の話になりますが、江戸時代にも武士階級や農に区分される庄屋や名主、工に属する職人の棟梁、商人の中でも大店の主人は等しく書籍などで医学の知識を蓄えていたから、寿命が長かった、という話があります。

 いくら健康について、意識だけで注意していても、知識を持ち合わせなければ、気づきだけで終わり、具体的な養生をどうすればよいかについては分からないままです。

 

 現代に経営をする人たちも、自社で起こることにつぃて、意識を集中するだけでは感に頼ることになり「カン違い」になりかねません。適切な処方箋は書けません。行動にも繋がりません。

 

 逆に大学院などで経営学を専攻したとして知識に自信がいっぱいある人で現場を知らず、苦悩するような経営課題や、前門の虎、後門の狼、などの進退窮まる体験がない場合は現場のカンが働くことはありません。残念ながら、アタマだけで行動にはゆかないことになります。

 

 「感じること」と「経営知識」の両方が必要なのです。広い知識が経糸と横糸のように絡み合っった上に、自分の内面からのうねりが「行動」に繋がります。スマホからはこれらのどちらも引き出されてはきません。

第87回 危機管理  危機管理について・・比べることに巻き込まれない  (危機管理:一般)

2017年9月27日

 他人の目を意識して、比べることや、比べられることに無意識のうちになってゆきかねません。広くない国土に人が多くいて、情報が発達していますから、とても無人の野を行くようにはいきませんが、比べたり比べられることに神経を使いますと、肝心のことにつぎ込むエネルギーが乏しくなります。

 

 人の目や比べられることが障害になって混乱することがあります。気持ちがかき回されるからです。

その昔、こんなことがありました。犬を散歩させていました。私が飼っていた犬は白い雑種でした。道で名のある洋犬を連れた奥様やお嬢様に出会います。あるとき、うちの犬が、連れられた犬から吠えかけられました。こちらは、ロープを引いたのですが相手の犬はなおかかってきます。

 

 甘やかされた犬と見えて、なかなか収まりません。苦情を飼い主に伝えたところ、腹が立ったのかすれ違いざまに「なんやこんな雑種の犬、、」と聞こえよがしに言い捨てて行ってしまいました。私もムカッとしたのですが、私の犬を見ますと「ナニ言いヨンねん、、」とばかり泰然としています。

 

 人間は自分の犬を揶揄されますと、嫌な気がしますが、犬はそんなこと気にしません

たまたま米国で会計の研修があったとき、先生は「交渉などで、相手の言うことで混乱させられたら,犬になりなさい(like a DOG!)」とアドバイスします。犬を例にして周りに振り回されないようにしなさいとの意味です。

 

 却って情報を多く取り込むことのできる人間という存在は、それゆえに疲れるのかもしれません。

第88回 危機管理  税務が教える会社の危機      (危機管理:税務)

2017年9月28日

 税務を仕切る税法は、経営される立場から見られますと、所詮は税金の計算のための法律であると見えるかもしれません。しかし、税法には、納税者である会社に起こるほとんどの事柄が、条文のなかに規定されていますので、見方を変えますと、普通は「想定外」と思われることが、そこには想定されています。

 

 したがってその想定が意図する状況をしっかりと掴んでおくことは指針を定める際に、非常に役立ちます。しかも条文の規定を縦だけではなく、横にもみることで、どのような場合になれば、その次に、どうなる、ということが予見できるようになります

 

 このようにしてゆきますと、税法を単に税金の計算という、ある意味では無味乾燥なものではなく、わが社のストーリーを立てる際の指針として利用することができます

 

 初めは、大きな要点の解説から始まり、全体をぐるぐる循環するうちに、少しづつ詳細なところに入り込み、具体例でシミュレーションができますと経営者としての税のセンスが身につくのではないかと思います。

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