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しなやかな会社づくりー企業家と経理

第137回 一歩先を拓くために         敵を知り己を知る⑤ まとめ その3

2017年12月11日

 「まとめ」が続きますが、復習を兼ねますので、少し御辛抱ください。

現代は、流れが速いので落ち着きがなくなり、早く結果を出さなければならない、との思いに誰もが傾きがちです。大量生産の場合は投資の額も巨大です。大量消費が相手ですから、結果を早く出すことは必要でしょう。TVコマーシャルなどを動員してラッシュをかけています。

 

 しかし中小企業の場合は逆の道が良いと考えます。狭い市場に、顔が見える顧客にが相手ですから急ぐことは禁物です。粘り強く確実にレピート客になってくれるまでトコトン付き合うことが必要です。

 

 ここで「安易な自己修正」に気をつけなければなりません。少しうまくゆかなかったからといって、対症療法をするように、することを変えていませんか。これをしますと一貫性がなくなり、顧客である相手からは、されてることが良くわからないことになります。

 

 中小企業が、資金を使って大手広告に出したりすることも焦りの場合が多いものです。大量生産・大量販売はしないのですから、確実な範囲までの対話型のSNSや、いっそのこと口コミでも同じ結果かもしれません。

 

 失敗した場合でも、失敗を認めないため「安易な自己修正」をされることで、お茶を濁される場合が多いです。

「大きな強い叱責」でカミナリを落してくれる人が居れば良いのですが、今どきはそのような人は殆どいません。

この時に一番役に立つのは「数字」です。正直な結果を示す数字を謙虚に受け止めましょう。この意味からも数字の改竄は罪深いです。事実を示す数字を勝手に都合よく変えることは、自らの手で、前進の道を塞ぐことになります。

 

 大会社に、この件での報道が相次いでいます。組織風土が病にかかっているのでしょう。官僚経営という。中小零細企業や起業したばかりのベンチャーと全く風土が異なります。

 

 巨大企業は、それなりに、いろいろ難しい問題があるようです。「そうした既存の会社に若者が入社すれば、忠誠心のある兵士になり、昇進で頭がいっぱいになってしまう。」(<それゆえ日本人の若者に企業家精神をもつ人がまだ少ない:執筆者要約>と先生は記されています。コトラー「マーケテイングの未来と日本」216~7頁 終章:1社に1生を捧げる生き方の終焉<鳥山正博監訳・解説、大野和基訳 KADOKAWA刊、2017.3>)

 

 そして大きいところほど早く結果を出すために急ぐ反面、うまくゆかなかった場合には、転身することも困難です。中小は、これまで書きましたようにゆっくりで良いのですが、うまくゆかない場合にはすぐ転進できます。

 

大きな船は回りにくいですが、小さな舟はすぐできます。

第138回 息抜きしましょう: 一歩先を拓くために  小テーマの変更を前にして、その1

2017年12月12日

(訪問者:アニマルさん):こんにちわ、お久しぶりです。

  <*なぜこの人がアニマルかといいますと、この人はマニュアル人間で、なんでもマニュアルでは、マニュアルの表現では

  が口癖で、しかもマニュアルをアニマルと言ってしまったために、木村からアニマル出羽守とあだ名されました。正式には

  兄丸出羽守といいます。>

 

兄丸(以下、ア):コンニチワ、この前はごちそうさまでした。あそこの中華料理ホンマに美味しかったです。おおきに。

キムラ(以下 キ):ところで今日は何の用ですか。

 

ア:いや、別にないのですけれど、近所に来ましたので。

キ:ホンマかいな?何も出えへんで。まあ水でもどうぞ。

 

ア:(無言)

キ:今年も年の瀬やなあ、来年はどうなると思う?キミは。

 

ア:なにか良くなるような「感じ」がしないのです。街でもみんなコワイ顔してはるし。少し不気味。

キ:確かにそうやけれど、人間は弱気になったらアカンで。まして経営に当たってるもんは危機こそチャンスと思って、このブログの今のタイトルのように「一歩先を拓くために」気で負けんように、小さくてもいいから「挑戦」せんとな。

 

ア:実は私の会社決算締めたら赤字でしてん。

キ:それで元気なかったんかい、しょうもない奴やな。おまえ、自分を責めてんのか?

 

ア:あたりです。

キ:アホ、たとえ1年くらいの結果が負け(赤字)でも、社長は自分を責めてはいかんよ。もちろん他人を責めてもイカン。

 

ア:ではどうすれば良いのですかァ?

キ:赤字は全部あんたの責任や。でもな、これでオシマイやないよ。次期があるやないか。お前みたいに落ち込んでたら、風が吹けば桶屋が儲かるのストーリの現代版で、心療内科の先生が大忙しになる、なってる。それも良いかもしれんな、一度病院へ行ってみたら。

 

ア:嫌ですよ。そんなとこへ行くのは。

キ:ならどうする。

 

ア:それが分かればアニキのとこへ来ませんがな。

キ:あほ、人たよるな自分で乗り越えんかい、死んだつもりになって。私なんかGOLF場で何回も行き詰まってどうしようもなくなっっても、死んだ気になって頑張ったで。

 

ア:それでどうなりました。

キ:アカン、ますます力入ってしもうて、OB,OB連続や。でもギブアップせんかったでぇ。その日のGOLF場からの帰りしなに練習場に行って復習したんや。悔しいからね。

 

ア:なんか話が逸れていませんか。アニキ。

キ:逸れてへん。挑戦の努力をせんとアカンということや。華僑の人たちは「すべてはプロセス」と考えて、常に前を見てはる。参考にしたら。

 

ア:分かりました。

キ:ホンマに?よっしや今日はデロンギでキリマンジャロの豆を使ってコーヒイ淹れたろか、それとも冷蔵庫に「銀河高原ビール ヴァイツエン、生きてる酵母入り」が入ってる。どっちにする?

 

ア:もちろん両方ともいただきまーす。元気出てきましたヮ。

キ:お前らしいのう、厚かましいとこは褒めてあげます。ではでは、待ってってや、用意するから。

第139回 息抜きしましょう: 一歩先を拓くために  小テーマの変更を前にして、その2

2017年12月13日

ア:このビール美味しいですね。キリマンジャロもほんとに美味しい。

キ:自分はビールはこれしか飲まん、コーヒーはキリマンだけや。下の中華屋さんへ昼ご飯に行ったら毎回「五目ラーメンとご飯」や。店の大将も奥さんも、またきた、いう感じやね。

 

ア:同じものようく飽きませんね。

キ:単一性の原則や。そんなことより君の会社の赤字の原因はなんやと思う?

 

ア:それがようわかりませんのや。

キ:赤字で落ち込む前にすることがあるでしょ。冷静に数字から原因を考えないと。

 

ア:どこを糸口にして考えたら良いのかが分かりません。

キ:赤字ということやから、売上のことより、粗利益と販管費を較べてみたら。その時に粗利益の額、粗利益の率も前期のと比べてみて、上がったか、下がったか、また前年と比べてどうか、を比較してみたら。

 

ア:ハイ。

キ:設備投資はしたのかね。

 

ア:前期は特にしていません。

キ:だったら粗利の額と率に原因があるかも。主要な商品の価格変更や大幅値引き、在庫処分などはあったか?

 

ア:それらは、ありません。

キ:では販管費の内容で気になることは。

 

ア:実は広告費にお金使いました。SEO(Search Engine Optimization)を知ってPV(page View閲覧回数)を把握しようと思ってかなりお金を使いました。

キ:それやね、原因の一つは。SEOでPVを知ることは大事なことですよ、特にこれからは。でもWebで広告する射程を考えんと、、、きりないよ。

 

ア:どうしたらいいですか。

キ:ROI(Return on Investment)をチェックすることやね。プロジェクトの広告費用も含めた投資額を分母にして、広告した商品の売上(成果)を分子にして率を見はったらどうですか。

 

ア:他にないですか・

キ:売上高も気になる。売上高は分解したら顧客数×単価やろ、特に顧客数の伸びを見てみれば。とにかく零細企業は狭く深くデータをしらべて大きすぎるCOSTを押さえんと。

 

ア:集中ですね。

キ:そう。孫子で言えば「積水を深い渓に落とす」ような集中が大事では?中小零細であるから却って対象も集中できると思うョ。

それと集中するには資金エンジン、会計エンジン、税務エンジンの援護射撃が必要よ。

 

ア:その3つのエンジンのこと教えてください。

第140回 一歩先を拓くために        積水を深い渓に落とす威力を①   問題発見と集中

2017年12月14日

 積水を深い渓に落とすとは孫子の形篇 第4で「積水を千仞(せんじん)の谿に決する」と書かれています。解説を引用しますと「自軍の主力を決勝点において、あたかも満々たるダムの水を深い谷に切って落とすような威力を以って戦わすことができるのは、そのような形、態勢、組織を、タイミングよく作るからである」と。(武岡淳彦「新釈孫子」176頁 PHP2000.6.15)

 

 勝負しなければならない時に、ポイントに集中的にしかも組織的に、パワーを集中することを言っています。パワーとは人や資金を意味しますし、その前に情報をしっかり取って、ぶれないポイントを狙わなければなりません。

 

 ポイントがズレていますとカラ舞いになり、何の効果もないうえコストだけがかかる結果になります。

別に大げさなことではなく、この言葉が意味することは「一歩先を拓くために」どんな場合でも、個人でも応用できます。

 

 カラ舞いにならないためには、まず問題発見が重要です。このために自社の会計数字から問題を発見します。その次には、問題を解決するための「外科手術」をしなければなりません。

 

 流れとしては、問題発見→解決法を考える→社内でその問題を共有し→比較検討の上、外科手術の実行手順を決めなければなりません。このプロセスが非常に大事で、社長が独演して突っ走ることは戒めなければなりません。それと「外科」がポイントです。大ナタを振るわないと変わりません。

 

 例としてはバズセッションといい、小グループに分かれて自由に話し合います。次に各小グループの代表が(代表は必ず小グループ内で決めてもらいます)全員の前で話し合った内容を発表します。各グループごとに順にこれを行い、全体に広めます。最後に社長がまとめます。

 

 以上が問題を知るチェックとプランの段階です。実行した結果を必ずプランと比べるとともに、全社で公表します。成功の場合も、失敗の場合も社長が「表彰」します。失敗の表彰は、会議の場が暗くならないためです。失敗しても次へのモチベーションに繋がります。

第141回 一歩先を拓くために       積水を深い渓に落とす威力を②   問題発見と集中

2017年12月15日

 念を押しておきたい点が2点あります。

一つは、外科手術であることです。チマチマした小さい改良をしているうちに、どうしようもない状態にまで悪くなり手遅れになりかねません。

 

 以前書きました「本能による自己修正」が決していい結果にならないのと同じです。大きく手を加えることが良いのです。会社を生き残らせようとすれば危険を伴うことをしなければなりません。日本人は、和をもって貴しとなす良い点がありますが、改革をすることは苦手なように感じます。

 

 ですから、この危険を伴う決断は社長しかできません。細部は皆さんに論じて詰めてもらったら良いのです。

次に二つ目ですがCheck,Plan,Doの各段階では、社長は肯定的な態度に終始しましょう。

 

 誰も君たちの邪魔はしないよ、君たちならできる、とのエネルギーを送り続けましょう。何故でしょうか、それはすることが危険を伴うほどのことなのですから、細かいことで争いが起きないようにするためです。

 

 どうでも良いことの場合は、細かい点でいさかいが起きやすいです。その逆のことをしようとするのですから、辛辣な雰囲気は最悪です。

 

 失敗賞のことを書きましたが、大失敗賞でも良いのです。

要するに失敗しても良い、とのおおらかさから、枠を超えたパワーが出るのです。小さいことにこだわることが大事な時もあるかもしれませんが、一歩先を全社で拓くには、細かいことを言わないことです。

第142回 一歩先を拓くために       積水を深い渓に落とす威力を③  三つのエンジン

2017年12月18日

 三つのエンジンとは、資金エンジン、会計エンジン、税務エンジンのことを言います。積水を深い谷に落とすように、大きなパワーで強力に進めるには大事なポイントがあります。

 

 一つは、目標を誤らないことです。良い会社にしてゆくに際し、手を付けるポイントを誤った上に、大きな力を用いても、ポイントが間違っていたらカラ舞いになるだけではなく、コストも無駄になり、強力に推進するほどに失うものも大きくなります。

 

 二つ目は、中途半端を避けるため徹底的にやり抜く覚悟が必要です。一つ目と、二つ目は関連しています。目標がハッキリするほどに徹底的にやり抜く気合が入ってきます。

 

 目標が決まって、気合が充満しても、先だつものがなければ実際には変革はできません。徹底させるにもいくらの資金を用意しなければならないかが分からないと、一つ目と二つ目の決心も腰くだけになります。

 

 このように目標、気合、資金はすべてが必要であり、一つでも欠けますと絵に描いた餅になります。

目標を見定めるには会計の力が必要で、気合を落とさないで推進するには資金の力が必要です。この資金の力を後押しするには税務のパワーがいります。税務は分かりにくいので敬遠する経営者が多いですが、複雑なゆえに活用すれば役に立ちます。

 

 会計を分析して:顧客が繰り返し来てくれる「本当の顧客」になるようにしなければなりません。また結果と目標を較べて、次の計数を組上げることが必要です。

 

 資金エンジンと税務エンジンで具体的な資金作りの青写真を作ります。

以上のような流れで、実際の問題にあたる事例を見てゆきます。

第143回 一歩先を拓くために       積水を深い渓に落とす威力を④   会計のエンジン

2017年12月19日

 大事なことは目標をどこに定めるかです。

とんがった角のある会社に向かって日々生まれ変わるように歩んでゆかなくてはなりません。普通にしていては生存すら困難になってゆきます。

 

 資金があるといっても、ただあるだけではなく、必要な時には、矢を連続して放つように資金を投入できることが重要です。積水を深い谷に落とすようにです。

 

 資金があっても何に使ったら良いのかわからない、のは最悪です。下手なことに手を出すことになりかねません。資金が競争を打ち破る効果を導く役目をさせなければなりません。

 

 資金量が重要ではなく、使う目的が定まっているかです。我国では、キョキョロと右左を見て自分の立場を守ることに意識が行きがちです。自分独自のことを集中して貫く人は少数派であると思います。

 

 このような空気の中で自社のターゲットを決めることが実は大変なのです。そのためには説得力がある理由がなければなりません。

今のままでいつまでやってゆけるのか、今の収益力で何年にわたって経営を維持できるのか、会計数字を基に冷静に考えなければなりません

 

 これを怠る社長では、先への絵は描けません。目算して見えてくる現実を直視しましょう。会計数字以外に、従業員には十分な給与の待遇ができているか、性格も、地頭も良い人材が来ているか、育成にどれだけ時間と費用をかけているのか、従業員の何割が家を建てましたか。家を建てることは夢でもあるのです。それがかなう気持ちにすら従業員がなれないのなら、貴社も、その従業員さんも長くは続かないと思わなければなりません。家を買う(持ち家が希望ならですが)頭金くらいは貸付ける余裕がありますか。

 

 これらのことが実際にできるのか、いつになれば可能なのかが見えるために会計の数字を用います。税金の計算のために会計をするだけでは勿体ないです。夢を現実にすることの道具が会計なのです。

第144回 一歩先を拓くために       積水を深い渓に落とす威力を⑤   会計のエンジン

2017年12月20日

 何を見るかのポイントは3つあります。

社内で起こっている現象を見て(感じて)、自社の決算書をみて(理解して)、自分のアタマで考えることの3つです。

 

 ここでは二つ目の、自社の決算書を見ることについて述べます。わからないとあきらめないで、自分の会社の決算書を見ましょう。どこが分からないのかが分かれば進歩です。わからないことをノートにでも書いて、またわからない点をノートに書き足します。このノートに書いてあることを頭でクルクル回しますと、それが重なってきて、重複した部分がそぎ落とされて本当に重要な点が見えてきます。自分との対決です。繰り返ししてみましょう。

 

 コンサルタント会社に自社の財務分析を高いお金を払って頼むことは、ご自分に自信のない証拠です。コンサルタント会社だけではありません。会計事務所も所詮は他人です。お仕着せの説明で済まされては、せっかくの資金が勿体ないだけではなく、真剣に問題点をえぐっていないことの方が多いのです。

 

 他人であるコンサル会社や、会計事務所、銀行さんの言われることを鵜呑みにして、それに乗っているだけでは的を外す可能性があります。他人の意見をお聞きになることは悪いことではないのですが、その前に、社長が自分でハッキリと問題を掴まないといけません。他人の意見をお聞きになるのはそれからあとです。

 

 自己流で良いですから基本の考え方を繰り返し身につけてゆくしかありません。社長はその会社のビジネスをされてるのですから、決算書の中味は社長がしたことです。わからないはずはないのです。逃げてはイケマセン。大学で会計学を学ばなかったからなどは関係ありません。実践されたことほど強いのです。

 

 でも何から見てゆけばよいのかが分からない場合にヒントを差上げます。

自社の地図を作る目的で会計数字を見ましょう。どんな地図かと申しますと「自社の危険個所」を示す地図です。これこそ社長以外に作れません。数字はその裏ずけになってくれます。

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