税務会計 フォアユー パートナーズ Do-ing

しなやかな会社づくりー企業家と経理

第169回 息抜きしましょう     大学入試で思うこと    (番外:よもやま話)         

2018年2月5日

(訪問者:アニマルさん):こんにちわ、お久しぶりです。

  <*なぜこの人がアニマルかといいますと、この人はマニュアル人間で、なんでもマニュアルでは、マニュアルの表現では

  が口癖で、しかもマニュアルをアニマルと言ってしまったために、木村からアニマル出羽守とあだ名されました。正式には

  兄丸出羽守といいます。>

 

キ(木村):久しぶりね、何か月ぶりかね?

兄:昨年の11月半ば以来ですから、二月ぶりですね。忙しいですか?

 

キ:仕事の対象を絞ることを考えているので、それなりに忙しいね。拡大するより収縮するほうがエネルギーが要るみたい。

兄:でも何で、兄貴は収縮してゆくんですか、依頼も多いのに。

 

キ:じっくりと丁寧な仕事をしようと思ったら、相手さんを選ばせてもらうことをせざるを得んのや。いまの日本の流れは自分のアタマで考える風潮ではなくなってきたから、これまでと同じようにしていたらどんどん、もたれてくる傾向なので、特化しないと振り回されかねんからね。

 

兄:なるほど。自分のアタマで、ということで思い出したんですけれど一流の国立大の入学試験で出題ミスが続いていますね。物理の問題でしたけれど、答えがハッキリしないほど高度な問題を出さないと点差が使いないということですか?

キ:どうやろ。でもそれほど高度な試験で選抜して、後の伸びしろはどうなのかなー。確かに困難な試験を突破した人のそれまでの努力、気迫、頭脳は相当のもので尊敬に値すると思う。しかしむつかしい試験に合格してからが本当の努力と思うけれど、わが国は官尊民卑で国立大学に入っただけでステイタスが得られるところが盲点では?

 

兄:といいますと?

キ:昔の話になるけれど陸軍大学や海軍大学の入学試験は東大や京大よりはるかに難しいと言われていた。しかもそこを優秀な成績で出た人物は大将や司令官になるのだが、戦争になって立派な戦争指導をしたのか、事実は逆やね。

兄:そうですね、ノモンハンから始まって、ミッドウエー、ガダルカナル、インパールと惨敗続きですね。

 

キ:ノモンハンは惨敗ではないという検証が最近されつつありけれど、仰る通りやね。

兄:むしろ陸軍大学校や海軍大学校などがなかった日清、日露戦争の司令官は立派な結果を出していますね。

第170回 息抜きしましょう     大学入試で思うこと 2   (番外:よもやま話)         

2018年2月6日

<前号から続く>

キ:ソコよ、日清、日露戦争のころは、士官学校の卒業生はまだTopに行く年齢ではなく、指導層は幕末に刀二本差して、京都で新選組に追われていたような人たちよ。学校出てないけれど戊辰戦争の実戦をくぐってこられた。現場を踏んでるほど強いものはないからな。有名な大山巌は薩摩だが、立見尚文という軍司令官は佐幕の桑名藩の剣豪でした。

 

兄:学校秀才が軍部の指導層になってからおかしなったのですね。

キ:ひどいのは部下の兵隊を大勢死なして、自分は戦後生き残って回顧録を書いたり、部下の葬式に出てきて、自分に責任はないということを書いた冊子を配った人もいた。

 

兄:秀才のTopは怖いですね。

キ:逆に学校の成績はもう一つだけれど立派な戦績を残した人物もいる。

 

兄:どんな人ですか。

キ:戦争末期にアリューシャン列島のキスカ島から守備隊全員5,200人をアメリカ海軍の裏をかいて沈着な作戦で救出した人や。全員撤収にわずか55分で完了している。だけれど犬3頭は置いてきた。但し米軍がもぬけの殻の島に上陸して犬たちは保護されたが、大艦隊で迫った米海軍は犬3頭捕獲作戦やと揶揄されたそうな。

 そのまえに隣のアッツ島に米軍が襲来して初めての玉砕があったので救出は重要な作戦だった。

 

兄:その人はどんな人で成績はどれくらいでした?

キ:木村昌福(きむら まさとみ)という海軍少将です。

 

兄:誰かと、よく似た名前ですね。ご親戚ですかァ。

キ:No、このかたは静岡県出身で、私は富山県なので関係はないョ。

 

兄:成績は?

キ:海軍兵学校118人中の107番だったそうです。この席次で、卒業時の序列がずっと影響する軍部の硬直人事のもとでも艦長になられた。しかし硬直人事は今でもあるのと違うの?

第171回 息抜きしましょう    大学入試で思うこと 3  (番外:よもやま話)         

2018年2月7日

<前号から続く>

 

キ:軍人はココという時に大きなリスクのもとで戦勝を勝ち取らなければなりません。木村少将は一例で、この人に関しては何冊かの本が出ています。

 この人の上司でキスカの作戦を指導した司令官の樋口季一郎というかたも官僚的ではない人でした。

 

兄:どんなところが?

キ:上からの指示に従わず、自分の正しいと思うことを貫いた。2点が有名です。

 一つは、ハルピン特務機関長のときに、満州国外務省がうろたえる中、ナチスの迫害からシベリヤ経由で逃れてきたユダヤ人の難民集団をオトポールというところで保護したこと。あとでヒトラーから抗議された。

 二つ目は、昭和20年8月18日、終戦にもかかわらずソ連軍が千島列島の北端にある占守島に攻撃してきたとき、北方方面軍(札幌)司令官だったが大本営の方針に抗って「自衛のための戦闘」を命じた。ソ連軍はそこで釘ずけにされ大敗した。この英断がなければ多分北海道はソ連に取られ、満州のような略奪、暴行、強制連行が起きたかもしれない。

 

兄:全く知らない話です。

キ:歴史から学ばないと、、樋口という人物について付け加えると、なぜユダヤ人を保護したのか、それは戦前のヨーロッパでは東洋人への人種差別がきつく、日本からの留学生は下宿先も確保できない状態の中で下宿させてくれたのはユダヤ人家庭だけであったらしい。欧州駐在武官としての経験から、このようなユダヤ人への恩義も影響していると思われるのです。

 それと終戦後のことらしいが、息子さんには国立大学より私立大学を勧めたとか。意外な感じですが、上からの指示に従わなかった点を考えると、官僚組織の縛りがない自由さを勧めたようにも取れるのです。

 

兄:なるほど。

キ:入学試験の話やったね。本題に戻るけれど、問題は入学の時より卒業までにどれだけ勉強したか、の点で、成績という形式の部分を追いかけすぎると、自分のアタマで考えることがなくなるように思う。

 

兄:米国の大学は入るより出るほうが大変と聞きましたよ。在学中に独創性が出せるための基礎、基本を猛烈に勉強する。地力をつけないと卒業できないシステムのようですね。

 

キ:日本は出るほうは出やすいから真逆やね。これは卒業という形式を重視するわが国と、形式に内容が伴うことを求められるのとの違いかね。日本は実力より形式、世の中もタテ社会で形式重視やね。

 

兄:大学の入学試験とは別に資格試験は日本とアメリカは違うのですか。

キ:自分が受けた試験しかわからないけれど、日本の税理士試験は落とすための試験でしょう。我々が受けたころの牧歌的な時代と違って最近は受験生が良く勉強するから差をつけるためには高度な問題が出る傾向です。2~3年前の試験問題見てたら実務で私が税理士になって何十年の間に一回もその事例に当たらなかった稀なケースを問う問題が数問出されてた。差をつけるためには仕方がないのかしれないけれど、受けるほうは、基本的な思考を練る問題ではないことまで勉強しなければならないから大変だと思う。

 

兄:いま話題の国立大学の入学試験と似ていますね。

キ:そうかも。他方、米国の公認会計士試験は競争試験ではなく基礎、基本が理解できているかをテストするもので各科目75点取れたら合格させてくれる。合格率も25%くらいで合格には一定の努力は必要だけれど、何回か受験するうちに、自分がどの単元のどの部分が分かっていないかが見えてくるので、集中するポイントもハッキリしてきて、そこができるようになれば確実に合格が見えてくる。

 

兄:出題は誰がするのですか。

キ:税理士試験は大学の先生と実務家と国税庁などの課長クラスの人達ですが、米国は全問を実務家が出します。学者の先生は一切関わりません。実務家が平素の実務をもとに問題を考えて試験委員会に問題として応募し、委員会がこれらを選考して全米統一試験の問題になると聞いたことがあります。実際受けてみてすばらしい問題が多かった。基本的なことをどれだけ深く理解しているかを多角的に聞いてくる。しかも合格後、資格登録の際に「これからがスタートですよ、あなたは入り口に立っただけなので、今後一層の勉強を祈る、Good luck」と念を押される。試験場でも開始の時「Start! Good luck!」で始まった。自分で道を切り開けということでしょう。

 

兄:実務の現場に密着した問題なのですね。

 アッこれはイカン、長居し過ぎました。すみません兄貴。

キ:いいよ、久しぶりで楽しかった。また来てや。風邪ひかんように。

第172回 危機は向こうからやってくる       利益が出たが、資金は増えない、、例題5とヒント(続)

2018年2月8日

 では事例5(利益が出たが、資金は増えない、そこへ税金が来る)のヒントに沿って説明を続けさせていただきます。

ヒントは第5までありました。1月31日にその内容が書かれています。

 

 第2ヒントで決算書には利益が出過ぎているように思われる、場合は会計事務所の担当者に、分かるまで説明してもらいましょう、までは済みました。

 

 これからは第3ヒントと第4ヒントです。この内容は「月次の試算表が会計事務所で作成されているはずのに、社長であるあなたは決算まで見たことがないのは、ご自分のカンに頼りすぎではないかと書きました。

 

 これではいったい何のために会計事務所に依頼しているのかわかりません。月次のデータをよく見られて、ご自分の感覚の裏づけとして翌月上旬には前月の結果を検討することは最低限のことです。

 

 会計事務所が決算まで月次データを報告してこないなら、その会計事務所に月次データを送ってくれるように要求を出さなければいけません。それは事務所の方針なのか、担当者が対応してくれないのかも確かめましょう。事務所は試算表を早く出す方針であるけれど、担当者がしてくれないならば、担当者の変更を求めましょう。それをしてくれないなら、お宅を解約しますよョと暗に伝えることが有効です。

 

 月次報告をクライアントに対して全くしない会計事務所もあります。それがその会計事務所のポリシーであるなら、サッサと会計事務所を変えましょう。顧問料が勿体ないです。

 

 月次にデータが報告されない原因が会計事務所にあるのではなく貴社にあるのでしたら、月次データがすぐできるようにしなくてはなりません。

 

 第4ヒントにて書いてあるように「試算表を会計事務所に丸投げする」状態を改革しましょう。銀行のデータから会計データへ数値を取り込むことや、クレジットの利用明細からも取り込めます。

 

 特に「経理のできる事務員さん」を採用しなくても、アシスタントのような毎日来ない人でも徐々に慣れて行ってもらうことで月次会計データは入手できます。

 

 問題はそれを導いてくれる存在としての会計事務所かどうか、です。この業界のサービス内容のバラツキは多岐にわたります。役に立ってくれない会計事務所と分かっているけれど、断る勇気がないというのでは、経営者として、これからの困難に時代に対応できないかもしれません。

 

 資金がやがて供給が細くなり、利益は今以上に取れなくなる、大きなうねりが来そうですから、なるべく早く指針としての会計データから資金量の見込みを立てられるようにしなければなりません。その上、税負担もキツクなります。

 

会計事務所に試算表を丸投げして、事足りる時代ではありません。それを受ける会計事務所にもやがて淘汰の波がくるでしょう。

第173回 危機は向こうからやってくる        利益・資金・税金   例題5とヒント

2018年2月9日

 では今回は事例5の最終の第5ヒントについてです。利益が出ているのに、資金は増えないで横ばいであること。その上に税金が幾ら掛かって来るのか不安である、というのが悩みでした。

 

 すでに述べましたように損益は期末に突然に結果が出てくるものではなく、月次で把握させるべきであることはご説明しました。

問題は資金の増減と損益の関係が分からない点と、何に税金がかかってくるのか、がお知りになりたいところであると思います。

 

 損益計算書のなかで資金の増減に関係が「ない」項目を押さえましょう。収益項目では(通常は)やがて資金の増加をもたらすものばかりです。特別の動きをするものはありません。次に費用項目を見ましょう。

 

 ア:費用に「減価償却費」がありますがこれは資金の支出を伴いません。なぜなら過去に資金を使って購入された固定資産の摩耗分ですから資金は関係ないのです。

 

 イ:次に「貸倒引当金繰入」という項目がありましたら、これも資金支出とは関係しません。なぜなら売れて入金があるはずのものが貸倒で入金されなくなった備えとして「債権を評価する」役目の科目ですから支出は生じません。

 

以上の他に損益計算書には表示されないけれど、資金の支出を伴うものがあります。

 1・借入金元金の返済→利息は損益計算書に表示されます。

 2・固定資産の購入→購入後は貸借対照表に計上され、摩耗分は一定の計算式で「減価償却費」として計上されます(上に書きま

   したように資金の支出はありません)

 

資金の入金があるもので損益計算書に表示「されない」ものもあります。下のモノが代表例です。

 3・借入をしたので銀行から借入額が入った。 

 4・固定資産を売却したので、売却代金が入金された。

 

以上のことから、簡単な資金の計測法

・損益計算書の「税引前当期損益」+ア+イー1-2+3+4=(税金を考慮しない場合の)資金の増減量、が導かれます。

 

 問題は「税金を考慮する」場合ですが「未払法人税等」「未払消費税」として貸借対照表の負債の部に計上された金額を1の借入返済金と同じように税引前当期損益から差し引けば良いのです。

 

 また今後においてどのくらいの法人税がかかるのかは「税引前利益の35%」を想定されますと「ある程度は」予測できます。実際には厳密な所得計算をしますが、ここは税務のプロの世界ですので深入りは差し控えます。経営者として大要がお分かりになればいいかと思いますので。

第174回 会計と税務は別の世界・・・伸ばす世界と最小限まで下げる世界の違い

2018年2月13日

会計と税務を一諸の器に入れて考えますと小さな枠に入ってしまって、ビジネスの伸びを抑えることになります。

 

どういうことかといいますと、

  税引前利益が 5000万円計上できました。

  法人税等  (   )万円を払うところでは一気に勢いが下に向いてしまいます。仮に税率30%として1500万円が持って行かれることになります。

  税引前利益  5000万円

  法人税等  △1500万円

  税引後利益  3500万円・・・ここに注目することで、経営するヒトの心理には大きな脱力感、虚無感が生じます。

 

 このため決算の都度、納税する良い会社ほどブレーキがかかることになります。「なんぼ頑張ってもこんなものかい、、」という心理です。

 

 ここで考え方を変えて、利益を生むまでのステージと、払う税金をできるだけ少なくするゲームと完全に二つの世界にわけるのです。

 前の部分が→会計の世界です。大きく伸ばしてゆく、制限のない世界

 後の部分が→税務の世界です。少ないほど良い、世界です。しかも良くわからない世界でもあります。

 

 よくわからない暗い世界に関わりすぎて、折角、明るく伸びる事業のアタマを押さえることのないように気持のチャンネルを切り替えるのです。

 

では次回からこのシリーズを始めます。

第175回 会計と税務は別の世界・・・伸ばす世界と最小限まで下げる世界の違い 2

2018年2月14日

 会計と税務は、自動車に例えますと、道なき道をぶっ飛ばして冒険しながら新しい道を作ってゆくのが会計です。税務は道路交通法のようにスピードを押さえなさい、一旦停止しなさい、左右をよく見なさいなどと「法律による干渉」の世界です。法律に抵触しないように進まないといけません。

 

 このように、いわば水と油ですから、思考の中で水と油を一緒にしますと考えが流れて行っていい答えにたどり着くどころか、コテコテになってしまいかねません。

 

 会計も一定のルールに基づいて数字が組み上げられますが、その役目は「鏡」としてビジネスの実態を示すことにあります。ビジネスは探検であり冒険も伴います。動いた結果を見たり、動く前の行動の指針の材料として使います。このため会計には探検や冒険のにおいがつぃて来るものです。それは物語でもあります。この点が税務と異なります。税務は、決められた道を脱輪しないように衝突しないように進む地図ではありますが、大きく伸びる要素やアップダウンはありません。

 

 

チェックする点

□会計データには実際が反映されていますか。操作をしますと実際のカオが見えなくなります。

□顔には笑った顔(利益が出て順調な)と困った顔(欠損で資金にも困っているなど)があります。数字に困った点が出ます。

□笑った顔には油断、慢心が見える場合もあります。

□困った顔には、その困った原因が分かれば、大きく伸びるのが見える場合もあります。

□困った顔が、何年も続くのは社長の心が反映している場合が多いです。

第176回 会計と税務は別の世界・・・伸ばす世界と最小限まで下げる世界の違い 3

2018年2月15日

 会計では「勢い」があることが重要です。枠を破って行けるところまで行く

思いが会計数字に表れているかです。

 

 税務でこの勢いが出ますと脱税につながりかねません。税務の世界で行けるところまで行くことは税法を破ることによってお金を得ようとすることになります。これは逆です。命がけで挑戦する場が違うのです。

 

 会計が赤字でも良いのです。大事なことは只でも起きないこと、誤りを見つけたら2度と同じ誤りはしないで、改める姿勢です。怖いのは一旦、赤字の連続や借金が重なり、落ち込んでしまいますと、元へ戻りにくくなります。蟻地獄に入ってしまうのです。

 

 このようにならない前に、事態を認識して修正すれば良いのですが、会計数字を軽視しますと、この事態に気づかないのです。フィンテック時代が始まり、会計データはかなり容易に取り込んで集計や転記が少なくなり決算書を自動作成できることが宣伝されています。

 

 問題は「集計作業が楽になる」ことが、経営の破綻を回避することとは関係がないのです。いくらデータを取り込んで、それらしい決算書を得ても、経営するヒトがその意味を理解していないのであれば、事態を切り開くことは出来ません。

« 前のページ  14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 次のページ »