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しなやかな会社づくりー企業家と経理

第177回 会計と税務は別の世界・・・伸ばす世界と最小限まで下げる世界の違い 4

2018年2月16日

 経営する人が見逃してはならない会計データのポイント

 

1、毎日が無理でも、1週間ごとに自分のした行動を数字で整理しましょう。どんな集計方法でもよろしい、Fintechをお使いになるもよし。大事なことは日々根気強く、自分の経営した軌跡を掴むことです。

 

 これが案外できない人が多いのです。人任せにしたり、根気が続かなかったりで早い場合には三日坊主になります。そして自分の立ち位置も見えないまま夜道を行くような自信のない気持ちはぬぐえません。こんな人ほど、外見は威勢の良い「フリ」をします。

 

2、出てきた数字を自分の感性でなぞってみましょう。「ん」と思う部分はやり過ごさないようにして、とことんこだわって解明しましょう。

 

大事な点は利益や損益ではありません。

 ・まず在庫の数字です。ここが一番ブレる点です。ここが実態とかけ離れていますとすべてが狂ってきます。

 ・支出した金額が網羅されていますか。

 ・経費は適当な科目に分類しましょう。月々で比較できます。

 ・未払でも請求書が来たものは発生ベースで計上するようにしましょう。支払いを予見できます。

 ・引き渡した売上は売掛金(未収入金でもいいです)として計上しましょう。入金の予測ができます。キャッシュフローが見えて 

  きます。これをしなければ資金の予見ができません。

 

要するに、この狙いは以下の二つです。

 ・事業の実態を映す鏡であること。

 ・仮面をつけないで、操作もしないで、ありのままが反映されること。

 

この段階で、税金がどうなるなどは考えないことです。決算の輪郭が見えてから考えれば良いのです。

第178回 会計と税務は別の世界・・・伸ばす世界と最小限まで下げる世界の違い 5

2018年2月19日

  例えとしてですが、新聞報道は各紙によって取り上げ方が異なります。いまは冬季オリンピックが開催中ですが、開会式に出席した各国に関しての取り上げ方や、取上げるげる角度が異なっています。

 

 事実を報道しているのでしょうが、紙面にも載らない記事が、別の新聞では大きく掲載されています。政治的な立場や考え方や、時には感情によって内容が異なります。新聞は比較できますから、これでも良いのかもしれません。

 

 しかし会計の世界では、その事業のすべてを網羅し、真実に近い内容を維持することが必要です経理責任者が交代する都度、用いる基準が変わったり計上時期が動いたり、資産計上の基準が変わったりして前期との比較もできないことでは、中味に信用がなくなります。

 

 それどころか社長のご意向を忖度して、損益の計上を変えてしまっては何のための会計か本末転倒になります。ブレやゆがみが誤った認識になり、度の合わないメガネで見るようになってしまって的確な手を打てないことになります。

 

 ここへ税務の「損得」が入ってきますと、事実や真実より損得が優先されて、数字はいじられまくって何が何だかワカラナイ決算書になりかねません。

 

 税務を介入させないで実態を見ることで資金の動きも予測できます。「いまの残高」なら単なる結果ですから、何も会計がなくても預金残高を見れば誰でも資金のある、ないは分かります。このレベルではなく予見するには実態が反映されたものでないと無理なのです。

 

 資金の予見に加えて資本効率もチェックすることで、次への見通しができるのです。孫子には「計篇第一」に未だ戦わずして「廟算する」との記載があります。このことが有名な「戦わずして勝つ」につながります。予見の的確性が重要なのです。

第179回 会計と税務は別の世界・・・会計の人相

2018年2月20日

 人間に人相があり、見た目が9割とか10割とか言われています。同じように会計にも会計「相」があります。人相のようにその事業体の実態を表しています。

 

 もともと完全な相というものは人間にも会計にもありません。常に変化しています。変化しているものの、人の手でこねられたものには歪みやブレが出てきます。

 

歪みやブレが一番出るのは下の二つです。

・在庫の量と評価額

・売上の計上時期

 

 

 これらが恣意的に動かされますと、数字は歪んでしまいます。在庫が動かされますと、粗利益率が歪み、損益が正しく表示されません。売上の計上が速くなったり遅くなったりしますと、在庫がぶれる可能性が高まります。なぜなら売れたものとそれに対応する仕入れをセットで把握できにくくなるからです。

 

 もっと怖いのは本当に利益ではないのに名目的な利益が生じることで、これが配当や納税のもとになることで異常な資金流出が生じます。

 

 また利益が過大なので、銀行融資が受けやすくなるため借入金が実際以上に負荷がかかり、やがてこれが原因になって、在庫が過大、借入金も過大になってゆきます。

 

筋肉質でない肥満形になり、人相は一見裕福なようでも目に光がないのが特徴でしょう。そして動きが鈍くなります。

→『会計と税の見かた、考え方ーむつかしい時代を乗切るために』に続く

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