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しなやかな会社づくりー企業家と経理

第25回 危機管理    突然、税務署が来た-PartⅡ (危機管理:税務調査)

2017年7月8日

突然に「税務署が来る」の3つのケースのうち、残り二つについてみてゆきます。

 

2、反面調査に来た

 事前通知が必要なのは「納税義務者」だけです。取引の相手先は納税義務者に入りません(国税通則法74条の9、③1)ので事前通知は不要になっています。したがって、いきなり来ることは違法ではないのです。

 

 しかし国税庁の「事務運営方針」の(6)で「事前連絡の適否を十分検討する」とされています(事前連絡で事前通知とは書かれていません、通知は厳格なのです)。国税庁の問答集でも「(事前通知をしなければならない)法令上の規定はありませんが、運用上、原則として、あらかじめその対象者の方へ連絡を行う」と回答されています。 

 

 更に、取引先には反面調査であることを明示して調査を実施することに留意しなさいと、事務運営方針の(注)で税務署員に対し念を押しています。納税義務者が受ける調査に比べてソフトです。日程なども合わない場合は変更を伝えましょう。

 

 これは法人税や所得税だけではなく相続税や贈与税の場合も当てはまります。相続税の場合は、納税義務のある者などに対し「債権や債務のある者や、財産を譲渡した者」は反面調査の対象です。

 

3、消費税や源泉税の納付が遅れた場合

 これは所得の調査ではなく徴収のためです。もっとも国税徴収法という法律があって滞納処分のための調査は行われますが、ここで挙げたのはそのもっと前の段階のことです。担当者の方の身分証明書を確認し、先方の未納の数字をよく確かめましょう。納めたはず、の場合は根拠を示して説明しましよう。滞納になった理由も説明します。

 

 いずれにしても感情的な態度は避けるべきで、忌避や妨害はよろしくないことは前回と同じです。国会議員の程度が悪いことや、地方議員の政務活動費の不正報道で税金に悪感情を持ちがちですが、税を喰う人と徴税が役目の人とは全く別ですので冷静な対応が大事です。

第26回 息抜きしましょう                           (番外:よもやま話)

2017年7月10日

アニマルさん:こんにちわ、兄貴!こんど名刺作りましたんや。

キ:(木村):ほう、どんなんや、見せてミイ

   なんやと「兄丸出羽守」やとー!エライ出世したんやなあ。戦国時代の武将みたいやで。

 

兄丸:兄貴がつけてくれはったアニマルを漢字にしましたんや。マニュアルを私がアニマルと言いまちごうてanimalにされてしもうて、そのうえマニュアル「では」と「では」ばかりいうので出羽の守に任命していただきました。ワタシこの名前気に入ってますねん。

 

キ:いままで犬丸さんや猿丸さんは、お会いしたり本や百人一首などで見たことがあるけれど、この名前は一ひねりしてあるうえに愛嬌があるからグッドやで。そうか、そのうち選挙にでも出たらどうや。名前だけでええ線ゆくで。選挙はむつかしいことは抜きにして「愛嬌」と「色気」それとチョットだけの「哀愁」を入れるんや。

 

兄丸:哀愁とはどういうことですか。

 

キ:今は、やたら自分の自慢の点(カオや学歴)を前面に出してワタシは皆さんのために働きます言うて選挙に出はるけれど、議員になってからしてることは自分の売名と政務活動費ゴマ化したりしてカネ集めることだけや。困ってる人に役に立ったり日本の国のために身を捨ててでもやりきることは聞かんからな。黙ってそれをすることが人の心をキューンとさせるんや。

 

兄丸:そのキューンが哀愁ですか。わかりますワ、わたしも心がけます。

 

キ:今の時代は冷たい世の中やからな。電車乗ってもみんなコワイ顔してはる。みんな不満持ちながら頑張ってはるのや。でも世間は冷たいだけではやりきれん。ここでキューンが必要なんや。

 

兄丸:ホンマですね、みんな自分のことだけですね。何ででしようね。

 

キ:前にも言うたやろ、それは徳川家康サンが悪いからや。

 

兄丸:思い出しました。士農工商と5人組ですね。

 

キ:そうや。官僚制を一番上に持ってきて工と商を下にしてビジネス軽視したうえ、密告と連座制の基礎を敷いたからや。いまに至るまで日本はこれが続いてるで。だから自分の意見を言わん。言ったら責任取らないかん。本音が見えんのや。

 

兄丸:今はビジネスがアカンようですね。卸売市場に人が来んらしいですわ。前で売れんから仕入れを絞ってるようです。

 

キ:そうか、これが実態やなあ。兄丸くん、これからもいろいろ教えてな。

 

兄丸:承知しました。お礼はデロンギのコオヒイをいただきます。

第27回 危機管理  突然、税務署が来た                (危機管理:税務調査)

2017年7月11日

あなたがしなければならないことを、ここで整理しましよう。

 

既に述べさせていただいたことですが、

、冷静な態度

、来社した調査官に、事前通知がなく調査(反面調査を除く)に来ることができる5つの要件のどれに該当するのか尋ねる

、急なので、対応できないから日を替えてくださいと申し出る。反面調査の場合も同じ

、調査に協力しないと言っていないことはハッキリ伝える

 

これらの前に大事な点があります。

1、基本は事前通知があります。税理士が代理しておられる場合は税理士に対して通知があります。調査対象者、担当官名、開始日時、調査場所、対象となる税の種類、帳簿などの対象物件です。これがなくて調査が開始押されますと税務署は手続き上の欠陥になります。

 

2、税務署員の身分証明書を必ず確認しましよう。法律で携帯しなければならないこと、関係人の請求があれば提示しなければならない、と定められています。

 

3、税理士に依頼しておられる場合はすぐ連絡しましょう。立ち会ってくれます。

いまほど事前通知が徹底していなかった時代のことでしたが、現金商売の場合は事前通知がないまま調査に来られることが結構ありました。店の方から税務署が来ていると通知があって私はすぐ現場に向かいましたが渋滞で進まないことがありました。

 移動中の私にお店を経由して調査官から連絡があり「店の開店時間が迫っているので、税理士の立会なしのままではあるが、お客さんが入店する前にレジの現金だけでも確認しておきたい(客の前で税務署員がレジを確認していると店の評判に良くないとの配意です)が良いですか、他の調査は先生が来られるまで待ちます」との確認がありました。仰ることは道理であり、もちろん承諾しました。

 

この例のように(例外はあるかもしれませんが)税務署の応対は丁寧です。感情的になることはよくありません

第28回 危機管理     決算賞与の損金算入・・ミスが連動する場合・・・(危機管理:税務リスク)

2017年7月12日

 業績が好調なため決算賞与を出す場合があります。それも期末までに現金で支払う場合は問題は起りにくいのですが、期末(7月末と仮定します)に従業員さんに通知だけして未払計上している場合には翌月1ケ月以内(8月末まで)に支払った場合は、通知した7月31日で終了する事業年度の損金になります。

 

 ところが社内の連携が悪かったのか、経理係では未払費用に計上していなかったのです。当然、支払った8月の損金になり7月で終了する事業年度の損金にはなりませんから多額の法人税や事業税、住民税がかかることになりました。

 

 これだけではありません。従業員さんへの給与や賞与(雇用者給与といいます)が前事業年度より一定額が増加した場合は法人税額から特別控除がされます。このことは法人府県民税や法人市民税の軽減にもつながるところ、これもダメになりました。

 

 未払費用の計上洩れで法人税と事業税が減少するところが、減少しない結果になり、雇用者給与増加があるにも関わらず法人税額の控除がされないため更に法人税が割高になり、法人府民税・法人市民税も割高になってしまいました。

 

一つのミスが波紋のように連鎖する点が税務の怖いところです

第29回 危機管理    連動する場合  贈与税の非課税と所得税の選択   (危機管理:税務リスク)

2017年7月13日

 親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合は500万円から1000万円までの非課税扱いをされる枠があります。ただし贈与を受ける人(受贈者といいます)の所得が2000万円を超えますと、そのような経済力がある人にまで優遇することは格差が広がるため非課税枠は与えられません。

 

 受贈者が上場株式に投資して配当がある場合には総合課税、申告分離、申告不要の3コースから選択します。総合課税には配当控除という税額控除があるため一見有利です。申告分離課税を選択しますと損失が出た場合に3年間、その損失を繰越せますからこれまた魅力があります。申告不要の場合はアッサリしていますが何も特典がありません。

 

 所得税のことだけ考えて選択しがちですが、ここで贈与税の優遇を受けることも視野に入れないと間違いをしてしまいます

申告不要を選択していなかったばかりに所得(正確には合計所得と言いまして、これがなかなかの曲者です)が2000万円を超えてしまった、という例があります。贈与税の非課税措置が受けられないことになります。

 

 奥さんが株の配当所得がある場合、配当所得の選択を誤ったため、控除対象配偶者になれない場合も同じケースです。

線路の切り替えのようにポイントで「選択」を誤らないように、いくつのポイントがあるところにご自分が立っておられるかが見えればいいのですが、実際は税法の改正もあり困難です。

第30回 危機管理       相続時精算課税の改正と申告リスク       (危機管理:税務リスク)

2017年7月14日

 改正されて見落としがちなのが「ビミョー」な改正です。相続税の基礎控除が60%に縮小されたことで注目を集めているのが「相続時精算課税」です。同じ時に以下のようにこの制度は変わっています。

  贈与者:65歳以上の者 → 60歳以上の者

  受贈者:20歳以上の、贈与者の推定相続人 → 20歳以上の、贈与者の推定相続人及び

 

 孫が対象になったことは相続税法には書かれていません。租税特別措置法(70条の2の6)に書かれていますから見落としがちです。ともあれ相続税の基礎控除が縮減された見返りとして相続時精算課税制度での受皿が広げられたわけです。事前に相続対策をすることができやすくなっています。

  

 注意しなければならない点は贈与税の申告をされるときに「相続時精算課税選択届出書」を贈与税申告書に提出することが必須要件ですが、これを忘れられることがあります。この提出がないと相続時精算課税制度の適用は受けられません。

 

 特例や特典は相手方である税務署に必要なことが伝わらなくては適用されません。「相続時精算課税選択届出書」が必要とされているのはこの書類に贈与者との続柄を書くことや、それを証明する戸籍謄本などを添付しなければならないことから考えても当然のことなのです。これらの書類が提出されなければ税務署は特典を与えて良いのかどうか判断できません。悪く言えばだれでも勝手に書いていいとこどりしかねません。

 

制度がおかれている趣旨をチョット考えることで申告リスクは防ぐことができます。

第31回 危機管理          相続税の申告義務の誤りやすい点    (危機管理:税務リスク)

2017年7月15日

 相続税の基礎控除が平成27年以降の相続から少なくなりました。ご自分は相続税の申告が必要なのだろうか、と心配になられる方も多いかもしれません。

 3000万円+法定相続人の数×600万円が基礎控除であることはよく知られています。

 

 こんな例があります。簡単な例にさせていただきあます。

相続財産:4500万円 

   自宅の土地 3000万円・・・・小規模宅地になるので自宅は80%が課税されないと聞いておられた

   自宅家屋   500万円

   預金    1000万円

 

相続人:2人・・・基礎控除は3000万円+600万円×2=4200万円

 

 ここで問題は自宅です。20%だけが課税されると思われ600万円だけと計算されますと相続財産は自宅土地600万円+家屋500万円+預金1000万円=2100万円<基礎控除4200万円なので相続税はかからない、と思われるケースがあります。ここで申告要件を見落としてしまわれるリスクが潜んでします。

 

自宅の土地が80%も課税価格から減額されるためには二つの関門があります。

 

1、遺産分割がされていること。相続人の誰が相続されるのかが決まっていることを言います。

2、申告書を提出し、小規模宅地の特例を受ける旨を申告書に記載し、遺産分割協議書や戸籍の附表など身分関係を示す書類の添付が必須です。

 

 この趣旨は特例を受けることができる事実を税務署へ知らせないと優遇はされないのです。申告することを要件としますので申告要件と通常は言います。

相続税がかからないという(結果)と、そこに至るまでの(手順)は別のことですので、必ず手順や手続きの要件に注意しましよう。

 

引き算だけで手順を踏まないと「税金はかからない」のではなく、かかってきます。

第32回 危機管理     業績が悪くなる会社代表者の共通項        (危機管理:中小企業経営)

2017年7月17日

 その昔、先輩からお聞きしたのがこの5項目です。その後の実務経験を経るほどに本当だなと実感しましたのでご紹介します。

 

・数字が読めない

・社長室がある

・腹心がいない、育っていない

・撤退戦に弱い

・客のところへ行かない

 

説明を加える必要はないと思いますが、更に付け加えますと

 

・感情が理性を上回る

・他人の話を最後まで聞けない

 

が加わります。

 

 最初の5項目はすぐにでも改めることができますが、後の2項目は簡単ではないようです。かなり深いところに原因があり子供の時からの境遇や習慣も遠因と考えられます。

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