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わかりやすい相続税の話—ご心配いりません— 長いあいだ世の中に貢献してこられた貴方に

第1回 新シリーズを始めます

2014年3月20日
新しいシリーズを始めます。このシリーズは副題が示しますように概ね60歳台以上の皆様のために相続税に関してワカリヤスク解説させていただき、読まれた皆さんがご自分の立ち位置が分かられることで相続税に関する心配をなくすることが狙いです。

第2回 内容のアウトライン

2014年3月27日
このシリーズを読まれますと、あなたには相続税がかかるのか、かならないのかがはっきりしてきます。

 相続税が課税されないことがはっきりしたかたは、税のことは気にされないで「相続」のことだけ考えられればいいのです。また相続税か課税されることが想定されるかたは、それなりの準備をされる時間的余裕が必要でしょう。

いずれにしろ平易な表現をすることで、ご理解しやすいように心がけます。
 
今後の内容のアウトラインは下記です。平成2711日から適用されます新しい相続税法をもとにご説明します。
 
・相続税が課税されるということ
・相続税の税務調査
・申告が不完全でも慌てることはありません
・納税のトラブル
 ・物納、延納の話
 ・連帯納付の話
 ・相続財産を譲渡した場合と相続税額
・税額はどういう流れで決まるのか
 ・相続人 ・相続財産 ・国外財産 ・生前贈与
・贈与と相続税
・遺産が未分割の場合の不利な扱い
・仮装隠ぺいと認定された場合に失う立場
・税理士に依頼する場合に気を付ける点

第3回 相続税がかかるということとは

2014年4月5日
 それはあなたと国との税の最終清算です。これまで働いてこられて、給与から源泉所得税を納めたり、確定申告をされて所得税を納めてこられたと思います。すでに会社をご退職されたかたは今は年金の源泉所得税を払っておられると思います。

 このような納税をされた後の資金から生計のための支出をされ、資産を購入されたり、あるいはそれを譲渡されたりして現在まで形成された財産にたいし、国が最終の清算を迫るのが相続税です。それを払う場合には、もはやあなたはこの世におられません。それを払うのはあなたの相続人などです。「など」の部分の意味はあなたから財産を贈与された人で相続人でない方たちを意味します。しばらくはワカリヤスイように「相続人」と表現します。

 ここでは「財産」と「相続人」がキーワードです。相続税ではこの二つが重要なのです。
どれくらいの財産があり、相続人が何人おられるかによって
   ・相続税がかかるのか、かからないのか
   ・相続税の申告が必要なのか、不要なのか  がはっきりします。

 あなたの財産につきどれくらいの金額になるのかを一度リストにされることは有益です。このようなリストを作成される過程で、その財産にいくらの金額をつけたらいいのか、という問題がでてきます。

 預金は比較的簡単です。でも外貨預金をされておられる場合はその通貨の為替の動向によって「金額」は変化します。これが株式になりますと今の株価をつけることになりますが、今後の動きによっては上がるか下がるかいずれかです。土地の場合はもっと分かりにくいです。ゴールドの場合も同様です。ましてあなたの相続の日の価額はどうなってるか分かりませんから今の価額を便宜上使いましょう。

 友人やご親戚に貸された貸付金などは、借主に事情があって弁済してもらえそうにない場合は要注意です。その貸付金は死んだ貸付金になっている場合が案外多いのです。このような場合は財産には含めません。どこまでが財産か、も明確にしてゆく必要があります。

このように「財産」につける「金額」を見てゆかれることでいろいろな発見や気付きが起こってきます。

 相続人も同様です。相続人とは配偶者(奥様あるいは夫)や子供さんが一般的ですが、いろいろなご事情でその範囲は案外広くなります。
 
 配偶者が不在の場合はあなたの親ごさん、場合によっては兄弟姉妹にまで及びます。子供さんが不幸にしてあなたより先に亡くなられておられる場合はお孫さんが相続人になります。

 相続税がかからないか、かるかの基準には、相続人の人数が影響します。
このほか、相続人ではないけれど遺言によってあなたの財産を贈与したいと考えられた場合は、その贈与を受けた人も相続税の納税義務が生じます。

 このように相続税を考えることは、自分がいないものとして、ご自分の努力で勝ち取られた財産やあなたの先祖から承継された財産を、自分以外の人に移すことを考えることにほかなりません。

 そこへ国が課税してきます。全部の財産があなたの自由にならないのです。相続税の納税というかたちで持って行かれます。ですから、どの財産を国に提供し、どの財産を誰に渡すのかが、明らかになりますと全体が見えてきます。そこへ行くにはいろいろな事柄を整理してゆく行程を通らなければなりません。

 今回のポイント:結局モノとヒトで決まるのです。

第4回 相続税がかかるということ-2 モノとヒト

2014年4月10日
 モノとヒトが前回のポイントでした。
もう少しこの2点につき説明を続けます。

 モノとは相続により取得した財産のことですが、これに「相続により取得したものとみなされる財産」が加わります。相続により取得したものとみなされる財産とは、その相続を原因として支払われた生命保険金や死亡退職金のことです。
 このように相続で取得した財産と、取得したと「みなされる財産」の合計を、簡潔に表現するために、これからは取得財産と呼びます。

     相続で取得した財産+取得したとみなされる財産=取得財産
     (預金、不動産など)(生命保険金、死亡退職金)

 ところで、よく世間で聞く話ですが「莫大な財産を引き継いだ」という場合に、普通は莫大な財産=すべてがプラスの財産と思いがちですが実はマイナスの「莫大な財産」であったというオチがつく話があります。
 マイナスの財産は、相続税の世界ではどうなるのでしょうか。マイナス部分を債務と呼び取得財産から控除されます。

 相続税がかかるのかどうかを考えるときのモノがどれくらいになるのかを把握する道行きで、もう一つ考慮しなければならない点があります。相続開始前3年以内に贈与された財産も相続税の課税対象に加わります。なぜ3年以内なのか、2年や5年でなのはなぜか、との疑問がおこるかもしれませんが、ここは法律で決まっているので割り切ってください。ヒトは亡くなる3年位前に死期を知り、それゆえに贈与する、と考えられるとわかりやすいのではないかと思います。

 以上をまとめますと相続により取得した財産の姿が見えてきます。何に課税されるのか、いつ頃に動かした財産がターゲットになるのかがわかれば、あなたが、これからどのように行動すれば良いのかも少しずつ見てきます。

その財産をこれからは課税価格と表現します。(なお、実際はここで「相続時精算課税が適用された財産」を扱わなければなりませんが、複雑にしないため今の段階では省きます。後々、贈与税との関連で登場してもらいます)

     取得財産ー債務+相続開始前3年内に贈与財産=課税価格

ではモノについては、ここでひとまずお休みし、次にヒトに進みます。

第5回 相続税がかかるということー3 ヒト

2014年4月10日
では相続税があなたにかかるか、かからないか、が決まる2つのポイントのもう一つの、ヒトについて見てゆきましょう。

 モノの場合に相続税の世界では取得財産や、みなされる財産、マイナス財産である債務、3年内贈与財産など4つの層に分かれたものが集まっています。

 ヒトの場合も似ています。法律(相続税法ではなく民法)で相続人と法定されている人、この人たちを法定相続人といいます。このカテゴリーには相続人であった方が先に亡くなられたため代って相続人の立場に立つ人も含まれます。このようなかたを代襲相続人と呼びます。代襲相続人を含むこれら法定相続人のうち、相続を放棄した人を除いた人々を相続人といいます。

 法定相続人相続人の違いは大事ですので区別しましょう。

(法定相続人に関連して特別受益者と寄与分を受けた人に注意を払う必要がありますが、大きな流れを単純な形でワカリヤスク説明するため、一旦、脇に置きます)

 法定相続人や相続人に加えて、ここで登場していただかなければならないヒトがあります。遺言で財産をもらったヒトです。遺言で財産を贈与することを遺贈といいます。遺贈をを受けた人を受遺者といいます。

 では最終的に相続税を支払う人はどんなヒトなのか、をハッキリしておかなくてはなりません。この人を納税義務者といいます。これまでに説明してきましたヒトたちのうち納税義務者になるヒトは「相続により財産を取得した相続人」と受遺者です。
 
     相続により財産を取得した相続人+受遺者=相続税の納税義務者  

 ここで大事な点は「相続により財産を取得した相続人」と限定されていることです。法定相続人も財産を取得していない相続人も納税義務者ではありません。

(法人が遺言により財産を取得する場合があります。基本は法人税がかかるので相続税の納税義務者にはなりませんが、例外が二つあり、あてはまりますと相続税の納税義務者になります。
  1、代表者又は管理者の定めのある人格のない社団または財団→個人とみなされ納税義務者になります
  2、公益法人への遺贈がその法人の関係者の相続税が不当に減少する場合→課税公平のため相続税が課税されます。
例外としてこういうこともあるという程度でいいでしょう)

 ヒトの場合、このように法定相続人、財産を取得した相続人と取得しない相続人、受遺者、特定の法人と分かれています。
その分かれ方に注意を払いましょう。財産を取得したか否かによって納税義務者になります。財産を取得しなければ納税義務者にはなりません。

 相続人であることから実際の納税義務者になるまでに次の段階があります。

1、法定相続人に該当した。
2、相続の放棄をしなかった→あなたは相続人になります。
3、相続により財産を取得した
4、相続税の申告書の提出義務がある(3000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除といいますが、この金額を超える課税
  価格
の合計額がある場合に申告書の提出義務が生じます)
5、納付すべき相続税額があること

 相続税がかかるのか、かからないのかが一番お知りになりたい点と思います。この答に行き着く前に上の4段階目の相続税申告書の提出義務があるかが次の関門です。この申告書の提出義務がない場合に該当しますと相続税とは関係がなくなります。
 そうでない場合は相続税の納税のことまでを考えなければなりません。

 このばあい、相続税を納税する人は、あなたの財産を取得した人です。
その時にあなたはいません。
 どの財産を誰に取得させるのかが解決する課題です。取得した人は相続税を納税しなければなりませんが、納税に適した財産と適さない財産があります。近頃はここで問題が生じがちです。

 後々に問題が生じないように考えるあなたにとっては、相続税がいくらかかるかだけでなく、納税までスムースにゆくように、までを視野に入れていただきたいのです。

 モノは扱えますがヒトは「扱え」ません。心とともに、いろいろな考えがヒトにはあります。私見ですが平成18年ころから日本も日本人も変わってきました。時代の変化によって相続人や受遺者の変化にも注意しましょう。

 あなた自身の考えの変化もあると思います。財産がありすぎて相続人に問題が起こってくる場合は新聞やTVでしばしば報道されています。この傾向は、これからは多くなると予想できます。
 逆に、日本人には昔から「子孫に美田を残さず」の考え方もあります。

 あなたにまだ時間があるのでしたら、財産をどうコントロールするかが次のポイントでしょう。
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