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第6回 少し回り道

2014年6月16日
 相続税にも関係することです。今の本題から「少し回り道」ですがご参考までに。
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□    今年7月以降の税務調査が変わります
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 国税通則法という法律がありまして、この中の税務調査の部分が26年税制改正
で改正され、7月から施行されます。
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│1 税務調査の入り口での変更
└─┴─────────────────────────────┘
 
 事前に通知があるのが普通ですが(ない場合もあります。これも法律で
認められています。現金商売などが時々該当します)これまでは会社と
税理士との両方に連絡が行きました。
   
 → 【今 後 は】 「納税者の【申 立 て】がある場合」には、税理士にのみ
連絡が行き、日程などの細かい点は納税者と税理士の間で調整して、税務署
へ返事することができるようになりました。
 
≪説明≫:要するに入り口での事前通知の受け方が2コースあることになりました。
 【1】コースは税務署に、わが方にも連絡してほしい(税理士にも連絡が
   行きますが)。納税をする者として税務署の声を聞きたい、聞く権利
   があるという考え方です。 
 【2】コースは折衝は税理士に一任する。直接に税務署と接点を持たないで
   いたい、との考え方です。
 
≪選択≫:上記の【1】、【2】をあらかじめ選択しておく必要があります。
  そうでないと税務署もいざ連絡する際にどちらに連絡するか困ります。
  相続税・贈与税申告書を税務署に出す場合、代理権限証書(いわゆる委任状です)を
  提出していますが、ここに上記【1】、【2】のどれを選択するか記入する
  ようになりました。
 
   申告内容の報告の際に当所担当者から、どちらにされますか?とお聞きしますので、
  お選びください。
  ~~~~~~~~~~~~~~~~
  どちらであっても調査の過程での扱いの差や有利不利はありません。
  どちらも選択されていない場合は、原則の【1】により納税者に税務署の
  連絡が行きます。
 
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│2 税務調査の過程での変更
└─┴─────────────────────────────┘
 
「質問応答記録書」を調査官は作成します。客観的な証拠がある場合、作成は
不要とされていますが、ハッキリしない点につきこの文書を作成します。作成後に
納税者に読み聞かせ、署名押印を求めることになっています。問い:答えの形式で
作成される「行政文書」です。写しは納税者にくれません。
 
 情報公開で得られた情報ですが、国税職員の心得として「必ず問いは短く答えは
長くとること。強制と受け止められないようにして必ず署名、押印を取る」などが
明示されています。≪ 署 名 は 拒 絶 で き ま す ≫
 
 ここで注意すべきは、たとえば申告洩れの財産が発見された場合、それが意図してされたものか?との問いにイェスと答えますと後々禍根を残します。課税処分をする際に、重加算税がかけられる根拠になりかねません。
署名していますから動かぬ証拠として、その後も生き続きます。仮にですが、裁判になっても絶対的に不利になります。
税理士によく確認されて回答については注意しましょう。
 
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│3 税務調査の出口での変更
└─┴─────────────────────────────┘
 
従来は法令の定めはありませんでしたが ⇒ 下記手続が法定されました。
 
 調査結果は調査官から納税者に口頭で使えられます。納税者の「同意」がある
場合は、納税者に代えて税理士に伝えられます。
 
≪選択≫:二つあります。入り口ではなく出口では自分で確認したい、という方と、
税理士に聞いてもらってから説明を聞き対処したい、の二通りです。
どちらでも選べます。
調査結果で示される出口の形は3種しかありません。
         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《1》はこれまでの表現で言えば「申告是認」です。《2》は「更正処分」です。
《3》は「修正申告の勧奨」です。
《2》、《3》は是正すべき点が調査の結果発見された場合です。
 
 そのうち《2》は是正すべきと納税者が認めない場合で、税務署サイドで
課税処分がされます。《3》は納税者が修正することを認めた場合です。この場合は
不服申し立てはできませんが更正の請求はできます。
 
《1》と《3》の場合は【文 書 で 知 ら さ れ ま す。】
《1》の文書は「更正決定等をすべきと認められません」との内容です。
《3》の文書は是正の内容、金額、理由が記されています。《2》は口頭です。
 
 出口の場合も納税者の【同 意 が あ れ ば】一連の手続きは納税者に代えて
税理士に対して行われます。税理士に任せるかの意思表示は、税務署長あての
「調査の終了の際の手続に関する同意書」で行います。
以上が概要です。

第7回 7月以降の税務調査が変わります―PartⅡ-

2014年6月20日
 前回の記事のうち2の「税務調査の過程での(国税通則法の)変更」につき「質問応答記録書」に関し、続いて説明させていただきます。
 
 交通事故などの際に警察で取られる調書を連想されるようですが、一面は似た部分もありますが、そうではない部分もありますのでここはしっかりとご理解下さい。
 
 ポイントは明らかな(道路交通法の)違反や犯罪に繋がるものではなく、あくまでも提出した申告書の「確認」の過程である点です。査察などはそれなりの証拠を固めてから手続きに入りますが、一般の税務調査はその前の段階です。調べた結果が悪質なため「査察引継ぎ」になる場合もありますが、あくまで例外です。
 
 新しい国税通則法は「納税者の協力を促すことで円滑に」進めるよう手続きの明確化を図っています。従いまして相互に協力して結末に至ることが大事です。税金は嫌いなものとはいえ感情に走っては却って」損をします。新国税通則法の条文の随所に「納税者の協力を得て」と繰り返し述べられています。従いまして質問に対しNoの部分ははっきりとNoと否定しておくことも一種の協力です。
 
 納税者の協力が原則ですから、納税者が「常識で考えて」とても協力できないような調査官の言動や態度がみえれば協力はできないことにつながってゆきます。
 常識を支えに迎合することなく、逆に感情的になることもなく、毅然と対応すればよいのです。映画やTVで時たま刺激的な「感情を煽る」傾向のものがみられますが、現実の調査官は、特に法律が改正されてからは丁寧です。
 
 
ただし誤解はつきものですから以下には注意しましょう。
 
1、<確かめよう>不確かな回答はいけません。即答しなくても「あとで確かめて回答します」で良いのです。特に数字が入った答えはよく注意しましょう。桁間違いで答えることもありますから、よく確かめましょう。数字は金額でも日付や時刻でも一旦口に出せば訂正するにはそれ以上のエネルギーが要りますので慎重にしましょう。
 
2、<委ねること>専門的なことを聞かた場合は税理士にその質問の意味をよく聞いた上で答えるか、税理士から回答をしてもらいましょう。重要な部分で早まった(誤りの)回答をされますと、あとあとたたります。また調査も回り道することで長引くことにつながってしまいます。
 
3、<平素から教育を時々社長や税理士を外して従業員やご家族に質問が行くことがありますが、平素から対応につき、よく話をしておくことも有効です。
 
4、<詰めの段階>で最少の税負担で収めるために小さな譲歩も必要な場合があります。この段階では、交渉は税理士に委ね、大きな点で「どう決着したいか」のところだけブレないように税理士に伝えておきましょう。ここでのやり取りは相応の経験を積んだ税理士がする方がスムースです。これは経験上からも確実に言えることです。
 
5、<織田信長>前回に国税職員の心得として「問いは短く答えは長くとること。強制と受け止められないように」の部分を紹介しました。ここは銘記しましょう。このことは税務調査官が相手の時だけではなく世の中一般の会話の要点です。ベラベラしゃべるのは手の内を晒すバカのすることで、十分相手に喋らせることはとても重要です。
調査現場は、ポンポンと会話のキャッチボールをする場ではありませんから間(マ)の無言の時間は人間としては嫌な時です。怖れを感じる人もいます。これは相手も同じなのですから、辛抱しましょう。辛抱した方が会話のイニシアチブを取るのです。そして会話をコントロールすることができます。
 これを有効に使ったのは織田信長です。殿との会話の最中に信長が長い沈黙をとると、それだけで恐ろしく、次に殿の口から出てくる言葉がであっても、受入れてしまおうとする心になるようです。同じことはその時代に日本に来ていたフロイスという宣教師の書いた本にも記されていた記憶があります。ナポレオンも、要点を外さない短い質問をし、そのあとはひたすら黙って、説明に耳を傾けたことは有名です。
 このように会話の谷間での「沈黙は金」なのです。十分に間(マ)を取り間抜けにならないようにしましょう。

 
6、<書証の準備>契約書、議事録は作成洩れのないようにしましょう。領収書などは相手があるので手元に残りますが同族会社ゆえに忘れやすいのが社長と会社間の契約書や議事録です。調査になってこれらがないと、そこから突っ込まれます。とても不利になります。
 
最後に大事な点2点ご紹介します。
 
  • 新法では調査が終わりに近づいても、前提の事実が異なることになった時には調査を再開できる旨の通達(5-4)が出ています。要注意です。
  • 調査の対話の中で窮地に陥った場合に逃れるすべは「質問に質問で返す」「具体的質問に一般的回答で返す」「質問の趣旨をズラせて答える」「話題を変える」などが欧米では列挙されています。交渉の場での会話を「格闘」と捉える国々と曖昧を基本とする日本語とは文化が違うとはいえ、税務調査では「ひとこと」で形勢が有利になったり、逆転して不利な形勢になるので「ひとこと」にも注意しましよう。ご参考まで。

第8回 大切なこと・・・相続税の申告は100人100通りです

2014年8月9日
相続税の申告内容は、相続人、相続財産の内容で、千差万別です。

 よその相続の話を話を聞かれて、ご自分の場合に充てはめて、必要以上に不安にとらわれる人がいます。

 日本は同質化社会ですから、皮膚の色も、顔かたちも、考え方も似ています。しかし一歩踏み込んで中に入れば異なるところが多いものです。
 
 相続も同じです。 よその話を聞かれるのはいいのですが、その話に影響されてはいけません。 

 なぜ影響されるかと申しますと、話の表面だけ聞いて、そのあとは「自分の感情や先入観」で中身を決めてしまうためです。  外国の日本学という分野の二流学者は、日本の学者の書いたもので英語に翻訳されたものだけを見て、自分の原稿にします。日本語の勉強も不十分です。

 日本語で書かれた資料を読み、現地に行って事実を確認し、もっと古い資料に当たり史実を紐解くことをしないまま、自分の主観や思想を上薬をかけるように染め上げて一丁上がりです。

 事実を確かめる姿勢のない怠慢があるだけです。そして有名大学教授の「権威」で事実から離れた「理論」が世界に独り歩きしてゆきます。だれも検証しません。  これら悪例が先駆けになり、どんな分野でも、新聞や雑誌もTV報道もこの流儀が普通です。学生もレポート作成はコピーペーストでつぎはぎし、一丁上がりです。それで単位が取れて、分かったつもりになれます。しかし事実はなにもわかっていません。  


 相続の話に戻りますが、人の話や、新聞社主催のセミナーに行って話を聞かれて、ただ不安になるだけ、の人が多いのです。

大事なこと: 「事実」はあなたしかわかりません。

 今までも書きましたように相続人と相続財産が二大要素です。  あなたは本当に亡くなられたかたの相続人ですか、実の親子ですか、養子かもしれませんここをハッキリするには・・・・・戸籍謄本を見ましょう。自己の兄弟姉妹以外に兄弟姉妹がいるかもしれません。 3代前からの戸籍を取り寄せてしっかり読みましょう。  

 私の場合、戸籍を読みましたら、一番遡って嘉永5年 木村善三郎という方から、その次に木村善左衛門ときました。嘉永とはペリーの頃からです。どんな人だったか話としてうっすらと聞いたことしか残っていません。母のほうは文政という時代から書かれていました。西郷隆盛が生まれた年です。

 このように戸籍の流れからご自分が相続人がはっきりします。  相続案件では、どの依頼者の方も、江戸末期までの改正「原戸籍」までは見れます。  
 戸籍は、市役所で取れますので<資料>に基づいて<事実>を見ましょう。丹念に流れをご自分で見直すところから申告に必要な事柄を把握します。  

 もう一つは相続財産です。大事なのは解説書を読むより、相続財産の事実を掴むことです。資料は預金通帳など金融機関の発行した預かり証などです。  名義が誰になっていてもその財産は本当に、亡くなられた方が作り上げられたものでしょうか。他人のお金が混入しているかもしれません。

  このように事実を整理されるところから始まります。面倒だから税理士に頼む、という場合でも、税理士は誰の財産かの判断のお手伝いはできても、資料がなければお手伝いのしようがあありません。

 自己の感情だけで、あるいは想像や憶測で事実を把握しないという誤りはされないようにしてください。 事実が出そろいましたら、その事実に相続税法の法令をあてはめるのは専門家の仕事になります。

第9回 相続税の最大の減税ポイント・・・小規模宅地の特例・・・・

2014年8月13日
 平成25年度の税制改正で相続税は増税が基本ですが、いくつかの減税のものも埋め込まれています。


 その最大のものが小規模宅地の特例です。

 平成27年1月1日からの相続に適用されます。
 
<その内容>
 ①亡くなられた方が、事業や居住に使われていた宅地については大幅に相続税の課税対象から減額されます。

 ②事業に使われていた土地のみの場合は、400㎡までの価額の80%を減額し課税対象外にできます。

 ③居住用の土地は、330㎡までにつき、その価額の80%が減額され、課税対象外にできます。

 ④事業といわないような貸付業などに使われていた土地は200㎡までなら、その価額の50%を課税対象外にできます。

<その趣旨>
 増税はしても、生活の基礎である事業と住まいについては、相続人へそのまま継承できることにされています。逆に言えば、相続税のために、生活の基礎まで手放さなければならないことがないように、と考えられます。

 でも少ないですね。

 住宅なら330㎡ですから100坪までです。そこで辛抱しなさいという意味でしょう。これを突き破って、邸宅を構えるには相当の相続税を覚悟しなければなりません。

 税制で「考え方まで」折り畳まれそうです。
 
<誰がその土地を取得した場合にこの特例が適用されるか>
①亡くなった方の配偶者・同居していた親族・同居していないが一定要件に該当する親族

<注意点>
①これらの特例の対象になる土地を相続で取得した「全員」がこの特例を受けることをOkしていること。

②相続税の申告期限までに分割されていること。

③この特例を受ける旨を記載した相続税の申告書に、戸籍謄本、遺産分割協議書の写し(印鑑証明書付き)、住民票(相続開始の日以後に作成されたものに限る)の写し、と戸籍の附票の写しを添付して提出すること。

<大事な点>
①相続時精算課税による贈与で土地を取得した場合は、適用されません。

②電卓片手に、財産の合計から債務を差引き、そこから宅地の80%を控除したら基礎控除を下回ったので、よっしゃー、、、税金はかからんわと思われたら、、、それは勘違いです。

 申告しなかったら80%の減額はありませんから、相続税がかかります。申告することが要件であることをお忘れなく。

申告さえされますと、この特例が効いて、納税ゼロとなることは多いです。
 

<こんな場合はどうか>
①相続人が学生で、親と離れて下宿していたり、単身赴任で別に住んでいた場合は、余暇には家族と寝起きしていて、生活費の送金が行われており、同一の家屋に戻ったときは、いわゆる「別居」状態でなければ、特例の適用が受けられます。

第10回 小規模宅地の特例・・・PartⅡ・・・・

2014年8月14日
遺産が未分割の場合は適用できません。
 
 最近は遺産分割は簡単にゆかないようです。家庭裁判所への調停の申し立て件数も増加しています。

 では申告期限までに未分割のままであれば、小規模宅地の特例は使えないのでしょうか。
 
 いいえ、あと2回チャンスがあります。

その1:
 申告期限から3年以内に分割された場合は、この特例が適用されます。
 
手続:
 「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告書に添付して提出します。その2の場合と違って、「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類の提出の一方通行だけでよろしい。

その2:
 もし3年の期間に、訴えの提起、和解または調停の申立てその他の事情で遺産の分割ができない場合でも望みはあります。


手続①:
 相続税の申告期限後3年を経過する日の翌日から2月を経過する日までに「遺産が未分割であることについて、「やむを得ない事由がある旨の承認申請書」を、申告書を提出した税務署に提出します。

 この場合は、税務署の承認を得る必要があります。書類提出という一方通行ではありません。


手続②:
 分割できることとなった日から4月以内に分割がされなくてはなりません。
 
その1、その2 共通の手順:
 分割されたことを知った日の翌日から4月以内に「更正の請求」をして税金を取り戻すことができます。
 
 なお平成23年12月以降に相続税の申告期限が到来する相続税については、更正の請求ができる期限が有利になります。
 申告期限から5年内の場合は、4ヶ月に係らず、申告期限から5年以内に更正の請求をすればよろしい。制限期間が長くなります。
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