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わかりやすい相続税の話—ご心配いりません— 長いあいだ世の中に貢献してこられた貴方に

第21回 相続税対策の盲点・・情報管理・・・こんな点は大丈夫ですか?

2015年7月27日

相続対策で盲点になりがちな点を挙げてみました。

<情報の相続税対策>

□本人や被相続人のPCの中身には相続税の申告に関連するものが収められていることが多いものです。中身の整理は大丈夫ですか。申告時や税務調査で問題にならないように整理しておきましょう。
□あなたに断りもなくCドライブで作業した形跡はありませんか。第3者が改ざんした恐れはありませんか。
個人用クラウドに情報が上げられていませんか。ネット上で流出しかねません。

□知らないうちにファイルの削除ができるCクリーンなどのアプリが導入されていませんか。フリーソフトで削除ツールを入れることが多いと言われています。但し「アプリケーション上で削除しても実際にはアプリ上で見えないだけで、送受信したメールは保存されている」(羽室著「ハイテク犯罪捜査の基礎知識」132頁 立花書房)といわれています。

□意図しないで削除された電子メールは復元できます、また削除済みドライブからファイルを復元できますが、そのようなことをしなくてよいように平素から情報管理を十分にしましょう。
パスワードの管理や使いまわしは要注意です。

定期的にデータや書類の廃棄をしていますか。


<預金や動産、不動産の相続対策>

預金:いまだに通帳と印鑑が同じ場所に置かれている場合があります。ギョッとします。

貸付金:友人、知人、親せきに貸したまま未収が長引いている債権はありませんか。回収努力をされ白黒をはっきりされませんと相続税の申告の際や税務調査で困ることになります。

動産:価値があると思っていてもそうではなかったり、逆に価値がある場合があります。処分、整理を心がけましょう。

固定資産:あるべきもの(固定資産)が、あるべきところに存在していますか。あなたが知らない内に売却されていることもあります。最新の記簿を確認しましょう。

株券:上場会社の場合は証券会社の「預かり証券一覧」で確認できますが、非上場の場合は注意が要ります。株券を保有されていますか。不発行が普通です。株券がある為、それを他人にもたれたら手形と同様で手を出せません。その株券の発行会社に株券不発行になっていないか問い合わせしましょう。

第22回 贈与税の非課税+相続税も課税なし:一石二鳥の4制度とは

2015年9月22日

これらの制度はよく利用されています。

制度名と概要をご紹介しましょう。

1、贈与税の配偶者控除 2000万円まで非課税
婚姻期間20年以上である配偶者から住宅またはその購入資金を贈与された場合は贈与税は非課税です。また贈与以後3年内に贈与者が死亡した際の相続税に贈与額が加算されるのが原則ですが、その住居または住居取得資金には相続税はかかりません

2、住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税 1000~1500万円

直系尊属から住宅取得資金(不動産の現物は除かれます)を贈与され一定期間内に住宅を取得し、居住した場合は1000万円(省エネ住宅購入の場合は1500万円)までは贈与税はかかりません。また贈与者の相続に際しては上記金額までは相続税の課税はされません

3、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税 1500万円
30歳未満の者に限られますが教育資金資金として金融機関に契約して預けた場合、教育に使用すれば贈与税は非課税です。なお学校に授業料などとして直接支払う部分以外の、いわゆる御稽古事などの費用は500万円までと上限が定められています。また受贈者が30歳までに教育資金として使わなかった残額110万円を超える金額には贈与税がかかりますので注意が必要です。教育への支出でない部分も贈与税がかかります。贈与後3年内に贈与者が死亡した場合、相続税の対象にはなりません。

 

 典型的なケースは、お孫さんがたへ贈与されますと、お孫さんお一人につき1500万円までは贈与税はかかりません。お孫さんの数によっては、そこそこの額になります。お孫さんが30歳になられた時に使い残しの金額が110万円を超えますと、その部分が贈与税の課税対象になります。

 

4、直系尊属から結婚・子育て資金の非課税 1000万円
最後が今年の改正で出てきたこの制度です。重点は出産・育児費用の援助ですので結婚費用は1000万円のうち300万円までとされています。3の制度と似ているのが金融機関で契約して預金を作る点です。
 また3の制度と異なる点は、贈与者が死亡した場合、残額には「相続により取得した」とみなされ相続税がかかる点です。但し通常お孫さんにかかる相続税は2割が加算されるのですが、この2割加算の適用はありません。

<共通の事柄>;1~4すべてに共通して厳格な手続きが必要です。1,2は税務署に対して、3,4ははじめは金融機関ですが残額がある場合などは税務署に手続きが必要です。

<期間の定め>
1:なし
2:平成31年6月30日までの贈与
3及び4:平成31年3月31日までの贈与

第23回 マイナンバー制度 その後

2015年10月30日

その後の情報でお役にたつものを整理しました。

 

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│1 <事例でのご説明> マイナンバー制度がどのようなもので

|   あるかが良く解ります。

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 ジュニアNISAと贈与税非課税限度額110万円

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 今年からジュニアNISAがスタートしました。両親や祖父母が20歳未満の子や

孫のために証券会社に口座を開いた場合は年間80万円まで非課税です。

 この80万円は贈与税の非課税枠【 1 1 0万 円 】の枠内ですから、ジュニア

NISA80万円で口座を開いた場合は贈与税の非課税枠は30万円しか残りません。

証券会社でジュニアNISAを孫のために開設したことを忘れて、銀行や郵便局の

店頭で110万円までの預金やその他の財産を贈与したりてしまうことはありうる

ことです。

 

 ここでマイナンバーの出番になります。贈与枠をオーバーしていることを

即キャッチし「贈与税を払いなさい」ということになるでしょう。

 

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│2 マイナンバー(個人番号)は「私の(ための)」の番号ではありません

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 誰が付けたか知りませんが新聞やTVは「マイナンバー」と言いますが、

名前をみて錯覚してはなりません。根拠の法律の本名は「行政手続における

特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」というもので、

一切マイナンバーなどとは書かれていません。

 

 【第一条の(目的)】には

・行政機関が共同で 

・個人番号を使って 

・特定の個人の異なる分野の情報を照合して 

・行政事務処理者間の迅速な情報の授受により

・行政運用の効率化・・・・を目的とすると書かれています。

 

要するに、個人の情報を駆使して行政を効率化したいための番号制度なのです。

確かに正直者が馬鹿を見るザルのような行政運営がピシッと締まれば良いのですが。

 

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│3 気になる点

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 法律では行政機関という言葉の後に「その委託を受けた者」と続きます。

行政の下請けがされているのは現実です。年金の情報が漏れたのも下請会社の

派遣からといわれています。しかも委託だけでなく「再委託」ができます(第10条)。

下請と孫請けができると考えます。このような派遣を入れなくては行政事務が

進まないのが現実のようです。

私は「委託」「再委託」がアキレス腱とみています。安心できません。

 

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│4 個人番号が必要になるのは行政機関に書類を提出する時だけ!

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逆にいいますと、上記以外の場合にやたら個人番号を記入した書類を出してはいけません。

行政機関に出さない場合は一切、個人番号を記さないと違反になります。  ~~~~~~~~~~~

 

 具体的には【 2 9 年からですが】

・給与所得の源泉徴収票や法定調書の写しを本人に交付する場合でも番号は記入しません。

・法人税や消費税申告書を税務署に提出する際に代表者の名前を書かなければなりませんが、

 代表者の個人番号は記載しません。

・所得税の申告書には本人、控除対象配偶者、扶養親族、事業専従者の個人番号を記載する

 必要があります。(記載がなくても受け付けられると言われています。6参照)

┌─┬─────────────────────────────*

│5 「通知カード」と「個人番号カード」

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 まず「個人番号・氏名・住所・生年月日・性別」の5項目の書かれた「通知カード」(紙製)

が送られてきます。紙製と思って粗末にしてはイケマセン。個人番号が記入されています。

実印と同じように保管しましょう。他人に渡ればなりすましに使われかねません。

 この通知カードには「個人番号カード」申請書が入っています。写真を付して申請すると

個人番号カード(プラスチック製)がもらえます。申請するしないは自由です。

「個人番号カード」の所有権は市町村にあり、私たちへは貸与です。大人は10年、

子供は5年たったら市町村に返納します。身分証明に使えますが「通知カード」と同じで大変
大事なカードですので持ち歩かないようにしましょう。

「ICチップ」に情報が入っています。プライバシ―を守るためにも「個人番号カード」

は扱いは慎重にしなければなりません。

 

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│6 <事業者への「協力、努力」義務と「罰則」>

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 法律では行政機関に、協力するよう努めるものとする、と定められ「努力義務」です。

一方漏洩などの場合は最高で懲役4年且つ200万円の罰金となっています。

 行政機関は個人番号の記載がなくても申告書等は受け付けると言われていますので、

まず優先すべきは貴社の安全管理措置を十分にされることです。

PC上ではPWIDのセキュリテイは勿論、出来たら暗号化しましょう。

PCに乗せない場合(紙ベース)では鍵がかかるところに保管しましょう。

 

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│7 従業員から個人番号の提供を受けられなかった場合

└─┴─────────────────────────────┘

 

 扶養控除等申告書などを作成する場合に起こりうることです。その場合は経過を

記録しておきましょう。また番号を記入する必要があるのは【 行政機関に書類を

提出する場合だけ 】ですから、28年からこの制度が実施されるとはいえ、行政機関に

提出するのは29年からですから今年の年末・年始にたちまち作成される扶養控除等申告書に

無理して記入しようとしないで、この制度の推移をみまもりながら、従業員さんとも

理解を深めることが大事です。拙速で摩擦を生じないようにしたいものです。

第24回 27年度の国税の運営方針・・・相続に関連する部分

2015年11月26日
 税理士情報ネットワークを経由して平成27年度に国税庁が運営に関して発した通達を知りました。これらのうち相続に関連すると思われる部分を紹介させていただきます。 
税務署の重点の置き方が分かります。以下にまとめました。
 
(重点事項)
大口悪質事案に力点を置く。
 
富裕層へは東京、大阪、名古屋国税局にプロジェクトチームを設けて継続管理する。富裕層に属する会社役員については各部署の連携調査体制を敷く。
 
相続税については、今後は申告件数の増加が見込まれるので、限られた人員で対応を可能にするため実地調査以外に行政指導(書面照会など)の方法も取り入れてゆく
生前贈与の把握  生前贈与に着目した調査をする。 
*譲渡所得及び相続税の調査の際に財産の移転(特に親族間の財産移転の有無)譲渡代金の使途及び遺産分割後の相続財産の帰属を確認する
 
*相続税贈与税の潜在無申告者の把握に努める。
国外送金、国外財産の把握
 
滞納が多いので滞納中の納税者の調査の際に把握した財産情報を徴収部門に早めに連絡し、徴収部門と連携を密にする。集中電話催告センター室で早期に催告を行う。
 
国際間にまたがるものは個人・法人を一体的に把握する
 
マイナンバー制度
番号が記載された税務関係書類が281月以降に提出されるが、番号が記載された申告書等が「本格的に提出されるのは」平成291月以降になる。このため平成29年1月以降の法定調書の名寄せ及び申告書との突合が効率的に行えるようシステム整備を進めている。
 
*番号制度の導入を、ITを活用した資料・調査事務の高度化を大きく進展させる好機と捉え、番号の持つ特性(悉皆性・唯一無二性、最新の属性情報の追跡力)を最大限活用した活用策について、現在、施策実施に向けた具体的な検討作業を進めている。番号の利活用策に係る工程表(アクションプラン)を確定し、各施策の実現に取り組むこととしている。
 
その他
*公益法事等 租税特別措置法第40条(譲渡所得の非課税)により譲渡所得が非課税とされた寄附を受けている公益法人等の調査に当たっては、署資産課税部門に確実に連絡する。
 
*法定調書未提出者へは督促から法定監査へ強化。
*印紙税同時調査の推進 (相続税の調査の際にも「契約書」などへの印紙の貼付洩れに注意しなければなりません)
  
運営の重点と思われる点は以下のキーワードと考えます。

大口・悪質・富裕事案、相続税&消費税国際事案源泉所得税(特に未納者の把握、国際間の送金)、無申告逋脱事案、好況業種と資産運用国際化事案、無申告の把握 グループ法人関係
 
もっと簡単に纏めますと、下記でしょうか。
  一に悪質
  二に好況業種や富裕層で海外関連の資産運用
  三に海外を含む関連グループ法人関係
  
 通達の行間からは、限られた人員で調査をこなす為に効率的集中的にターゲットを絞る、との印象を受けました。
ご参考になれば幸いです。  

第25回 相続税の納付でのコワイ話 -連帯納付義務-

2015年12月25日
 世間では、相続税が話題になっています。そのときに表だって話題にされませんが、今後ウッカリしますと深刻な問題になりかねないのが-相続税の連帯納付義務-です。
 
 大事な親族をなくされた上、自分の相続税だけでも支払うのがうっとおしいものですが、その上にこのようなものが来ますと大概のかたはあまりにも意外なことで困られるのです。
 
1、(ある裁判実例)<数値などはワカリヤスク変えています>
 ゴルフセンターをされていた方が亡くなられ相続税が発生しました。相続人は奥さん、長男、長女、次女の4人で相続財産は大部分がゴルフセンターの不動産で、その他に預金は6200万円くらいありました。
 
 これらの遺産分割は、長男にゴルフセンター、長女、次女には預金6000万円が引き継がれました。奥さんは老齢なので、現金200万円だけで良いと仰いましたのでそれを受け容れました。
 
 相続税額は長男に1億円、長女と次女には各2000万円が課税されることになりました。奥さんには配偶者の軽減特例で相続税は無税でした。
 
2、(どんな問題が起きたか) 
 長女と次女は引き継いだ現金で納税を済ませましたが、長男はゴルフセンターの収益で納税できると思ってました。ところが急速に景気が悪くなりゴルフセンターは赤字転落、相続税どころの話ではなくなってきました。
 
 国税局からも1億円の滞納の督促があり、窮した長男はゴルフセンターを売却して資金を作り、納税しようと考えました。ところがゴルフセンターはデフレ経済の上、足もとを見られたのか5千万円でしか売れませんでした。
 
 結局、未納の相続税1億円の内5千万円については奥さん、長女と次女が支払わなければならなくなりました。
これが「相続税の連帯納付義務」(相続税法34条)です。「同一の被相続人から相続で財産を取得した全ての者は連帯納付の責めに任ずる」と定められています。配偶者は相続税がかかっていなかったのですが、連帯納付の義務から逃れることはできません。
 
 長女と次女は3000万円づつ預金を得たものの、それぞれ2000万円は自己の相続税の納税に使ってしまいました。結局、残る1000万円も長男の未納相続税に支出するハメになります。相続税法では「受けた利益に相当する限度」となっていますので奥さんも200万円を限度として納税しなければなりません。
 
 
3、(どうすればよいか)
 この例のように不動産が大部分を占める相続の場合は、どのような方法で納税するかをシミュレートする必要があります。
次に、連帯納付の義務は下記の場合は生じませんので、これを使うことを考えます。
  1. 税務署が相続税申告書提出期限から年以内に連帯納付の通知を発していない場合
    イ、相続税の延納の許可を受けている場合
    ウ、農地などの納税猶予の特例を受けている場合
     
    一般の場合は上のうちイが適用可能です。
     
    現金預金など換金できない財産が多い場合、納税の方法を良くシミュレーションすることと、生命保険などでも備えをされなかったのが禍の元でした。
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